セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

「なぜ?」と考えさせる
mixiもやっています。
mixi Yojiのページ

 そこで「セルフラーニング」のコミュの管理人をしています。
 きょう立ち上げたトピックを転載します。

理科で大切なのは「なぜ?」ですね。

 「なぜ,太陽は動くのか?」
 「なぜ,季節はあるのか?」
 「なぜ,月は満ち欠けするのか?」

 いじわるなことを思いつきました。
 ついでに,この文を読んでいる人の中にも多くの人が答えきれないのではないか,と思う疑問

 地球は回っています。かなり高速です。公転も考えるとさらに高速。
 コペルニクスが地動説を唱えたときに,人々から質問されたそうです。
「それでは,私がこの場で飛び上がります。すると地球は動いているのだから,私は別の地点に落ちるのではないですか?
なぜ,私はこの場に落ちるのです?」

 コペルニクスはきちんと答えきれなかった。それに答えを出したのが,ガリレイです。横道ですが,考えてみてください。中学レベルの問題です。

 元に戻ります。
 さて,このような疑問を持つと人間は答えをさがそうとする。それが分からないと落ち着かないのです。自分の中に不調和がおこりそれを調和のとれた状態に戻そうとする。

 そこで,仮説が出てくるのです。

 アポロンの神が馬に乗って駆けめぐっているから,太陽は動くのだ。
 アマテラスオオミノカミが現れるのだ。

 仮説をなんとか確かめようとする。それが科学になるのですね。

 だから,指導の前に,子どもたちに疑問を起こさせるような,いじわるな質問をしてみる,というのはとてもいい指導だと思います。

 その答えを子どもに考えさせる。つまり仮説を考えさせるのですね。

 先ほどの「地球が動くのになぜ私はこの場に落ちるのか?」
 「そういわれればなぜだろう?」と考えているあなた。いま科学をしているのです。

 たぶん,だれかがすぐに答えを書き込んでくれるでしょう。それまで不調和を自分なりに解消してください。
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天体の満ち欠けの説明
中3,理科の天体
 工夫した中で,なかなかグッドアイデアだと我ながら思うのは,月や金星の満ち欠けの見え方。
 それを,紙風船で説明するのだ。紙風船は8つの三日月のようなかみをはりつけて作られている。 その1つ1つをA面,B面,・・・H面とする。
 そして,太陽があたる面とあたらない面を区別させ陰の部分を黒く塗りつぶす。
 次に目のある場所から見える部分を判断する。
 その中で光っているところが月や金星の見える部分になる。



__tn_tentai.jpg


{ジオログ : 2007年11月24日(土) から引っ越し}


湿度と気温の理解のために
 湿度は気温にとても関連しています。しかし,それは理解しにくい。それで,次のような例えを考えました。

[ アイスクリーム屋の席 ]

【問1】 通仁さんはアイスクリーム屋をしています。
席数は40席で,今お客さんが30人座っています。
客数は,満席数の何%ですか。

【問2】 アイスクリームは気温が高いときには,よく売れますが,低いときにはあまり売れません。通仁さんは,気温によって席の数を変えることにしました。使わない席はない方が掃除などで便利なのです。
 いまの気温は20℃なので,席数は30で,お客は15人です。
客数は,満席数の何%ですか。

【問3】 通仁さんは難しい言葉が好きです。そして満席のときの人数を飽和客数ということにしました。飽和というのは、もうそれ以上入らない状態のことです。また、
そして、気温と飽和人数を次のようにすることにしました。

(気温と飽和人数)
気 温 (℃)  -5 0 5 10 15 20 25 30 35
飽和人数(人)  3 5 7  9 13 17 23 30 40

(1) いま気温が10℃で、お客が7人います。
 飽和客数に対するお客の数の割合(%)は
 いくらですか。(四捨五入整数で)

(2) いま気温が35℃で、お客が20人います。
 飽和客数に対するお客の数の割合(%)は
 いくらですか。(四捨五入整数で)


{ジオログ: 2007年12月9日(日) から引っ越し}


縦波と横波
 中学1年の理科,地震で縦波と横波について学びますね。

 初期微動はP波,主要道はS波。そして,P波はたて波,S波はよこ波,

 と教えます。

 音は縦波です,とも教えますね。

 横波の説明は比較的簡単です。縄跳びの縄を上下にふって,これが横波だよ,と教えれば,ほとんどの子が納得,といった顔をします。

 しかし,縦波の説明は難しい。以前は,おもちゃのコイルを買ってきて,それで説明していました。階段をぴょんぴょんと落ちていくコイル。分かりますか。

 あれを勢いよく前後にゆすると縦波ができます。
 あれはあれで一応生徒も納得でした。

 でも,もっといいのがありました。

 新しい科学の教科書にありました。

 下の図です。

 人をたてに並べる。そして,後ろの人が前の人を押す,押された人がその前の人を押す。すると波が次々と伝わっていきますね。

 なかなかうまい説明で,うれしくなりました。

縦波,横波
 

新しい科学の教科書〈1〉現代人のための中学理科

新しい科学の教科書〈2〉現代人のための中学理科

新しい科学の教科書〈3〉現代人のための中学理科



初期微動継続時間の例え

 初期微動継続時間は時間に比例しますね。

 これが中学生はどうも理解しにくいようです。

 それで,私は次のような例を出します。

 マラソン大会です。AさんとBさんが走っています。

 次の絵はスタート後1分,5分,10分の写真をばらばらの順に並んでいます。正しい順に並べましょう。ただし,2人のペースは一定だとします。

 これはすぐイメージできるようで,すぐに理解できます。

 そして,P波,S波の説明,そして初期微動継続時間の話に行けば,スムーズに理解できます。
shokibi.jpg

中学理科計算問題と田の字表
 田の字表

 理科1分野の問題は,かなりの部分,比例式を用いてとくことができます。

 例えば,時速60km,3時間では何kmか。

 1(時間):60(km)=3(時間):x(km)

 12Nで3㎡,圧力はいくらか。
 圧力は1㎡あたりのNだから

 1(㎡):x(N)= 3(㎡):12(N)

 百分率も比例式で

 200gの食塩水の中に30gの食塩,濃度は
 濃度は100gに何g溶けているかだから。

 100:x=200;30

 化学の定比例の法則も

二酸化炭素における,炭素と酸素の質量比は,3:4。 炭素9gを燃焼させると何gの酸素が化合するか。

 3:4=9:x

 電気抵抗の大きさは1Aあたりの電圧です。 だから,2Ωの電熱線に6Vの電圧をかけると電流はいくら流れるか。

 は1:2=x;6 

 このように,いろいろ比例式で解けます。

 なお,ぼくは,比例式を田の字表で教えています。
 
 2×2 の表のことをぼくは田の字表と言っています。

 例えば,先に出した 時速60km,3時間では何kmか,では

┌────┬────┐
│60km  │ xkm  │
├────┼────┤
│ 1時間  │ 3時間 │
└────┴────┘
 表は,
1,横(左右)は単位をそろえる
2,縦(上下)は対応する値
 ということで,整理させます。

 比例式を解くときは,内項の積=外項の積 で方程式を作りますね。

 田の字の場合は,たすきにかけます。つまり,斜め同士をかけ算にしてイコールで結びます。

1×x=60×3  この方程式を解けば答えが出ます。

 田の字表の場合は,斜めに×ということで理解がしやすいようです。

フレミングの左手の法則の変則
  中学2年の理科では,フレミングの左手の法則を習いますね。けっこうめんどうです。
 左手の親指,人差し指,薬指を直角にすると,親指は力,人差し指は電流,薬指は磁界の向きになるのですね。

 慣れるとそれぞれの位置に指を向けるのが簡単にできるのですが,慣れるまではなかなか大変そうです。あちこち向けているうちに指の向きが逆になったりします。

 そこで,フレミングの左手の法則の変則版を紹介しましょう。

 左手の指を全部伸ばします。人差し指から小指まではくっつけます。親指は他の指に垂直になるように立てます。
フレミングの左手の法則,変則

 親指は力,薬指(4本の指)は磁界の向きというのはふつうのフレミングの左手と同じです。

 ちがうのは,電流が手の甲から手のひらに向かって流れるとすることです。

 ちがいはそれだけですが,こちらの方が楽にできます。かなり楽なようです。

 ふつうのフレミングの左手の方が向きがはっきりしているので分かりやすいことは分かりやすいです。

 しかし,それを差し引いても変則の方がやりやすいです。

 以前はセルフ塾でもふつうのフレミングの左手をやっていました。
 現在大学2年生のY城S美さんが中学2年生のときです。学校でこの変則のものを習って,こちらの方がやりやすいと言っていました。
 ぼくもだいぶ前にそれをどこかで読んだような気がしましたし,基本的に同じことですから,どちらでもいいということにしました。

 その後,ふつうのものを基本的に教えて,なかなかうまくいかない生徒に変則を教えてみると,変則の方が楽にできました。数回そういうことがあったので,いまでは変則を教え,後で「一般的には・・・」といって普通のものを紹介しています。

 なお,慣れるまでは,手に記号や文字を書いてさせるとさらに楽にできるようです。

「フレミングの左手の法則変則版」にさらに工夫
 先日は,「フレミングの左手の法則変則版」を紹介しました。

「フレミングの左手の法則変則版」

 いま中学2年生はまさにそれをやっています。一人の生徒が習いにやってきたので,簡単に「フレミングの左手の法則変則版」を説明し,そしてちょっとひらめいて,写真のようにペンを薬指と中指の間にはさんでペンの頭からペン先に向かって電流が流れていると教えました。理解しやすかったようです。
フレミングもっと


 それから数問,ぼくの目の前で問題を解いていましたが,ペンをはさんでさかんに手を回転させていました。

マイナスの重力
 mixi「授業の工夫」に次の質問がありました。


教科書では
「大気圧…空気の重さによって生じる圧力」
とあります。


これはこれで疑問はないのですが、
高校以上で習う気体の圧力、すなわち
「気体の圧力は分子の熱運動によって生じる」
という考え方とのつじつまを合わせることができず困っています。
(以下,略)



 (ぼくが書き込んだコメントです)


 ぼく自身が,気圧は空気の重さといわれて,あまりぴんとこないので,「空気の重さによって」ではなく,分子が衝突することによるものだと教えています。
 間違いだといっているのではありません。

 ただ,次の説明にすぐ反論できますか?

 ここにびんがあります。中には何も入っていません。(実際は空気が入っている)
 その重さを量ります。

 次に,水素をこのびんに入れて重さを量ります。どうですか。軽くなりましたね。このように水素はマイナスの重さを持っているのです。

 次の実験
 まずおもりの重さを量ります。100gですね。それにヘリウムを入れた風船を結びます。ほら,軽くなったでしょう。ヘリウムもマイナスの重さを持っているのです。

 実際に実験をしたことはありません。ただ,そうなるはずです。


 中学生は?????という感じです。何か間違っているな,という表情をしますが,反論できない。

 理科の苦手な大人にも分からないでしょう。

 これは「浮力」によるのです。空気より軽いので浮力の方が重力より大きくなって浮いてしまいます。だから,マイナスの重力になってしまうようにみえるのです。

 だから,気圧を空気の重さといっても何かピンとこない。
 生徒はそこまで考えないから,空気の重さで分かったような顔をします。でも,ぼくは何かごまかしているように感じるのですね。

 それで,ぼくは気体分子がぶつかるから気圧は生じるのだと説明しています。
 

気圧の説明(mixi授業の工夫)
 mixi「授業の工夫」で次のような質問がありました。

(Aさん)

中1の、大気圧の教え方に関する質問(相談)です。
教科書では
「大気圧…空気の重さによって生じる圧力」
とあります。
 これはこれで疑問はないのですが、
 高校以上で習う気体の圧力、すなわち
「気体の圧力は分子の熱運動によって生じる」
という考え方とのつじつまを合わせることができず困っています。(以下,略)




(それに対して次のコメントを載せました)
 ぼく自身が,気圧は空気の重さといわれて,あまりぴんとこないので,「空気の重さによって」ではなく,分子が衝突することによるものだと教えています。
 間違いだといっているのではありません。

 ただ,次の説明にすぐ反論できますか?

 ここにびんがあります。中には何も入っていません。(実際は空気が入っている)
 その重さを量ります。

 次に,水素をこのびんに入れて重さを量ります。どうですか。軽くなりましたね。このように水素はマイナスの重さを持っているのです。

 次の実験
 まずおもりの重さを量ります。100gですね。それにヘリウムを入れた風船を結びます。ほら,軽くなったでしょう。ヘリウムもマイナスの重さを持っているのです。

 実際に実験をしたことはありません。ただ,そうなるはずです。


 中学生は?????という感じです。何か間違っているな,という表情をしますが,反論できない。

 理科の苦手な大人にも分からないでしょう。

 これは「浮力」によるのです。空気より軽いので浮力の方が重力より大きくなって浮いてしまいます。だから,マイナスの重力になってしまうようにみえるのです。

 だから,気圧を空気の重さといっても何かピンとこない。
 生徒はそこまで考えないから,空気の重さで分かったような顔をします。でも,ぼくは何かごまかしているように感じるのですね。

 それで,ぼくは気体分子がぶつかるから気圧は生じるのだと説明しています。


(それに対しBさんから次の反論がありました)

>181 Yojiさん
「気体分子がぶつかるから」で、ヘリウム風船が浮かぶことをどのように説明されるのでしょうか?
浮力の問題というのであれば、密度の問題になりますから
逆に「空気の重さ」で説明した方がわかりやすくなりませんか?
1気圧中で水素ガスを注入した瓶の内部も、1気圧ですよね?

浅学ゆえ申し訳ありませんが、ご教授ください。


(それに対するぼくのコメントです)
 ご質問,ありがとうございます。

 実は,生徒には浮力の問題をきちんとは説明していません。

 それで,浮力について考えてみました。気体の場合の浮力はこれまできちんと考えたことがないので,自信はないので間違えているかもしれません。物理を専門にしている方のご教授を請いたいです。

 浮力というのは,下の面に下から上への圧力の方が,上の面で上から下への圧力より小さいときに生じます。図に描いてみました。水の場合はそうです。気体も同じだと思われます。
浮力の原理


 風船より直方体の方が分かりやすいと思うのでそうしました。

 下から上への圧力というのは,重さでは分かりにくいです。分子の運動による衝突を考えた方がすっきりします。

 重力は地球の中心に向かっていると考えられます。それでは浮力は考えられません

 このように浮力を考える場合にも分子の運動で考えた方がいいです。

 ただよく分からないのは,内部のヘリウムの分子の衝突がどのように働くかです。

 空気の分子(空気は混合気体ですが空気分子とします)よりヘリウム分子は軽いです。だから衝突での力は小さいはずです。

 その差が浮力をもたらすのではないかと思うのですが,よく分かりません。知っている方のお知恵をお借りしたいです。ぼくももっと考えてみます。


(それへのCさんから反論がありました)

少し間違ってますよ。

まず、浮力は「上からの力より下からの力の方が大きい時に働く力」ではありません。
それは単純に「合力」です。浮力とは、その言い方をするなら「下からの力」そのものです。
しかし、実を言えば「下からの力」なんて存在しません。「上に向かって働く力」が浮力です。ベクトルの始点は、直方体ならば、その中心に置くべきです。

さて、そうであるからして「下からブツカル分子による力」(この場合は力積)は浮力ではありません。下から衝突されているのと同様にして、あらゆる方向から衝突されている為、その合力は0になります。上からの衝突で打ち消される、と言っても良いですね。つまり、浮力とは何の関係も無いのです。

では浮力は、なぜ働くのか。

……正直、この質問はナンセンスと言わざるを得ません。前のコメントで「アルキメデスの浮力の原理」と書いたように、浮力が働くのは「原理」です。ニュートンの運動方程式ma=Fが何故なり立つのかという問いに答えが無いのと全く同じです。

「力が働いたら加速度が生じる。何故?」
答え「そうなってるから」

「密度の違うものの中に何かを入れたら浮力が働く。何故?」
答え「そうなってるから」


ちなみに、浮力の原理を詳しく説明すると、「ある物質A中に存在する物質Bには、そのBが排除したAの重さ分、重さとは逆の方向に力が働く」となります。

働くもんは働くんです。



(それに対し,Dさんから助け船がありました)

Cさん
すいませんが、あなたの説明の方が間違っていると思います。浮力はYojiさんが図で書いているように、上と下の圧力差、あるいは「上からの圧力と下からの圧力の合力」です。
 この合力は0にはなりません。下からの圧力の方が大きいからです。

 何故下からの圧力の方が大きくなるかというと、空気の一部を取り出して考えると、空気にも重力が働くので、「下からの圧力の方が大きい」という状況になってないと「落ちて」しまうからです。力のつりあいが、空気のどの領域をとっても成立してなきゃいけないからです。

 分子の衝突というモデルで考えると「重力に引っ張られる分、空気分子が下に引っ張られて、低い位置ほど高密度になっている。高密度になるので下からぶつかってくる空気分子の方が多い」というふうに説明できます。ただし、空気は充分攪拌されているので今考えている範囲では等温になっているとして考えてます。等温なので一個一個の分子のぶつかってくる速度の平均は同じですが、数が下からの方が多くなるということです。

 アルキメデスの原理が「原理」なのは、アルキメデスの時代には浮力を「導出」したり「証明」したりするだけの基礎がなかっただけのことで、今ならちゃんと説明できるので「働くもんは働くんです」なんて開き直る必要はないです。

 なお、Yojiさんが疑問に思っておられるヘリウムですが、同じ温度なら運動エネルギーは同じです(ということは、実はヘリウムの方が速く走ってます。大気中にヘリウムがとどまっていられない理由はこれです)。運動エネルギーが同じだと、全体が与える圧力は同じになります。
 理想気体で、同じモル数(=同じ分子数)で、同じ温度で同じ体積なら圧力も同じになる・・・のですが、このヘリウムに関しても、力のつりあいが保たれなくてはいけないので、ヘリウム風船内でも下の方ほど圧力は高くなります。ところが同じ分子数ならヘリウムの方が軽いので、風船の皮に働く力は外気と内部のヘリウムでアンバランスになります。

 もし風船の中に外気と同じ空気が入っていたとしたら、風船の上の方の圧力と下の方の圧力の差は、それぞれ同じ高さの外気の気圧の差と同じです。ですから、風船の皮の部分には常に同じ力が働いて、風船に対して気体から働く力は0になります(風船には重力も働くので、落ちます)。

 しかし風船内部にあるのがヘリウムならば、風船上部と風船下部での内部の気体(ヘリウム)の圧力差は外気の圧力差より小さくなります。もし、風船上部では外部気体と内部気体の圧力が一致していたとしましょう。その場合、下部では外気が風船下部を押す力の方が強くなります(空気の方が高さによる圧力差が大きいのだから)。ということは、この部分で風船はトータルで上向きの力を受けます。
 もし下部でヘリウムと外気の圧力が一致していたとすると、上部ではヘリウムの圧力が勝つ事になり、やはり風船を上に押す力があります。
 この力の和と重力が一致していれば、風船は上下運動せず、浮きます。

 つまりは「ヘリウムの方が高さによる圧力差(分子の密度差)が小さい」ということが風船が浮く話には効きます。


(ぼくのコメントです)
 どうもありがとうございます。

 疑問に思っていたことが90パーセントほどは解決しました。

>>ヘリウムの方が速く走ってます
>>風船内部にあるのがヘリウムならば、風船上部と風船下部での内部の気体(ヘリウム)の圧力差は外気の圧力差より小さくなります

 ということですね。ゆっくりかみしめてみます。

食塩水を混ぜる問題
 mixiの「授業の工夫」に
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=30037911&comment_count=225&comm_id=380962
 前に,次のような質問がありました。

165 2008年11月06日 17:40 みるき
【質問】【アイデア募集】
いつも皆の意見で勉強してもらってます。
定番の食塩水の問題で、もし何かよいアイデアがあれば、っと思い投稿しました。
例 
5%の食塩水Xと8%の食塩水Yを混ぜて6%の食塩水500gを作りたい。
なんて問題がよくあるのですが、
なぜか%などの問題になるとパニックになってしまう子が何人かいます。。
楽しくてわかりやすい教え方のアイデアが聞けるとうれしいです。。


(それに対して次のような回答がありました)

170 2008年11月07日 00:23 サトシ
中学入試ではよくあるテクニックですが、てこの原理を使うという方法があります。
5%     6%     8%
―――――――――――――
X     500g     Y
(真ん中の500gのところに支点を示す△を書いてください)
腕の長さは左から、
6-5=1
8-6=2
てこの重りは腕の比の逆比だから(てこの原理を実際に計算してもOKです)
X=1000/3
Y=500/3

 *  *  *  *  *  *  *  * 

 以下はYojiのコメントです。

 気になっていたのですが,しばらくほっておき,きのう,何となく思い出しどういう意味なのか考えてみました。この考え方でいいと思います。みなさんの参考になるかと思って書きます。

 ぼくは,食塩水の問題などでは,食塩が下に沈殿したような図で教えています。
 5%の食塩水Xと8%の食塩水Yは,図1のようになります
noudo1.jpg


 そして,それをいっしょにして6%の食塩水500gにすると,6%の線のところになります。図2
noudo2.jpg

 
 ようするにならされてしまうのです。だから図2のAの部分にBの部分が流れ込んだようになります。それで,Aの部分とBの部分の面積は等しいです。

 長方形Aのたては(6%-5%)で1,長方形Bのたては(8%-6%)で2。
 たて2の長方形とたて1の長方形の面積が等しいということは横の長さの比が逆に1:2ということになります。

 それで,図3のようにXとYの横の長さの比は2:1。
noudo3.jpg

全体では3なので,
 X=500÷3×1=500/3
 Y=500÷3×2=1000/3

 どうでしょうか。




この本は「セルフ塾のブログ」の記事の中から、中学理科(物理)に関するものを集めたものです。

食塩水の混合
 きのうは,食塩水の混合の問題を考えてみました。

 あれは,mixiに解き方だけがちょっと載っていただけだったので,その意味を考えたわけです。

 その後,散歩しながら,あれを田の字で解けないかなあと考えました。それが解けたのです。見事に。

 自分でも感動しました。

 それで,金曜日の深夜に「田の字」の校正した原稿を送ったのですが,急いでそのページを作り直し,メールで送りました。

 以下,その例の部分です。
 なお,反比例の方法とは,田の字をたて同士かけて,等号で結び,方程式を作り,解くという方法です。

 食塩水の混合

(例) 10%の食塩水200gに30%の食塩水をxg加えたら,濃度が25%になりました。30%の食塩水を何g加えましたか。

 食塩が全部沈殿したものとして図にしてみました。図から,Bの部分の食塩がAの部分に流れ込んで,平均されたと考えられます。だから,AとBの面積は等しいです。面積が等しい場合,たてと横の長さは反比例します。
shokuensui.jpg


 これを田の字表に整理してみましょう。
 長方形Aのたての長さは,混合食塩水の濃度(25%)と10%食塩水の濃度の差なので,25-10=15。横は200(g)。
 長方形Bのたての長さは,混合食塩水の濃度(25%)と30%食塩水の濃度の差なので,30-25=5。横はx(g)。
 すると下の表のようになります。これを反比例の場合の解き方で解くと,

      A     B
横 │ 200g      │  xg │
 たて │15(=25-10)│5(=30-25)│

 5x=200×15
 x=600
 答え(600g)

 a%の食塩水とb%の食塩水をまぜてc%の食塩水になる問題(a>bとします)では,次のように田の字表に整理し,反比例の解き方で解けばいいのです。

│a%の食塩水の重さ│b%の食塩水の重さ│
│a-c     │ c-b │

 


 PDFファイルでアップしました。
 ご覧になりたい方は,次の「PDFファイル」をクリックしてください。
そして,次に「8食塩水の混合」をクリックし.そして「ファイルを開く」をクリックしてください。

PDFファイル

「つりあい」と「作用・反作用」
 きのう,受験生が1,2年の復習問題をやっていて,質問に来ました。

 『次の図で,「つりあい」の関係にあるのは,どれでしょう,』という問題です。

 「つりあい」と「作用・反作用」の区別はけっこうめんどうです。多くの参考書はかんたんに説明しているだけです。たぶん,あれだけで理解できる生徒はほんのわずかでしょう。

 ちがいよりも似ているところが多いです。2つの力があるとき,

 「つりあい」も「作用・反作用」も2力の大きさは「等しい」
 「つりあい」も「作用・反作用」も2力の向きはどちらも「逆向き」
 「つりあい」も「作用・反作用」も2力は一直線に並ぶ

 だから,一見では分かりません。

 違いは,その力が何に対して働いているのか,です。ここのところをかなり強調して教えてあげないと生徒は「つりあい」と「作用・反作用」の違いを理解してくれません。

(結論)
 「つりあい」では,2つの力は同じ物体に働いています。
 「作用・反作用」では,2つの力は異なる物体に働いています。

 机の上に本があります。
turikaisayouhannsayou.jpg
 A図では,地球が本を引いています(重力)。力は「本」に働いています。
  そして,机が本を押しています(垂直抗力)。力は「本」に働いています。
  どちらも「本」に力が働いています。
  これが,「つりあい」です。


 B図では,本が机を押しています(重力の移動)。力は「机」に働いています。
  そして,机が本を押しています(垂直抗力)。力は「本」に働いています。
  ひとつの力は「机」に,別の力は「本」に働いています。
  これが,「作用・反作用」です。

 「作用・反作用」では,
AがBに力をおよぼし,
BがAに力をおよぼす。 というように,主語と目的語が逆の関係にあります。

 さて,きのう生徒が質問に来た問題の図は次のものです。
tennjoutoomori.jpg
 下からいきます。
 (力)オは「地球」が「おもり」を引いています。重力です。
 この図には出ていませんが,「おもり」が「地球」を引く力もあります。この2力は「作用反作用」です。
 「地球」が「おもり」に作用
 「おもり」が「地球」に作用 逆の関係にありますね。
 (この場合,どちらが「作用」でどちらが「反作用」かのちがいはないと思います)
(力)オのそばに「おもり」と書きます。力がおもりに作用しているからです。

 さて,その力が移動して,(力)エになります。エはおもりが糸を引いています。エのそばに「糸」と書きます。
 (力)ウは,糸がおもりを引く力です。

 ウとエは,
 おもりが糸に作用し,
 糸がおもりに反作用というように逆の関係なので,「作用反作用」です。

 (力)アは,天井が糸を引く力。
 (力)イは,糸が天井を引く力。

 逆の関係なので,アとイは作用反作用です。

 作用したものを書き込んだ図は次のようになっていますね。
tennjouomorisayou.jpg
 アとエの力はふたつとも「糸」に作用しています。この2力は「つりあい」の関係にあります。

 ウとオの力はふたつとも「おもり」に作用しています。この2力は「つりあい」の関係にあります。




この本は「セルフ塾のブログ」の記事の中から、中学理科(物理)に関するものを集めたものです。


電力を教える
denryoku1.jpg


 その坂道を横に並べてみます(図2)。
denryokuheiretu.jpg
並列です。物体を動かす量は2つの坂道の和に等しくなります。だから,並列にしたときの電力はそれぞれの抵抗での電力の和になります。
 
 それをたてに並べてみます(図3)。
denryokuchokuretu.jpg

直列です。坂の頂上の高さはいっしょです。電圧が同じということです。坂の長さが長くなったので傾斜がゆるくなっています。流れにくくなったのです。最終的には力学的保存の法則で坂下の速さは同じになります。ただ,ここはゆるやかになったのでビー玉が流れにくくなり,物体にあたるビー玉が少なくなると考えます。
 直列につなぐと抵抗が大きくなり,電流が小さくなるというのの譬えです。ビー玉が少なくなると物体は少ししか動きません。電力が小さくなったということです。

有機物と無機物
 みなさんは,有機物と無機物の区別をどのように教えていますか。

 教科書(東京書籍:新しい科学1分野上)には,次のようにあります。

 砂糖やデンプンを熱すると,こげて炭素を多くふくんだ炭ができる。さらに強く熱すると,炎を出して燃え,二酸化炭素と水ができる。このような炭素をふくむ物質を有機物という。ロウ,エタノール,プラスチック,プロパンなども,有機物である。これに対して,食塩や金属など,有機物以外の物質を無機物という。



 もちろん,間違えてはいません。しかし,分かりにくいです。また,炭素をふくむ物質といっても二酸化炭素,ダイヤなどは,例外で,有機物ではありません。
 区別がつきにくいです。

 ぼくは,

 基本的に,有機物は,「生物がつくるもの」「生物のからだをつくるもの」または  「生物を原料とするもの」です。有機物は「生物的」,無機物は「無生物的」というイメージですね。現在,人工的に有機物をつくることができますが,基本的には上のように理解しましょう。


 ということで教えています。

 もともと有機物というのは,「有機化合物は生体が産生する化学物質である」とした歴史的な定義があったのだそうです。しかし,人間はその有機物を作り出すことができるようになった。だから,その歴史的な定義ではなく,「有機化合物(ゆうきかごうぶつ、organic compounds)とは、炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物の総称である」という定義に変わったのだそうです。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


 この「歴史的な定義」の方が,分かりやすいです。だから最初はそのような教え方をし,しかし,現在は人間がそれを作ることができるから,正確にいうと・・・,という説明にした方がいいと思うのです。

 ただ,それでも有機物と無機物の区別はつきにくいです。
 砂糖は有機物か無機物か。すぐには分かりません。しかし,「砂糖はどのようにしてできるの?」と尋ねると,分からない人も多いのですが,「さとうきびから」という答えをなんとか導くことができます。(まわりにサトウキビ畑が多いセルフ塾でも分からない生徒は多いですね)
 では,砂糖は無機物?有機物?と問うと答えが出てきます。

 ロウ,石油などもどのようにしてできたのかから考えさせ,教えてやっと導くことができます。しかし,そのようにした方がまだイメージがわくと思うのですが,どうでしょうか。

 プログラム理科中1の「有機物と無機物」のページを,PDFファイルにしました。
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 このセルフ塾のブログの化学に関する記事をまとめて出版しました。


 このセルフ塾のブログの生物に関する記事をまとめて出版しました。




固体は,原子がしっかり手をつないでいる
 読谷中学校1,2年生は,きょうまで学年末テストです。
 「理科がよく理解できない,一斉で説明して」という声があったので,小学習室に集まってもらい,一斉授業をしました。ふだんはセルフラーニングですが,時々はこのように一斉に説明をすることもあります。

 状態変化で,体積は変化するが質量は変化しないことがよく理解できないようです。

 水は後で説明するから,横においておいて。

 固体というのは,原子が手をつないでいるんだよ。きれいに並んでね。だから横にしてもななめにしても形が変わらない。

 熱を加えるとエネルギーをもらって元気になるから,手を離してばらばらになる。それが液体の状態。だから丸い容器にいれると丸くなるし,四角い容器にいれると四角になる。そして,かたむけるとこぼれてしまう。手をつないでいないからだよ。
 また,ばらばらで並んでいないから,広くなって体積が増えるんだ。

 さらに熱を加えるともっともっと元気になって,今度はピュンピュンと飛んでいくんだ。あっちにぶつかって跳ね返ったりして飛んでいる。
 ほら,飛んでいるでしょう。見えるはずないね。
 飛び回っているから,体積はとてもとても大きくなるんだよ。

 固体は手をつないで,液体はばらばら,そして気体は飛び回っている。だから体積は変わるけど,原子の数は変わらない。増えもしないし,減りもしない。だから質量は変化しないんだよ。

「じゃあ,なぜ水は固体の体積がおおきいの?」

 それはね,固体,氷だね,それになるとき手をつなぐけど,6人で輪をつくるようにして手をつなぐんだよ。だからしっかりつながって固まっているけど,すき間ができるでしょう。だから体積が大きくなるんだよ。

 沖縄では,0度以下になることがないけど,寒いところでは冬になると0度以下になり水が氷になる。雨が降って岩のすき間に水がたまるでしょう。朝になってそれが氷になると体積がふえるね。すると,岩がばらばらに破裂するそうだ。ぼくも経験したことがない。

 「じゃあ,冷蔵庫に入れると破裂するの?」

 するだろうね。そしてあなたはお母さんに叱られるだろうね。

「缶コーラを入れるとふくれるよ」

「ぼくは,コップに水をいれて冷凍庫に入れたら破裂したよ」

「やってみようかな。Yojiさんがやってごらんって言っていたとお母さんに言って」

 ぼくはそんなことは言っていないけど,まあタッパーに入れて破裂しても汚さないようにすればいいかもね。

「Yojiさん,先生になればよかったのに。YOjiさんの説明はとてもよく分かる。学校の先生の話は分からないよ」

* * * * * *

 ぼくが高校生のときに,なぜ水は固体になると体積が増えるのか,物理の先生に尋ねたことがあります。そのとき,先生は「高校生には分からないよ」ということでかたづけられてしまいました。先生も分からなかったのでしょうね。 

光の屈折の喩え
図でわかる中学理科1分野〈物理・化学〉―中1~中3 (未来を切り開く学力シリーズ)

 を購入しました。アマゾンには「なか見検索」がありますね。あれを見たらおもしろそうだと思ったからです。

 光の屈折の喩えが実によかったのです。

 舗装された道と砂利道では,車の進みぐあいがとても違いますね。砂利道は進みにくい。
 だから,舗装された道から砂利道に入るとブレーキがかかったように速度が遅くなります。

 さて,舗装道路から斜めに砂利道に入ってくるとします。右斜め前方が砂利道です。車の運転をしているイメージをもってください。最初に右の車輪が砂利道に入ります。すると右の車輪だけブレーキがかかったように遅くなります。左の車輪はスムーズに進みます。すると,これまでまっすぐ進んできた車は右にカーブしてしまいます。ハンドルは切っていなくてもです。そして,そのうちに左の車輪も砂利道に入ります。そうすると左右の車輪は同じようにまわりますから,直進をするのです。

 空気中が舗装道路,水やガラスが砂利道だとすれば光の屈折が分かりやすいです。

 文字での説明では分かりにくいですね。アマゾンに行って「なか見検索」を見てください。

 これはおもしろいぞと思って購入したのですが,正直言うと,ほかにおもしろいものはなかったです。

 あえていえば,

 前に
 フレミングの左手の法則の変則
 と
「フレミングの左手の法則変則版」にさらに工夫
 を書きました。

 この本でも手のひらを広げて表しています。ただ,右手にして,電流を親指,他の4本指を磁界,手のひらを力の向きにしています。

中1に「イオン」を教える
 mixiに次のような質問がありました。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?page=2&comm_id=380962&id=40370353

既出でしたらすいません
宜しければ、教えてください

愛知県の公立中学校の理科の教科書(大日本図書)では、中1で酸・アルカリの勉強をします。今一、ピントこない点を以下にまとめます

①酸には、レモン汁、酢酸などがあり、イメージ的には「すっぱいものである」
②アルカリには、石鹸水などがイメージ的には「肌に優しい(弱アルカリ)もの」
③酸とは、BTB、リトマス紙、マグネシウムの反応が約束通りのものである
④アルカリとは、BTB、リトマス紙、フェノールフタレインの反応が約束通りのものである
⑤酸の力(性質)とアルカリの力(性質)が打ち消しあうことを中和という

というような感じになってますが、いざまとめようとすると

①そもそも、酸って何だ??????????????
②どう考えても、アルカリと酸は別物に見える(打ち消しあうようなイメージが湧かない)
③塩がなぜ出来るか全く説明がつかない
(さらに、塩酸と水酸化ナトリウムからは食塩ができますといわれても全然ピンとこない)
④中和して水が出てくるというのも謎

自分の中では、中和というのは化学反応式に触れてからでないと収拾がつかないような気がします。(水素イオン濃度に触れる・触れないには関らず)

自分が知りたいのは、ある程度適切な「酸・アルカリのイメージ」が湧くようなたとえ話なんですが、それ以外でも何か感想がありましたらよろしくお願いします
長文失礼いたしました



(それに対し,ぼくは次のように回答しました)

 ぼくは,中学1年生にも,イオンという言葉を使って酸,アルカリを教えています。

 酸,アルカリの一般的な性質を教えてあとで,簡単にですが,イオンという言葉を用います。
 性質だけでは,なぜ酸なのか,なぜアルカリなのかはっきりしないからです。

 水素イオンがあるからこそ酸,水酸化物イオンがあるからこそアルカリなのですから。
 生徒が完全に理解しているとは思いませんが,科学的に説明するためには,この程度の説明は必要だと思うからです。

 「プログラム学習理科中1」の「酸とアルカリ」のページを,PDFファイルにしました。
 ご覧になりたい方は,次の「PDFファイル」をクリックしてください。
そして,次に「酸とアルカリ」をクリックし.そして「ファイルを開く」をクリックしてください。

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 (少し付け加えます)
 科学というのは,なぜそうなのか,その原因をつきとめる学問です。
 リトマス紙の色が変わる。青リトマス紙から赤リトマス紙になるのがあるし,赤が青になるのがある。
 青→赤:それを「酸」とよぼう
 赤→青:それを「アルカリとよぼう

 間違いではないです。ただ,それは現象を述べたもの。この段階では,小学の「理科」でしょうね。
 なぜそうなるの? というのにまったく答えていません。

 その「なぜ?」に答えるには,イオンの概念が必要となります。中学生にはそこまで考えさせたい。ゆとり教育が導入される前には「イオン」を学んでいたし,学ぶことができました。

 時間的な制約もあるのであまり詳しく教えることはできませんが,それなりに「なぜ?」を教えておきたいということで,ぼくはそうしています。指導要領にはないですし,試験にも出ません。でも,教えた方が理解が深まるということでやっています。

西から昇ったお日さまが
 中学3年の理科で,天体を学びます。

 太陽が昇る方角については,小学で学んでいるので,当然知っているものとして,話を進めます。

 まず,
 「太陽は,(ア )から昇り(イ )に沈む」という問題を与えます。

 すると,
 「太陽は,(ア 西)から昇り(イ 東)に沈む」と答える生徒が少なくないのです。

 以前は,
 小学のときの知識が定着していないんだな,最近は生活の中に日が昇るということが入っていないのだな,などと思っていました。

 ところが,
 ある女の子が「だって,歌にあるじゃない」と言うのです。

 そういえば,天才バカボンの主題歌にそのようなのがあったな,と思い出しました。ぼくもアニメは好きでもちろん見たことがあります。

 「天才バカボン」の主題歌は次の通りです。ネットでさがしました。

「天才バカボン」
昭和46年9月25日
東京ムービー企画部 作詞
渡辺岳夫 作曲
アイドルフォー 唄

西から昇ったお日さまが
東へ沈む(あったいへん)
これでいいのだ これでいいのだ
ボン ボン バカボン バカボンボン
天才一家だ バカボンボン


 ちゃんと読めば,お日様が西から昇ったら大変だ,という意味で,そうなったら大変,でも,「これでいいのだ」ということです。間違えてはいない。

 この歌詞を理解するのは,お日様は東から昇るものだ,ということを常識として知っていることが大切なのですね。

 それを知らない子どもは,西からお日様が昇ると覚えてしまうのですね。歌が悪いとはいえないのでしょうが。

 いずれにしても,教科書よりアニメの歌の方が強力なのですね。 

蒸散の実験
 中学1年生のSeiryuくんは,生物の蒸散を学んでいます。次の問題が分からないといってやってきました。

【問6】次の実験の結果を予想してみましょう。
  ①ついている葉の大きさと枚数が同じ枝を4本用意します。
  ②Aは,葉の表に,Bは葉の裏に,Cは葉の表と裏に,ワセリンをぬります。
   Dにはワセリンをぬりません。
  ③それぞれの枝を,同じ量だけ水を入れた試験管に立て,油をたらします。
   油が浮いていると,水面からの蒸発を防ぎ,蒸散量を正しくはかることができます。
jousan.jpg


 さて,ここで質問です。数時間たって水の減った量を調べます。
A~Dを,水の減り方の大きい順に並べなさい。残った水量ではないですよ。

(   )>(   )>(   )>(   )

 

 じっくり考えないと難しい問題です。

 まず,ワセリンをぬると,気孔(出入り口)がつまることを確認。
 気孔から蒸散すること。蒸散の意味も確認。

 そして,
 「葉の裏と面で気孔はどちらが多い?」と質問し,裏に多いことを確認。Siryuくんは答えきれました。

 「では,このような図を4つ描きなさい」と言って,図を描かせました。
jousanzu.jpg
 「ワセリンをぬると,出入り口である気孔がつまってしまうんだよね。だから,鉛筆で気孔を塗りつぶしなさい。Aは,表だけだね。Bは裏だけ」

 「後は自分で考えてごらん。」
 Seiryuくん,「分かった,分かった」と言って,戻って行きました。

夕日はなぜ大きく見える?
 

 西の空にいままさに沈もうとする夕日,
 東の空にいままさに昇ろうとする満月,
 
 とても大きく見えることがあります。

 なぜ,あのように大きく見えるのでしょうか。

 真上にある太陽や月が大きく見えることはありません。

 目の錯覚だというのは以前から知っていました。
 網膜に映る月や太陽の大きさは,沈みかけたものも真上のものも同じだそうです。

 同じ大きさのものがなぜあのように大きく見えるのか。

 仮説ではありますが,この「大人の時間はなぜ短いのか」にありました。

 「なるほど」と思ったので,以下ぼくなりの説明をします。

 まず,ぼくらは空を扁平に見ているそうです。そう思って見てみるとそうです。
 地平線の近くの空は真上の空より遠くにあるように感じます。横が長い楕円の半分のような形です。図はこの本のものです。
henpeinakuukann.jpg

 しかし,実際はちゃんとした半球なのです。その半球がなぜ扁平になって見えるのかの説明はありません。ただ,外に立って,地平線と真上を見ると,扁平になっているのは実感できます。

 ぼくの机の上にコップがあります。それをはなれたところに置くと小さく見えます。当然ですね。遠くにあるものは小さく見えます。
 しかし,ぼくらはそのコップが小さくなったとは思わない。遠くにあると判断するだけです。

 もし,遠くにあるコップが同じ大きさに見えたとしたら,それは大きいコップだと判断するはずです。

 さて,空にある太陽,月です。

 真上の空では
 実際よりも遠くにあるものが近くだと錯覚しているのです。近くにある物体は大きく網膜には映っているはずです。しかし,網膜に映っているのは小さいのでその物体そのものが小さいと判断してしまうのです。

 東の満月,西の夕日
 東の空は遠くに見えます。遠いものは小さく網膜には映っているはずです。しかし,網膜に映っているのは,真上を見上げたときの月と同じ大きさ。すると,大きいと感じてしまうのです。

 これはひとつの仮説でまだ認められているわけではなく,決定的な説明はまだなされていないそうです。
 でもおもしろいと思いました。

 なお,日の出の太陽,沈みつつある満月も同じように大きくみえるはずです。ぼくは朝早く起きることがほとんどないので,お目にかかることはないです。

電気の問題を解く
 読谷中学は,きのうから期末テストです。きょうは理科,国語。
 それで,きのうは理科,国語の勉強をしました。

 2年生,理科のテスト範囲は電気。

 オームの法則を中心に出題されるはずです。それで,昨日は最終のつめ。

 オームの法則も分かり,解くことができます。また,直列では電流がどこでも等しく,各抵抗での電圧の和が電源の電圧に等しいこと,並列では電圧が等しいことなども理解できました。

 しかし,それを総合的に解くことができません。

 「並列の図を示されて,電熱線Aでの抵抗の大きさを求めなさい」という問題が出たら,抵抗をすぐに求めようとするのです。

 ぼくは,すぐに答えを出そうとするのではなく,分かる値から一つひとつ求めていきなさい,と指示を出します。

 それでも,できないので,各抵抗,そして電源のところに,①(  A),②(  V),③(  Ω)とすべて書き加えて,「何番が分かる?」と,すべての値を問題にして生徒に示しました。

 すると,「あっ,並列だから,電圧が等しい。だから②が分かるよ」
 などと言いながら,( )を埋めていきました。そして,
「では,問題は何だったけ」と改めて問うと,もう答えは出ているという感じでうまくいきました。

月は,おきあがりこぼし
 月の自転周期と公転周期は同じ約29.5日です。だから,月は地球に対していつも同じ面を向けているのですね。
 それは,今中学3年の理科で学びます。もちろんぼくも知っていました。

 では,なぜか。
知らなかったです。どちらかと言えば,月ができたときにその速度などが決まり,自転周期と公転周期がなんらかの原因で一致したのだろうな,と思っていました。

 さて,きのうテレビ「クローズアップ現代」を観ました。
 6月25日(木)放送“かぐや”が解き明かした月の素顔


 月探査機「かぐや」によっていろいろなことが分かったそうです。そして,月が均一でなく,重心が偏っていることも話していました。
ぼくらがいつも見ている表面(おもて)の方に重心があるのです。そこに密度の高い物質があるのでしょう。

 スタジオゲスト : 渡部 潤一さん (国立天文台 准教授)が話していたことに,はっとしました。

 「月は,おきあがりこぼしのようなもの」と話していたのです。

 「おきあがりこぼし」は,みなさんごぞんじですね。

 おきあがり‐こぼし【起(き)上(が)り小▽法師】
達磨(だるま)の形などに作った人形の底におもりをつけ、倒れてもすぐに起き上がるようにしたおもちゃ。不倒翁(ふとうおう)。おきゃがりこぼし。[ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ]

 おきあがりこぼしは,重心が下にあります。だから,倒れても地球の引力によって,底の方が強く引かれるのです。だから,底を下にして,また立ち上がるのですね。

 月も同じです。月の表面(おもて)に重心があります。月の表面が底になっている「おきあがりこぼし」になっているのです。

 おもて面の方が重いものですから,地球の引力によって表面が強く引かれます。だから表面がいつも地球に向いているのです。

 ぼくは今まで,中学生に,月の自転と公転の周期は同じだ。だから月は地球に同じ面だけを見せているのだ,と教えていました。ぼくもそう理解していたからです。

 今後は,月の重心は偏っている。表面(おもてめん)の方に重心はある。だからそこのところが地球に引力に強く引き寄せられる。だからいつも同じ顔を見せるんだ。そのようにして公転しているから,自転の周期も同じになるんだ,月は「おきあがりこぼし」だ,と教えなければいけないな,と思っています。

無重力は,重力がない?
 きのうは,「月はおきあがりこぼしだ」ということを書きました。

 きょうは,無重力について書きます。

 スペースシャトル,人工衛星などの中は,無重力状態だ,と言われていますね。重力がない状態ということでしょう。
若田宇宙飛行士「おもしろ宇宙実験」 vol.3

 人工衛星のように遠くまで行くと,地球から遠くなるので,重力が働かなくなるのだろうな,などとだいぶ前は考えていました。未だにそう考えている人はいませんか。

 重力が働かないから,人工衛星の中ではぷかぷか浮かんでいることができるし,水は水玉になって浮かんでいます。そのように考えていませんか。

 しかし,人工衛星の中にいても,重力がなくなるわけではありませんね。人工衛星がまわっているのは,地球のすぐそこです。
 地球の引力は軽く月まで及んでいます。だから月は地球から離れることができずに地球のまわりをずっとまわっているんです。
 もちろん,人工衛星にもその中にいる人にも地球の引力は及んでいます。

 では,その引力と釣り合う力が働いて,合力が0になっているかというとそうでもないようです。合力が0なら,等速直線運動をするはずです。しかし,人工衛星は円運動をしています。

 人工衛星は,落ち続けているのです。人工衛星の速度が遅すぎると,放物線を描きながら地上に落ちます。速度がとても速いと,地球から遠ざかっていきます。適度な速度だと落ち続けます。地球は丸いので,落ち続けながらまわるという感じでしょう。

 さて,自由落下で落ちるエレベーターの中は無重力状態だと言われますね。また,エンジンを止めて落ちてくる飛行機の中も無重力状態だと言います。最近,無重力の中で結婚式をあげたというニュースもありました。

NYのカップル、「無重力結婚式」を挙げる


 あれも重力がなくなったわけではないですね。重力によって落ちてくるのですから。落ちてくるのは重力による下向きの力が働くからです。絶対に重力がないわけではない。

 だから,ぼくは
 無重力状態とは,「無重力のように感じる状態」だと思っています。まわりもいっしょに落ちつづけているのですから,重力がないように感じるのです。

 さて,これまでこのように考えていました。
 きょう,この記事を書くためにヤフー辞書で,「無重力」を引いてみました。

 すると,「無重力」はないのです。→無重量

 

む‐じゅうりょく【無重力】⇒ 無重量(むじゅうりょう)

 とあります。

 そして無重量に行くと,

む‐じゅうりょう〔‐ヂユウリヤウ〕【無重量】
人工衛星や自由落下する物体の内部などで、引力と慣性力が釣り合って、重さを感じなくなる現象。無重力状態。


 とあります。やはり,重さを感じなくなる現象です。重力がない状態ではない。
 専門的には,無重力とは言わずに無重量と言っているでしょうか。

 それとも,ぼくがニュースで「無重量」と言っているのを「無重力」と聞き違えしてるのでしょうか。

 ただ,そう単純でもないないようです。

  フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると,

 等価原理の立場からは、そもそも、無重量と無重力を区別する方法は存在しない。万有引力と自転・公転による遠心力などの合力を重力とする考え方からは、周回軌道上の人工衛星などで実現される無重量状態では重力が無いということになり、ある種の無重量状態と無重力状態は同義語となる。重力のうちに慣性力を含まず、万有引力と同一視する考え方もあり、この場合は万有引力が0で無いならば無重力とは呼べないので、無重量状態と無重力状態は異なる状態をさすというふうに主張されることもある。
これらの主張の違いは、観点の違いに過ぎず、どの考え方が絶対的に正しいというものではない。



 ぼくが考えていたのは,後者の立場なんでしょうね。

飛んでいくボールにかかる力は?
 ピッチャーが投げたボールが飛んでいます。飛んでいるときにボールにかかる力はどうなっているでしょう。次の中から選びなさい。ただし,空気の抵抗,回転による力などはないものとします。
ballnihatarakutikara.jpg


 中学3年理科で,よく術題される問題です。そして間違える生徒が多い。

 答えは,(ア)です。この場合には,重力,つまり地球による引力しか働いていません。

 これを中学生に納得させるのは,なかなか難しい。

 ほとんどが,(エ)または(イ)を選びます。

 ボールは,キャッチャーに向かって飛んでいるのに,なぜその方向に力が働いていないんだ,と思うのですね。もっともです。

 それをぼくは次のように教えています。

 自転車に乗るよ。最初止まっていた自転車。それをこぐ。初めのころはかなり力を入れてこぐ。少しずつ速くなっていくね。だんだんペダルにかかる力が小さくなっていくけど,スピードは大きくなる。速くなってくるね。もう十分に速くなったころ,平坦地では,ペダルをこがなくても,自転車は前へ前へ進んでいくだろう。そのとき,自転車に働く力はないよね。こいでいないんだから。
 それまで一所懸命にこぎにこいでスピードをつけた。それがそのまま走り続けようとする力になるんだよ。

 これを慣性というんだよ,と教えます。

  かん‐せい〔クワン‐〕【慣性】 外力が働かなければ、物体はその運動状態を保つという性質。惰性。[ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ]



 生徒は,半分は納得したという表情をします。「分かった」と顔を輝かせるにはいたらないですね。なかなか難しいです。でも,実際に自分が力を入れてこぎ,スピードをあげていき,そしてペダルを踏まなくても進んでいく,ということで一応イメージができるようです。

 ピッチャーが投げるボールも同じだよ,と続けます。

 ピッチャーは腕を大きく後ろまで持っていき,ひざを使い,そして最後にはスナップをきかす。ボールはピッチャーの手といっしょに走っている。そのときは自転車を力一杯にこいでいる状態だ。ボールには前向きの力がかかっている。そして,ボールを離す瞬間。そのスピードを保ったままボールだけが飛んでいく。そのときからはボールにかかる力は重力だけなんだよ,と。

 それも一応納得,という表情ですね。前に向かって進んでいく,という現象の方がまだまだ強いようです。

「慣性」と「惰性」
 無重力の話と,慣性の話をしました。

 「無重力は,重力がない?」
「飛んでいくボールにかかる力は?」慣性の話

 飛んでいくボールには,重力だけが働くのでした。前に前に進んでいくけど,その方向には力が働いていません。前に進むのは「慣性」です。

 ここで,コンピュータで自分で打った「慣性(かんせい)」の字を見て,「惰性(だせい)」に似ているなあ,と思ってヤフー辞書を引いてみました。字面も似ているけど,意味も似ているなあ,と思って。

 

だ‐せい【惰性】 1 これまでの習慣や勢い。2 ⇒慣性(かんせい)


 とあります。

 そして,かん‐せい〔クワン‐〕【慣性】 にいくと,
 

「外力が働かなければ、物体はその運動状態を保つという性質。惰性。」[ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ]


 また,goo辞典には,

だせい 【惰性】 (1)「慣性」に同じ。 (2)今まで続いてきた習慣や癖。


 とありました。

 慣性と惰性は基本的に同じ意味なのですね。

 きょうは,遠心力の話を書くつもりだったのですが,急遽変更。

 惰性(だせい)というのは,生活の中でよく使われます。

 今は,惰性で働いている。要するに,働く気はないのだけど,今まで働いてきた。その勢いで何となく働いている。ということです。

 そのように考えると,何か人間的になりますね。

 飛んでいくボール。飛んでいこうという気持ちはないのだけど,これまで飛んできたものだから,その勢いで飛んでいくんだよ。

 走っている自転車。別に走ろうと思っているわけではないのだけど,これまで走ってきたものだから,止まるのもできずに,何となく前に走っているだけだよ。

 まあ,そういったものでしょうか。

 止まるには,別の力が働きます。だから何となくこれまでの生活を続けていく,ということですね。

 そういえば,離婚というのはとてもエネルギーがいることだそうです。結婚するより疲れるのだそうです。
 これまで結婚生活を続けてきた。もう愛情もない。この人と暮らすことに魅力もなくなった。だけど,離婚となると莫大なエネルギーを使う。だから何となくこれまでの生活を続ける。要するに惰性で結婚生活を続けていく,ということですね。

 「慣性」が「惰性」と同じだと考えると,とても人間くさく思えてきました。

 これを生徒に話したら,理解してくれるのかなあ。

専門家の頑迷さが科学の信頼を保つ
 専門家の書いた本は一般におもしろくないです。素人の書いたものの方がおもしろい。

 最近読んだ本では,

 糸山泰造(著)「絶対学力」
 認知工学, 水島 醉(著)「進学塾不要論-中学受験は自宅でできる」

 などはある意味でおもしろいです。

 専門家が書いた本でも

 新谷 弘実(著)病気にならない生き方
 春山 茂雄(著)脳内革命

 などは,その素人の書いたものに近い感じがします。

 なぜでしょうか。

 専門家が書くと,はっきりものを言わない傾向が強いからです。奥歯に物が・・・というような感じ。

 一方,素人は断定的な言い方をします。だからすっきりします。分かりやすいです。

 また,単純だからです。そしていろいろな面にすぐに一般化します。
 一つがこうなら,別のものもこうだ,というのが一般化です。拡大解釈がかなりあるのです。
 自分が経験したことはすべての人に当てはまるとういように考えて,論を押し進めます。

 専門家は,確実なことしか書きません。拡大解釈どころか,ちょっとしたことも事実からはみでないように注意しています。

 ぼくは,素人です。
 ここで素人と専門家は,学会などで論文を出す人,出さない人ということで分けています。専門家は,学会に自分の論文を出して,それが認められることを目指します。つまり,専門家の目に触れさせるようにします。
 
 一方,素人は,勝手にしゃべっています。

 「病気にならない生き方」の新谷 弘実氏,「脳内革命」の春山 茂雄氏は,たぶんある学会に属していて,論文も出しているのでしょう。しかし,これらの本の内容に関しては学会に出せるようなものではないでしょう。

 学会に出すと,まわりはみな敵です。間違いを見つけようと目を凝らします。だから,間違えないようにということに気が行くのですね。
 だから専門家の本はおもしろくないのです。

 きょうも「心と遺伝子」から引用します。



 最近まで、「脳は再生しない」「出生後には、ニューロン(神経細胞)はもはや作られない」、それが脳と他の臓器との大きな違いであると強調されていた。実は二〇年以上前から、この主張が正しくないことはわかっていたにもかかわらずである。それというのも、カナリアの成鳥の雄は毎シーズン新しい歌のレパートリーを習得するのだが、その際に新しいニューロンが作られるということがよく知られていたからである。このことは、近年に至るまで「それは例外」と片づけられていた。

 ところが、最近になって、ラットやマウスの成体の脳でニューロンが新しく作られていることが明らかになった。このニューロンの新生をはっきりと見ることができるのは、海馬という場所である。海馬とはタツノオトシゴのことで、その外見からつけられた名だ。海馬は脳の側面内側に位置し、記憶の座として有名である。

 この発見がなされた時、多くの神経科学者たちは、「齧歯類だけで起こる例外」としてこれを受け入れた。さらに、「海馬は例外的な場所」という条件もつけた。しかし、その後、脳の他の部位でもニューロンの新生が起こるとする報告が出始め、さらに霊長類、ヒトにも当てはまるという共通認識へと、コペルニクス的転回が起こっていった。

 このエピソードは、科学者たちの頑迷さをうかがい知るためのよい例である。それと同時に、新発見が受け入れられるにはそれ相応の大きな障壁を越えなければならないこと、またその障壁のおかげで科学の信頼性が保証されるのだ、ということも端的に表れている。



 「科学者たちの頑迷さ」がうかがわれます。専門家は簡単に新しいことを受け入れないのです。保守的です。

 ヴェーゲナーが,大陸移動説を唱えました。だれもまわりはだれも受け入れません。当然ですね。専門家は保守的ですから。大陸移動説は,素人でも,おかしいよ,と思うでしょう。でも,いまでは真実とされています。

 専門家の頑迷さ,保守的なところが悪いように作用した例です。

 しかし,専門家の頑迷さ,保守的なところがなくなるとどうなるでしょう。新しいことが起こるとすべて受け入れていたらどうなるでしょう。

 新しいことには,間違えていることの方が多いのです。それをすべて受け入れていたら,間違いだらけになります。

 専門家の頑迷さ,保守的なところが,科学の信頼性を保っているのです。

 ぼくは,本を読むときに,疑い深く読む傾向があります。頑迷で保守的なのです。拡大解釈をしていないか,それは事実として認められているのかどうか,など。

 だれでもが本を出版するようになりました。それは専門家の頑迷で保守的な壁を超えていません。だから,ますます疑い深くなっています。

保育園児は,ストレスに強いと昨日書きました。あれは,ラットの実験から人間に拡大解釈した素人的発想です。
 まだまだ確認はできませんが,真実かもしれません。

自転している地球上でジャンプしても,なぜ同じところに落ちる?
 中学生に次のような質問をすることがあります。

 地球は自転しているね。1日24時間で地球は1周する。
 地球の周囲は4万km,だから,40000÷24=約1667km

 1時間は3600秒だから,1667÷3600=約0.463km
 つまり,秒速463mにもなる。1秒間で400mの競技場を約1周する。
 すごい速さで動いているんだ。

 さて,いいか,ぼくがここでジャンプするよ。よいしょ。
 同じところに落ちてきたね。なぜ?
 地球は動いているから,ぼくがジャンプしている間に地球が動いて,ぼくは別のところに落ちてくるはずじゃないか?
 なぜ?

 本の上に人差し指を立てて,本が地球,この指がぼくとするだろう。ぼくがジャンプするよ(指を上にあげる)。その間に地球は動いているはずだから,このように動くだろう(本を動かす)。すると,ほろ,指は別のところに落ちてくるじゃない。本はとっくに向こうに行っている。

 だけど,なぜぼくがジャンプしても同じところに落ちてくるの?

 地球が自転をしていることは知識として子どもたちも持っています。しかし,なぜジャンプしても同じ所に落ちてくるのか,説明できないので,「おやっ!」という顔をしています。その表情がおもしろい。

 実は,これはコペルニクスに向けられた質問です。地動説を唱えたコペルニクスは,その質問に答えることができなかったそうです。空気がいっしょに動いているからなどと答えたとか。

 その質問に答えを出したのが,あのガリレオです。

 中学3年生だと,習いたての知識で「慣性のせいだよ」などと答えます。

 そうなんです。慣性です。答えは正しいのですが,本当に分かって答えたわけではないようです。
 「では,なぜ,慣性のために同じところに落ちてくるの?」と問いかけると答えることはできません。

 ぼくは,車を例に出します。
 車の中でね,ボールを上に投げる。するとどこに落ちる。 簡単そうな説明ですが,子どもたちは答えることができません。特に考えながらボールを車の中で投げたことがないからです。

 では,次に車に乗ったときに,何でもいいから上に投げてごらん。本当は,その実験を子ともたちがやってから次の話をすればいいのでしょうが,そんな時間はないので続けます。

 この本を車とする。この消しゴムがボール。車は走っているね。ボールもいっしょに走っている。ボールが上に投げられた。ボールはいっしょに走りながら上に行くので,落ちてくるときにまた車のところに落ちてくるんだよ。
 走っているボールはそのまま走り続けようとする。これが慣性だね。

 これで子どもたちがどの程度理解できたかわかりません。ただ,ぼくは高校生のときに古典物理学入門の本を読み,この部分がとてもおもしろかった記憶があります。それが少しでも生徒に伝えたいと思って話すのですが。

 似た例については明日書きます。  

並行に走っているとき,どこを目標にパスする?
自転している地球上でジャンプしても,なぜ同じところに落ちる? のつづきです。

 生徒たちに向かって話します。

 バスケットボールやサッカーをしているとしよう。あなたがボールをキープしている。Aくんにボールをパスしようと決めた。Aくんが走る。すると,ボールをどこに投げる(蹴る)かというと,Aくんが走るのとボールが進むのを計算して,ちょうどそれがあうところに投げるだろう。Aくんがまだいないところに向かって投げる。ボールが届くときには,そこまで走っているだろうところに。そうだね。
(図に描くと簡単ですが,言葉だけだと難しいですね。

  (Aくん現在地)○ Aくんが走る→→→→→×(ここを目標に投げる)



  あなたがいる場所


 さて,次。
 あなたとAくんが並行に走っている。2人同じ速さで同じ向きに。あなたはAくんにパスをする。どこを目標にパスする? さっきと同じように,Aくんがボールを受け取る地点に向かって投げるの?

  (Aくんの現在地)○ Aくんが走る→→→→→×




  (あなたの現在地)□ あなたが走る→→→→→


 いつもやっていることですが,そう問われて戸惑うようです。

 そういうときはね,Aくんの現在地に向けてパスしているんだよ。上の図で○に向かって。
 同じように走っているから,ボールもあなたといっしょに動いている。いまいるAくんに向かって投げると,ボールも前に進んで,Aくんが走っていくところにボールも行くんだ。

 これも慣性だよ。あなたたちは慣性を頭では知らなくても自然に利用しているんだよ。

真横から見た「フレミングの左手の法則」の問題
 フレミングの左手の法則は,難しいですね。

 前に
 フレミングの左手の法則の変則
 と
「フレミングの左手の法則変則版」にさらに工夫
 を書きました。

 きょうは,「フレミングの左手の法則」の問題について,ぼくの工夫したことを書きます。

 「フレミングの左手の法則」の問題は,斜め上から見た感じにの絵を与えてやりますね。これはしようのないことではあります。3次元の問題を2次元の紙の上に表すのですから,斜め方向からの図になるのは自然なことです。

 しかし,これがなかなか難しいのです。「フレミングの左手の法則」そのものもまだしっかりしていないのに,斜めという見方もしなければいけない。磁界の向きはたいてい,上から下か,下から上,これはいいです。しかし,電流の流れは,例えば斜め上,紙の裏側から,斜め下 ,紙の表側に流れているといった図です。言葉で表すのは難しいのですが,理科を教えている方は分かってくれると思います。

 まあ,ここでぼくの言いたいことは,斜め方向から見るというのは,難しいものだということです。

 それで,ぼくの工夫したことです。真横方向から見るのです。

 例えば,次のような図です。

┌──────┐
│   N     │
└──────┘

→→→→→→→→ (電流)

┌──────┐
│   S     │
└──────┘ この図では,磁界の無機が上から下
 電流が左から右,というのが分かります。

 答えは選択肢にします。 磁界の無機は(ア,図の表側から裏側, イ,図の裏側から表側 }

 別のは,まず,電流の向きが図の表側から裏側の時は(×),逆に裏から表の場合は(・)とすることを教えます。ぼくは,右ねじの法則を教えるときにすでに教えているので,確認します。ねじの頭の方からみると(×) ,先の方から見ると(・)に見えるでしょう,というと理解して,すぐに覚えてくれます。
 本当は,(×)ではなく○に×,(・)は○に・です。ブログではうまくでないようです。

 そして,次のような問題を与えます。

┌──────┐
│   N     │
└──────┘

    (×)(電流)

┌──────┐
│   S     │
└──────┘ 

 「左,右」で答えさせます。ちょっといじわるで,選択肢に,前,後,上,下も加えます。

 このように真横から見たので練習をしてから,斜めからのものに進みます。
 このやり方でもなかなか難しいのですが,斜めからの図にすぐ進むよりはずっとやりやすいようです。

 なお,手を動かすのが難しければ,問題の書かれている本をまわしてもいいんだよ,とアドバイスした方がいいですね。図はそのままにして,手をいろいろねじって苦労していることがよくあります。 
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