セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

「この順序で学べば漢字は面白い(仮称)」を執筆中

 以前、「漢字を面白く学ぶ方法」をこのブログに書きました。大意は次の通り。

 その方法というのは、漢字の成り立ちに従って、系統的に学習するということです。
 象形文字の学習からはじめ、指事文字、会意文字、そして形声文字の順に学習をするのです。



 さて、セルフ塾をやっているころは、学校の教科書、学習指導要領に縛られていたので、この順序で漢字を教えることはできませんでした。

 セルフ塾を閉めました。現在、時間もあります。

 それでこの順序で学ぶ学習書を作ることにしました。

 現在、象形文字の整理をしています。おもしろいです。

 対象は、日本語を学ぶ外国人、そして夜間中学などで学ぶ大人の人たちなどです。

 学校の生徒は、教科書、学習指導要領の順に漢字を学んだ方が学校の成績にも結びきます。

 それで、この方法はあまり勧められません。

 学校の教科書、指導要領に縛られていない人はこの方法で学べば、楽しく漢字を学習できると思います。

 まとめたら、アマゾンキンドルで電子出版してみたいと考えています 。
スポンサーサイト

月(にくづき)は、天体の月とは関係がない
 漢字の部首に「月(にくづき)」というのがあります。
 胸、肺、脳、腰、腹、肌、脚など、人間の体に関することが多いです。

 「にくづき」と言うように、「肉と関係がある月」なのでしょう。それがなぜ天体の月と同じ形なのだろうと、以前から少し不思議に思っていました。

 さて、象形文字を少し勉強しています。

  天体の「月」は、天体の月の形から出てきたものです。それは、よく知られていますね。
tuki.jpg

 さて、にくづきの「月」は、肉の形からできているのです。
 次のように。
nikuduki.jpg

 肉の形から出来てきているので、「にくづき」です。

 たまたま同じ「月」という形になっているのですが、成り立ちが全く違うのですね。
 これで納得です。


漢字の成り立ちはひとつにまとまっていない
 現在、漢字の成り立ちをもとにした、漢字の学習書を作成しています。


「この順序で学べば漢字は面白い(仮称)」を執筆中

 僕が主に参考にしているのは、
小学館の藤堂明保編「例解学習 漢字辞典」、
平凡社白川静著「常用字解」、
そして 尾上兼英 監修の「旺文社小学漢字新辞典」です。

 「山」や「川」など単純なものはこの3つの本の成り立ちは基本的に同じです。最古の甲骨文字を一見しただけで分かるようになっているからでしょうね。ぼくが見てもすぐに分かります。

 ところが、この3つの辞書で異なるのが少なくありません。

 例えば「白」は、次のようになっています 。

白川静著「常用字解」

象形。白骨化した頭蓋骨の形。風雨にさらされて肉が落ち、白骨になったされこうべの形であるから「しろ」「しろい」の意味となる。(以下略)


藤堂明保編「例解学習 漢字辞典」

どんぐりのような形の実をえがいたもの。中が白いので「白い」という意味を表す。


尾上兼英 監修の「旺文社小学漢字新辞典」

親指とその爪の長く伸びた形をえがいた字。白いの意味に使うのは字を借りたもの



 まったく違った解釈ですね。

 「白」の甲骨文字を見ても、簡単に連想できるものはないので、そこには解釈が入らざるを得ません。

 それぞれが歴史的な資料を読んで、それぞれに判断しているのでしょう。

 真実はひとつだと思います。この3つのうちの1つか、あるいはまったく別に真実があるのかもしれません。

 僕にはそれを判断する力は全くありません。

 それで、わかりやすいのを採用するようにしています。

 白をイメージするには、白骨化した骸骨というのは、すぐわかりますね。骸骨は白だと言うのがはっきりしています。

 それに比べると、中身が白いでは少し弱いです。

 ただ、骸骨から甲骨文字に結び付けるのはかなり難しいです。「常用字解」にはもとになった骸骨の絵は描かれていません。骸骨の絵文字から白の甲骨文字への移行が分かりにくいです。

 尾上先生の親指と爪説は、あまりおもしろくないな、と主観的に思いました。

 それで僕は藤堂先生のどんぐり説を採用することにしました。
siiro.jpg

 このように、全く僕の主観で選んでいます。

 僕が書いている学習書は学術的な本ではありません。
 正しいかどうかは横において、学びやすいかどうかで書いています。
 学習書なのでそれでいいかなと思っています。





漢字の「皿」と「血」のカンケイ
 漢字の「皿」と「血」は形がとてもよく似ていますね。
 「皿」の字の上に「ノ」を付け加えれば「血」になります。

 でも皿と血では似たところが全く見つかりません。偶然なのでしょうか。

 尾上兼英 監修の「旺文社小学漢字新辞典」の「血」の項目には次のようにあります。

 大きな皿の中に血のかたまりの入っている形を描いた字。皿にもって神に捧げる清めの血の意味。そこからたんに血の意味に使われた。

 とあります。小学館の藤堂明保編「例解学習 漢字辞典」、平凡社白川静著「常用字解」も似たような説明です。

 皿の中に入った血液を描いたんですね。だから皿の上についた「ノ」が「血」ということでしょう。漢字は面白いデス。

読み方の異なる漢字をふくむ短文
 次の文を読んでください。

 「弥生時代を研究する生まじめな先生は、芝生の生えた野原で、生卵を食べながら、生まれてからこれまで生きてきた生い立ちを、一生けんめいに語りました」



みなさん、ご存じのことですが、漢字には読み方がいくつもあります。音読み、訓読みがありますが、それも1つずつではなくいくつもの読み方があったりします。

 「一生」「生死」「生きる」「生む」「生える」「生卵」「生地」「生い立ち」など。そして、「芝生」「弥生」

 同じ「生」でも、これだけ異なる読み方があります。
 もちろん、みなさん、読み分けることができますね。

 さて、セルフ塾の漢字の練習では、岸本 裕史氏の「漢字習熟プリント」を使っていました。その中には、暗記のための短文がのっています。
 読み方の異なる単語を1つの短文の中に入れてあるのです。

 その漢字習熟プリントは処分してしまったので、正確に引用することが残念ながら引用できません。

 「生」の漢字の練習のときには、全部の読み方ではなかったのですが、「生(せい)」「生(い)きる」が入った短文がのっているのです。

 なかなか面白いです。生徒は、その短文が読めるようになれば、その漢字は読めるようになったということになります。

 さて「この順序で学べば漢字は面白い(仮称)」をを作成しています。

 僕は、習熟プリントのような色々な読み方を含む短文を作ることにしました。

 例えば「修行を行うために、旅行に行く」


読み方の異なる漢字と重複表現
 「この順序で学べば漢字は面白い(仮称)」を作成して、

 それに、読み方の異なる漢字をふくむ短文を入れていると書きました。

 例えば「女」の漢字。訓読みは「おんな」、音読みは「ジョ」ですね。

 その2つの読み方をひとつの短文にまとめます。

 思いつくのが「女の女医」という言葉。「おんな」「ジョ」が入っています。

 でも、これは重複表現になりますね。女医というのは女の医者のことですから、「女の女医」は「女の女の医者」ということになり、「女の」がダブっています。

 重複表現と言われ、よくないことだと言われています。

 このような重複表現を避けて、「女の医者を女医という」のようにしましたが、あまりおもしろい文ではないですね。

 漢字学習書短文にはひらがな文ローマ自分を付け加える

 「この順序で学べば漢字は面白い(仮称)」を作成して、

 それに、読み方の異なる漢字をふくむ短文を入れていると書きました。

 さて、その短文には、平仮名の文とローマ字の文を付け加えました。読み方がわかるようにです。

 たとえば、次のように。「山」の項です。

 「たくさんの山がつらなる山脈」
 「たくさんの やまが つらなる さんみゃく」
 " Takusan no yama ga tsuranaru sanmyaku."




 最初、ふりがなを考えました。ルビ付きの文です。

 でも、 amazon kindle で出版する時に面倒なことになるかもしれないと思ったので、ふりがなつきの文をやめました。

 ただ、後で考えたのですが、学習する人に、 漢字かな混じり文を見て読めるように、自分でテストをしてもらいたいと思っています。

 その時には、ふりがながあると邪魔ですね。

 ということで、こちらの方がいいのかなとも思っています。
 ローマ字をつけたのは、もちろん、外国の人が学習するのを意識してです。


藤堂明保漢字辞典には絵文字がついている
 漢字の成り立ちを色々調べています。

 僕が主に参考にしているのは、
小学館の藤堂明保編「例解学習 漢字辞典」、
平凡社白川静著「常用字解」、
そして 尾上兼英 監修の「旺文社小学漢字新辞典」です。

 それぞれに、いろいろ工夫がされていて、面白いのですが、ひとつ大きく違うのは藤堂明保の漢字辞典には絵の文字が付いているのです。それが絵文字といっていいのか、よくわからないのですが。

 例えば「老」の文字。
 藤堂明保編「例解学習 漢字辞典」には次のようになります。
oinoji.jpg

そして尾上兼英 監修の「旺文社小学漢字新辞典」では次の通り。

oinoji2.jpg

 藤堂辞典には絵文字が付いていて、老人がどのようなものであるかすぐ目でわかります。他の2つの辞書には、絵がなく、その説明が文字でのっているだけです。

 そして、甲骨文字から始まっています。

 絵があると、分かりやすいなと思って、そういう点では藤堂明保版に軍配を上げたいです。

漢字、六書による分類一覧表(教育漢字)
 小学で学ぶ漢字を教育漢字といいます。
 漢字はその成り立ちによって、象形文字、指示文字、会意文字、形声文字、転注文字、仮借文字の6つに分類することができ「六書」といいます。その他、日本でできた国字というのがあります。
 教育漢字を、その成り立ちで分類してみました。

 福井県教育委員会[編・発行]「白川静博士の漢字の世界へ 」を参考にしました。



象形文字(実物の形・属性をかたどり,ある程度抽象化して表わした漢字)
(小学1年)
雨 王 火 貝 九 玉 金 月 犬 見 
口 山 子 耳 車 手 出 女 小 人  
水 生 夕 川 足 大 竹 中 虫 天 
田 土 日 入 白 文 木 目 力
(小学2年)
羽 夏 回 会 角 楽 丸 岩 弓 牛 
魚 京 元 原 戸 午 工 公 交 行 
黄 合 谷 才 止 市 矢 自 首 少 
食 心 雪 走 長 鳥 弟 刀 冬 内 
南 肉 馬 半 番 米 母 方 毎 万 
門 用 来
(小学3年)
員 央 業 曲 幸 皿 次 主 州 章 
申 身 世 全 丁 豆 皮 美 氷 面 
由 羊 両
(小学4年)
以 衣 果 希 求 軍 告 士 氏 児 
失 笑 象 臣 倉 巣 束 卒 帯 単 
兆 毒 飛 必 夫 包 未 民 要 良 
量 令 
(小学5年)
永 久 再 妻 示 舌 素 率 能 非 
豊  
(小学6年)
異 革 干 疑 筋 系 穴 己 皇 骨 
困 冊 尺 若 泉 片 亡 幼 卵


指事文字(数や位置など,形を模写できない抽象的概念を表わすために考案された漢字)
(小学1年)
一 下 三 十 上 二 八 百 本 
(小学4年)




会意文字{2つ (以上) の漢字を組合せ,両者を合せたものに近い意味と字形をもつ1字の漢字をつくる構成法}
(小学1年)
右 音 学 休 左 糸 字 森 正 石 
赤 先 男 年 名 立 林
(小学2年)
引 科 家 画 外 間 帰 強 教 兄 
形 計 言 古 後 光 高 黒 国 算 
室 弱 秋 書 色 新 親 図 数 声 
切 前 多 台 知 昼 朝 直 電 同 
道 売 買 麦 父 分 歩 北 明 鳴 
夜 友 里
(小学3年)
安 医 委 意 育 飲 屋 化 開 寒 
客 宮 去 局 区 具 君 係 血 県 
庫 向 祭 死 事 式 実 写 者 守 
取 受 捨 習 集 重 宿 所 助 商 
乗 真 相 息 族 対 炭 追 定 度 
投 島 登 農 配 発 反 筆 表 秒 
品 負 平 放 命 問 役 有 流 旅 
列 和
(小学4年)
愛 位 胃 印 加 害 各 完 官 関 
季 喜 器 救 挙 共 競 芸 建 固 
好 康 最 札 刷 殺 察 参 産 散 
史 司 辞 周 祝 初 信 成 静 席 
折 戦 然 争 孫 隊 典 伝 得 熱 
敗 票 付 兵 別 変 便 法 牧 脈 
利 料 類 連 老 労
(小学5年)
圧 移 因 易 益 可 賀 解 規 義 
旧 居 禁 句 件 券 限 故 効 厚 
興 災 際 在 罪 賛 支 師 質 舎 
修 述 術 承 条 制 勢 設 造 則 
属 損 退 断 徳 犯 比 肥 貧 武 
保 報 暴 夢 綿 容 留 
(小学6年)
延 灰 巻 看 貴 郷 敬 劇 后 孝 
降 至 私 射 収 宗 就 衆 処 将 
仁 垂 寸 聖 宣 専 染 善 奏 存 
尊 段 展 届 難 乳 拝 班 否 奮 
並 閉 枚 密 盟 郵 乱 覧 臨


形声文字{その語の意味の範疇を表わす文字 (義符,意符) に,その語と同音・類音の文字 (声符,音符) を付してつくった合成字}
(小学1年)
円 花 気 空 校 青 千 草 村 町 
(小学2年)
雲 園 遠 何 歌 海 絵 活 顔 汽 
記 近 語 広 考 細 作 姉 思 紙 
寺 時 社 週 春 場 星 晴 船 線 
組 太 体 地 池 茶 通 店 点 当 
答 頭 読 風 聞 妹 野 曜 理 話
(小学3年)
悪 暗 院 運 泳 駅 横 温 荷 界 
階 感 漢 館 岸 起 期 究 急 級 
球 橋 銀 苦 軽 決 研 湖 港 号 
根 仕 使 始 指 歯 詩 持 酒 拾 
終 住 暑 昭 消 勝 植 神 深 進 
整 送 想 速 他 打 待 代 第 題 
短 談 着 注 柱 帳 調 庭 笛 鉄 
転 都 湯 等 動 童 波 倍 箱 坂 
板 悲 鼻 病 部 服 福 物 返 勉 
味 薬 油 遊 予 洋 葉 陽 様 落 
緑 礼 練 路 


(小学4年)
案 囲 英 栄 塩 億 貨 課 芽 改 
械 街 覚 管 観 願 紀 旗 機 議 
泣 給 漁 協 鏡 極 訓 郡 径 型 
景 欠 結 健 験 功 効 候 航 差 
菜 材 昨 残 試 治 借 種 順 松 
唱 焼 照 賞 省 清 積 節 説 浅 
選 側 続 達 置 仲 貯 腸 低 底 
停 的 徒 努 灯 堂 特 念 梅 博 
飯 費 標 府 副 粉 辺 望 満 約 
勇 養 浴 陸 輪 冷 例 歴 録
(小学5年)
営 衛 液 演 応 往 桜 恩 仮 価 
河 過 快 格 確 額 刊 幹 慣 眼 
基 寄 技 逆 許 境 均 群 経 潔 
険 検 現 減 個 護 耕 鉱 構 講 
混 査 採 財 雑 酸 志 枝 資 飼 
似 識 謝 授 準 序 招 証 状 常 
情 織 職 性 政 精 製 税 責 績 
接 絶 銭 祖 総 像 増 測 貸 態 
団 築 張 提 程 適 敵 統 銅 導 
独 任 燃 破 判 版 備 俵 評 布 
婦 富 復 複 仏 編 弁 墓 防 貿 
務 迷 輸 余 預 略 領
(小学6年)
遺 域 宇 映 沿 拡 閣 割 株 簡 
危 机 揮 吸 供 胸 勤 警 激 絹 
権 憲 源 厳 呼 誤 紅 鋼 刻 穀 
砂 座 済 裁 策 蚕 姿 視 詞 誌 
磁 捨 樹 従 縦 縮 熟 純 署 諸 
除 傷 障 城 蒸 針 推 盛 誠 洗 
窓 創 装 層 操 蔵 臓 宅 担 探 
誕 暖 値 宙 忠 著 庁 頂 潮 賃 
痛 討 党 糖 認 納 脳 派 背 肺 
俳 晩 批 秘 腹 陛 補 暮 宝 訪 
忘 棒 幕 模 訳 優 欲 翌 裏 律 
朗 論


転注文字{ある意義をもつ漢字を,その音とは無関係に,それと近い,あるいは転移した意義の語を表わすために用いることをさすとみられる}
教育漢字には該当なし


仮借文字{既成の漢字を借りて,それと同音ないし類音でしかも意味の異なる別の語に転用する用法}
(小学1年) 五 四 七 早 六
(小学2年) 今 西 東
(小学4年) 不 無
(小学6年) 我 

国字{ 日本で漢字の構成法に倣って作られた文字} 
(小学3年) 畑
(小学4年) 働


「この順序で学べば漢字は面白い(仮称)」は、白川静氏の成り立ち説明で
 現在、漢字の成り立ちをもとにした、漢字の学習書を作成しています。

「この順序で学べば漢字は面白い(仮称)」を執筆中

漢字の成り立ちはひとつにまとまっていない

 僕が主に参考にしているのは、
小学館の藤堂明保編「例解学習 漢字辞典」、
平凡社白川静著「常用字解」、
そして 尾上兼英 監修の「旺文社小学漢字新辞典」です。


 これまでは、それぞれの漢字について3つの本を読み比べ、わかりやすい説明を取り上げてきました。

 僕には、誰の説が正しいかを判断する力はありません。ただ分かりやすいのは何かは、僕の主観でいいと思っていたのです。

 作成を進めてきました。

 そのうちにその方法ではダメだなと思うようになってきたのです。

 白川静さん、藤堂明保さんそして尾上さんもそうでしょうが、それぞれの基本的な考えがあって、それを基にしながら成り立ちを説明しています。それぞれに一貫性、統一性があるのです。

 それなのに、僕がこの漢字は白川さんの成り立ち説明で、またあの漢字は藤堂さんの説明でとなると、一貫性を保つことはできません。それぞれの説明もめちゃくちゃになりそうです。

 だから、とにかく誰か1人の説明を採用をしなければいけません。

 色々考え、インターネットでちょこちょこと調べたのですが、白川静さんの説明にすることにしました。

 ぼく浅い知識なのですが、甲骨文字は占いに使った文字です。占い、刑罰などに関連した文字になる可能性は高いと思われます。そういう説明をしているのが白川静さんです。

 小学生向けの学習書には白川静さんの説明で作られているのが多いのも判断材料としました。

 遅ればせながら、白川静さんに関する本を注文しました。
 これから勉強をします。



 いまでも
白川静著「常用字解」
「白川静さんに学ぶ漢字は楽しい」
「 白川静さんに学ぶ漢字は怖い」
「白川静式小学校漢字辞典」
「白川静博士の漢字の世界」
は、持っていますが、全部辞典のようなものです。

漢字の形声文字について
  まず、次を読んでみてください。簡単に出来ると思います。

〇ご飯を食べる
〇黒板の前に立つ
〇初版本を手に入れる
〇本を販売する
〇阪神工業地帯
〇急坂を登る

読めたと思います。
 「飯・板・版・販・阪・坂」は、すべて「ハン」と読みますね。「黒板」は、「こくばん」とにごっていますが、大目に見てください。

そして共通点も分かりますね。
「飯・板・版・販・阪・坂」の右側には、すべて「反」がついているのです。

このような漢字はたくさんあります。

象形文字のでき方分かりますね。山がつらなっている形から「山」の文字ができます。

「林」は、「木」二つからできています。そういうのを会意文字といいます。

ただ漢字もたくさんになると、そのような面倒くさかったのか、簡単な作り方になります。

「飯・板・版・販・阪・坂」は、中国語ですべて「ハン」と言いました。

 それで、食べることに関係のある「ハン」は、「食」と「反」で、「飯」にしよう。
 土に関係のある「ハン」は、「坂」
 木に関係のある「ハン」は、「板」というように。

このようにして意味に関係する部分と発音に関係する部分をつなげて漢字を作ったのです。

そういう風な出来方をした漢字を「形声文字」と言います。

 漢字の90パーセント以上は、形声文字だそうです。

僕は学習塾をやるようになって初めて、このような形声文字があることを知りました。僕の学生時代には教えてもらえなかったと思います。

漢字がこのようにしてできていることが分かれば学習も面白いでしょうね。ぼくは小中学生のころ、漢字が大嫌いでしたが、このように教えてくれれば興味深く学習しただろうなと思っています。

それで、そのような漢字の学習書を作っているのです。

今の教科書、新出漢字の順序は
 きのうは、飯、板、坂などには、反がついているので、「ハン」と読むことを書きました。

 とすると、反を学んでから飯、板、坂などの漢字を学んだらいいと思いますね。

 でも、現在の教科書では、そうなっていない漢字が多いのです。

舌は、5年の教科書に初めて出てきますが、、活と話は2年、辞は4年で出てきます。

 よく出てくる順序なのでしょうね。でも、漢字を学ぶ子どもたちには負担が大きいと思います。そして、おもしろくない。

 以下に、少し調べて順序が逆な漢字を書きだしてみました。2時間ほど調べただけです。もっとあると思います。

永(5年)、泳(3年)
可(5年)、何(2年)
化(3年)、花(1年)
舌(5年)、活(2年)、話(2年)、辞(4年)
干(6年)、刊(5年)、
官(4年)、館(3年)
己(6年)、記(4年)、配(3年)
義(5年)、議(4年)
各(4年)、客(3年)、落(3年)
求(4年)、球(3年)
系(6年)、係(3年)、孫(4年)
穴(6年)、空(1年)、究(3年)、
交(2年)、校(1年)
氏(4年)、紙(2年)
示(5年)、祭(3年)、
周(4年)、週(2年)、調(3年)
責(5年)、積(4年)
泉(6年)、線(2年)
束(4年)、速(3年)
則(5年)、側(4年)
丁(3年)、町(1年)
豆(3年)、頭(2年)
非(5年)、悲(3年)
亡(6年)、望(4年)
未(4年)、妹(2年)、味(3年)
予(3年)、野(2年)
至(6年)、屋(3年)、室(2年)


中学で、漢字の部品
 前の記事では、
舌は、5年の教科書に初めて出てくるが、、活と話は2年、辞は4年に出てくるなど、順序が逆ではないか、と思われる漢字があることを書きました。

今の教科書、新出漢字の順序は

 さて、学年だけでは、ありません、悪は小学3年で学びますが、亜は中学で学ぶことになっています。
 亜に下心で、悪になる、と覚えたら簡単だと思います。

 そういう漢字を集めてみました。

亜(中学)、悪(3年)
井(中学)、囲(4年)
斗(中学)、科(2年)、料(4年)
朱(中学)、株(6年)
貫(中学)、慣(5年)
凶(中学)、胸(6年)
斤(中学)、近(2年)、断(5年)
刑(中学)、型(4年)
吉(中学)、結(4年)
岡(中学)、鋼(6年)
吏(中学)、使(3年)
又(中学)、取(3年)、受(3年)、収(6年)、度(3年)、努(4年)
旦(中学)、担(6年)
炎(中学)、談(3年)、
廷(中学)、庭(3年)、
亭(中学)、停(4年)
是(中学)、提(5年)
占(中学)、店(2年)、点(2年)
唐(中学)、糖(6年)
忍(中学)、認(6年)
丙(中学)、病(3年)
更(中学)、便(4年)


漢字の部首もきちんと教える
漢字は色々な部品の組み合わせでなっています。

これまで、教科書ではその観点に立って系統的に教えられるようにはなってないことを示してきました。

今の教科書、新出漢字の順序は

中学で、漢字の部品


さて漢字には、部首というのがありますね。

その中のかなりのものは、少なくとも常用漢字内では、一つの漢字としては成り立たないのがあります。

例えば、頁(おおがい)、殳(るまた)、禾(のぎへん)など。


 部首は、漢字を教えるついでに、ちょこちょこと教えてもらうだけです。

だから、なんとなくわかったりしますが、それらはきちんと一つ一つ教え、そしてそれらを部品にして漢字が成り立っていることを教えたら、学習するものとしてもわかりやすいと思います。

頁(おおがい)は、「けつ」と読み、儀礼の時に礼拝している人を横から見た形を表しているそうです。

 頁(おおがい)をきちんと覚えれば、「順」は、「川」と「頁」でできている、と覚えればいいので、簡単です。

頁(おおがい)は、順のほかに、頭、顔、願、領など、数多くあります。


次の部首が、このように呼ばれ方をするのは、今回ちょっと調べるまでく知りませんでした。よく使われているのですがね。

釆(のごめ)
韋(なめしがわ)
聿(ふでづくし)
阜(おか)


中国では、ふりがな(ルビ)は?
 日本で文字を学ぶ時には、まずひらがな、カタカナを学び、そして漢字を学びますね。

 教育漢字でだけで1006字の漢字を学びます。そして常用漢字(2136字、その数には教育漢字を含みます)。

 ただ、仮名が分かるので、ふりがなをつければ、どんな漢字でも読むことができます。便利ですね。

 さて、僕は以前から疑問に思っていたことがあります。
 中国ではどうなんだろうか。

 中国は、漢字だけの国です。ひらがな、カタカナはありません。
 発音記号があるのでしょうか。そういう話も聞いたことがありません。僕が知らないだけなのかもしれない、とも思いました。

 さて、 平凡社新書松岡正剛著「白川静 漢字の世界観」を読みました。そこに次のようにあります。

 中国人は、漢字1文字ずつの発音をどのように表記していいか、長い間ほったらかしにしていたのです。工夫をしてこなかった。むろん、発音記号にあたるものもなかったし、後の日本のかなにあたるものもついに発明しなかったのです。
 そこでもっぱら言葉に詳しい者が漢字を読誦して読み聞かせ、各自が漢字の読み音を学んでいたのですが、だからこそ、中国では読み書きの学校や塾のようなものが早くから発達したのですが、しかし、それでは各地で発音が異なってきます。実際には、広大な中国大陸では、今なお地方による漢字の読み方がかなり異なっています。


 先生から漢字の読み方を教えてもらうしかなかったのですね。
 例えば、「東」は「とう」、「京」は「きょう」と読むんだよ、
 と先生が話すのを耳から聞いて覚えるしかなかったわけです。

 さらに続きます。
 

そこで、6世紀の梁の時代の前後に、漢字の音を漢字で当てはめるという方法が工夫されました。これを「反切」といいます。
 例えば、東という漢字をどう発音するかというとき、「徳紅反」という風に示して、(日本の漢字音でいえば)「東という文字は、徳のtokuと紅のkouの、徳はtokuのtを、紅はkouのouをとって touと 読みなさい」というふうにしたのです。


 「徳紅反」の「徳(toku)」の子音、「紅(kou)」の母音を組み合わせて[tou]という発音になる、ということで表したのでしょうね。

 これだと、いちおう、漢字の発音は分かります。漢字辞典のようなもので読み方を説明する言葉できるはずです。

 ただ、ふりがな(ルビ)というものにすることができませんね。

 私たちの先人は、ひらがなカタカナという文字をよくぞ発明してくれたものです。感謝しなければいけませんね。

 中国は、日本から仮名を輸入すればいいのに。


当用漢字とは、当座(しばらくの間)用いる漢字
 僕が中学生、高校生の頃は「当用漢字」というのがありました。
 今は「常用漢字」になっていますね。

 その頃、「当用漢字」の「当用」とはどういう意味だろう、と少し不思議に思ったものです。でも、深く考えることも、調べることもしませんでした。

 なぜ当用かは別にして、日常生活で使われる漢字のことなのだと理解していました。それで、全く不自由をすることはありませんでした。

 さて、松岡正剛著「白川静 漢字の世界」を読んで、それがすっきりしました。そこに白川静氏の「桂東雑記Ⅲ」からの引用があります。孫引きになりますが、引用します。

わが国はとんでもない戦争を引き起こして、とんでもない負け方をして、そして「国語はやめよ、ローマ字で綴れ」という進駐軍の要請を受けた。
 しかし、それは一足飛びにはそうはなりません、というので、しばらくの間漢字を使わせて下さい、と言って「当用漢字」を作った「当用」というのは「当座」という意味ですよ。(以下略)


 当座(しばらくの間)用いる漢字ということで当用漢字が出来たのですね。

 戦後、漢字をなくしてローマ字で綴るという話があったことは、知っていました。
 ただ、それとの関連で、当座(しばらくの間)用いる漢字ということで当用漢字ができたのは知りませんでした。

 学生の頃、漢字を覚えるのが苦手で、嫌いだった僕でさえ、現在は、漢字のありがたさが分かります。

 当座ではなく、ずっとこれからも漢字を使い続けた方がいいですね。




仮借文字は当て字
 漢字の成立と用法で分類すると、象形文字・指事文字・会意文字・形声文字・転注文字・仮借文字の6つになります。

 そのうちの一つ仮借(かしゃ)文字を辞書で調べると、

漢字の六書 (りくしょ) の一。音はあるが当てるべき漢字のない語に対して、同音の既成の漢字を意味に関係なく転用するもの。食物を盛る高い脚の付いた器の意の「豆」の字を、穀物の「まめ」の意に用いる類。


 この説明で分からないことはないですね。

 昔、中国の人たちはまず象形文字を作っていきます。
 山の絵を描いて絵文字にし、段々簡略化して「山」という文字ができてくるのです。

 そういう風にしてたくさんの象形文字を作りました。

 でも、いちいちそれで作るのは大変です。

 穀物の「まめ」の象形文字を作ろうと考えますが、面倒だなと思ったのでしょうか、別の方法を考えます。

 その頃には、食べ物を盛る高い脚のついた器の象形文字「豆」は作ってありました。

 それの発音は「トウ」です(正確に言えば違うかもしれませんが)。

 穀物の「まめ」も「トウ」と言いました。同じ音です。

 それで穀物の「まめ」も同じ発音だからと「豆」にしようということになったのでしょうね。

 このように音を借りた漢字を仮借(かしゃ)文字というのです。

 さて、それについて考えていると「当て字」のことではないかと思ったのです。

 当て字とは、

日本語を漢字で書く場合に、漢字の音や訓を、その字の意味に関係なく当てる漢字の使い方。狭義には、古くから慣用の久しいものについていう。「目出度 (めでた) し」など。借り字。


 最近は、外来語はなんでもカタカナで書きます。
 でも、明治時代はそうではなかった。漢字で書き表そうとつとめたのです。

 英語のcoffee。をいろいろ考えて、「珈琲」と語句を発明したのです。そのままだと「カヒ」という発音なのでしょうね。でもよく似ています。

珈の意味は「婦人のかみかざり」
琲の意味は、玉をたくさん連ねた飾り。
だそうです。
 コーヒーとはまったく意味がちがいます。

 音が似ているというだけですね。
 古代の中国人もこのようにして、穀物の「まめ」の漢字を「豆」にしたのでしょう。

 なお、「仮借文字、当て字」で検索すると、ウィキペディアには、次のようにありました。仮借文字はやはり当て字の一種だったのです。

仮借(かしゃ、かしゃく、假借)とは、漢字の造字法および用字法を説明する六書(りくしょ)の一つ。その語を表す字がないため、既存の同音あるいは類似音をもつ字を借りて表記することをいう。当て字の一種だが、特に一字で表記し、定着して後まで伝わったものを指す。


なぜ九は象形文字で、五は仮借文字なのか?
漢字には,その成り立ちによって象形文字や仮借文字などがありますね。

象形文字(しょうけいもじ)とは、ものの形をかたどって描かれた文字からなる文字体系で、絵文字からの発展によって生まれたと考えられている。

仮借(かしゃ、かしゃく、假借)とは、その語を表す字がないため、既存の同音あるいは類似音をもつ字を借りて表記することをいう。


 さて、白川静著「常用字解」の「五」の項目から引用します。

 (解説)仮借。木を斜めに交差させて作った器物の二重の蓋の形。これを数字の五に用いるのは、その音だけを借りる仮借の用法である



 ということで、五の文字は仮借文字に分類されています。

 さて、次は数字の九の項目です。

 (解説)象形。身を折り曲げている竜の形。(中略)
数の九の意味に用いるのは、その音を借りる仮借の用法である。


 数字の五は仮借文字と分類されているのに、なぜ九の字は象形文字になっているのか。

 別々に考えると分からないこともないです。

 数字の九は、もともとは竜の象形文字だったわけです。それの音を借りて数字の九になった。
 仮借文字は、借りるのですから、元々の漢字があったはずです。それが、九の場合、象形文字だった。

 それで、象形文字に分類した。

 でも、同じように考えると五も象形文字に分類した方がいいのではないでしょうか。

 五という意味では仮借文字ですが、木を斜めに交差させて作った器物の二重の蓋という意味では、象形文字に分類されるはずです。

 何が違うのか。

「木・本・末・未」は、一緒に学ぶ
 「成り立ちに沿って学べば漢字は楽しい(仮題)」を執筆中です。

 さて、「木・本・末・未」はよく似ていますね。

 でも学校では、木と本は1年で、末と未は、4年で学びます。バラバラに学ぶのですね。

 その成り立ちを見てみましょう。

木・
{木の形。上の枝は上に向かい、下にある枝はたれ下がっている}



成り立ち木


本・
(木 の下の部分に点(・)を加えて、木の下部、木の根本を示す。 それで「ねもと・もと・もとい」の意味となり、物事の「はじめ」の意味に使う。 後に、書物を1本2本と数え「書物・本」の意味に使うようになった)


成り立ち本


末・
(木の上部に点(・)を加えて木のはしっこのこずえを示す)


成り立ち末すえ



(枝がしげっている木の形。 「いまだ(今までに) ~ず、 いまだ(今もなお)」のように、時の関係に使うのはその音を借りる仮借の使い方 )



成り立ち未



 どれも「木」と関連のある文字です。特に、本と末はなりたちがよく似ています。

 「本末転倒」とよく言いますが、本と末が対語になっているのが成り立ちからも分かります。

 このような文字は、成り立ちに沿って、まとめて覚えた方が記憶もしっかりするのするし、楽しく覚えられると思います。

左と右の書き順はなぜ違うのか。

 左と右の1画目と2画目の書き順は逆ですね。「ナ」の部分です。
 左は、「一→ノ」ですが、右は「ノ→一」です。
 なぜ、ちがうのか。

 漢字の成り立ちをみましょう。
 「右」の字は、又(右手)と「口」でできています。
口は 神様への祈りの文である祝詞を入れる器です。
naritati右


 「左」の字は、ナ(左手)と「工」でできています。
工は神様に仕える人が祈り事をする時にする時に持つ呪いの道具です。
naritati左

 「又」の書き順は、「フ→右払い」ですね。
 「右」では、その「又」が「ナ」になるのですが、「又」の「フ」が「ノ」になり、右払いが「一」になるのです。だから「ノ→一」の順になるのですね。
 次のように、1画目が赤、2画目が青です。
 指の部分が1画目ということで同じです。

naritati左右

 おもしろいです。

 さて、それに対して、そうではないよ、という考えもネット上でみられました。


漢字文化資料館

「左」と「右」の筆順の違いを、字源に結びつけて説明するのは、とてもわかりやすいのですが、根拠がある話ではありません。筆順について定めた文部省著作『筆順の手引き』によれば、両者の違いは次のように説明されています。

横画が長く、左払いが短い字では、左払いをさきに書く。
例:右・有・布・希
横画が短く、左払いが長い字では、横画をさきに書く。
例:左・友・在・存・抜

つまり、文部省によれば、筆順の違いは長さの違いに起因するものなのです。
筆順とは、より美しく整った字を書くために、慣用上、工夫されてきたものです。字源と結びつけるのは、あくまで覚えるための方便だと理解しておいた方がよいでしょう。



 それについての、ぼくの考えを書きますが、推理がだいぶ入るので、そのつもりで読んでください。

 学校教育を行うにあたって、文部省は漢字の書き順のルールを決めることにしました。

 文部省が書き順のルールを決める前から、もちろん漢字はありますし、書き順もありました。

 たいていは、うまくいったのですが、左右などの「ナ」の部分の書き順でこまったことになりました。

 左右の書き順が逆だったのです。文部省がルールを決める前から、人々は左は「一ノ」、右は「ノ一」で書いていたのです。

 それでもなんらかのルールを決めなければいけません。

 よくよく見ると「右・有・布・希」などの「ノ一順」の漢字は「ノ」が短く、
「左・友・在・存・抜」などの「一ノ順」の漢字は「ノ」が長いことに気づいたのです。

 それで、
横画が長く、左払いが短い字では、左払いをさきに書く。
横画が短く、左払いが長い字では、横画をさきに書く。


 というルールにしたのです。

 でも、それは逆ですね。

 「左払いが短い字では、左払いをさきに書く」ではなく
 「左払いをさきに書くと、左払いが短い字になる」のです。

 そして、「左払いが長い字では、横画をさきに書く」ではなく、
 「横画をさきに書くと、左払いが長い字になる」のです。


 「ノ一順」で書くと、ノの次は一を書かなければいけないので、短くなります。次の一につなげる準備をするためです。

 それに対して「一ノ順」では、ノは上にもどる必要がなくなるので、長く伸ばせるのです。

 実際に「一ノ」「ノ一」の順に「ナ」を書いてみてください。「ノ」の長さが異なるはずです。

 「左右の書き順はなぜ逆か」は、文部省がルールを作る前までさかのぼって考える必要があります。

 文部省のルールはあとでくっつけただけです。やはり、書き順は、漢字の成り立ちで理解したほうがいいと、ぼくは思います。

「友」は、なぜ横一から始まるのか
 昨日は、左右の書き順について書きました。
 今日は「友」の書き順についてです。

 「友」の書き順は, 「一 ノ 又」ですね。

 さて、白川静著「常用字解」には
 「友」の成り立ちは、右手2つが並んでいるというものです。
tomo友白川

 手を取り合って助け合うということから「友」の意味ができたとのこと。
 面白いですね。

 ただ、書き順の観点から見ると、右手2つだとおかしくなります。
 「右」は、ノが先です。でも、「友」の書き順は左手と同じ横一から始まります。

 さてどうしてでしょうか。

 尾上兼英監修「旺文社小学漢字新辞典」でも、「友」の成り立ちは、白川さんのものと同じような説明です。

 次に、藤堂明保編集の「小学館例解学習漢字辞典」で「友」を調べてみました。
tomo友藤

 これには、何と左手と右手が描かれているのです。

 かばうように曲げた手を2つ合わせた字で、「仲良くかばい合う仲間」という意味を表す
 とのこと。

 左手と右手なら書き順はまさにその通りです。「左」は横一から始まるので、「友」の書き順と全く同じになります。

 白川静さんと藤堂明保さんの考え方が違うのはよく知られていることです。

 同じ漢字で2人の解釈が全く異なります。そういうのは多く見てきましたが、古い字の形が違うのは僕のあまりないように思います。僕はそれほど多く漢字を見たことがないし、そのつもりで見てもいないのですが、なぜでしょう。

 昔の字が、左手と右手のものと、右手と右手のものがあるのでしょうか。

 その辺りは全く詳しくないので知りません。

 それでは書き順で考えると、藤堂明保氏の、左手と右手というのがスムーズに理解できるのでそちらの方が正しいと言っていいのか。

 ただ僕は白川静氏の書いている、右手右手でもあり得ると思います。

 言葉の乱れというのがあります。言葉は時代によってどんどん変わってきます。
 書き順も変わります。

 もともと右手右手で、ノから先に書いていたのだが、だんだん乱れて横一を先に書くようになった、というのも十分にあり得ることだと思います。

 さあ、真実はどこでしょうか。

漢字の成り立ち、子どもたちが理解できるか
 「成り立ちに沿って学べば漢字は楽しい(仮題)」を作っています。

 僕が頭に描いている対象者は、まず夜間中学などに通う人達です。次に日本語を学ぶ外国人。それから中学受験のために先取り学習をする小学生もいます。

 普通の小学生はのぞかれます。文部科学省によって漢字を学ぶ学年は決められているからです。漢字の成り立ちに沿って学ぶことは難しいのです。だから、ぼくが考えているような学習書はまだ出ていないのでしょう。売れないでしょうから。

 さて、漢字の成り立ちは白川静氏の説明に沿って行っています。
 
 その白川静氏の説明は、神様への祈り、占い、刑罰などに関することが多いですね。

 大人ならなんとか理解できるでしょうが、子ども達が理解できるかどうか。

 どのようにして、子どもたちに理解させるかというのを考えなければいけません。
 結構難しいでしょうね。

 完全に理解する必要はないと思います。でも、全く分からなければ漢字への興味を失ってしまうでしょう。難しいです。

一筋縄ではいかない、象形文字と会意文字の順序
 山や木などを象形文字と言いますね。山や木の絵を描いた絵文字から、それを簡単な線やや点で表して行くと象形文字になります。

 さて、林や森などは、会意文字と言います。2つ以上の漢字を組み合わせて漢字を作るのです。

 木を2つ組み合わせると林になり、2つだと森になります。よくわかりますね。

 そう考えると、象形文字が先にできて、それらを組み合わせて会意委文字ができる、会意文字の部分の漢字が象形文字という順序です。

 でもなかなか単純にはそう行かないのがあります。

 「系」は、「ノ」と「糸」でできています。それを考えると、「糸」の方が象形文字で「系」の方は会意文字だという説明ならわかります。

 でも逆なのです。
 「糸」は会意文字です。そして「系」は象形文字なのです。

 なぜか。
 糸はもともとは「絲」だったとのこと。糸という漢字2つでできた文字だったです。
カイコの出す糸を二つ並べて、細いより糸を表したのだそうです。

それが簡単になり「糸」という文字になったのです。それで、もとの「絲」を考えて会意文字としたのです。

 「系」は全体として、飾り糸を連ねて垂れている形だそうです。
 ということで象形文字です。

 他にもあります。「岩」は「山」と「石」でできています。
 ですが、石は会意文字で、岩は象形文字です。

 石は「厂(がんだれ)と 口とを組み合わせた会意文字。
  厂は山の崖の形。口はサイで神への祈りの文である祝詞を入れる器の形である。 大きな岩石は神の宿るところとして祭りの対象とされサイをそなえて神に祈った」とのこと。

 岩は元々は、もとの字は嵒で 山の上に岩石が重なっている形を表したもので、象形文字だそうです。

 「異」は、田と共です。でも、「異」は象形文字で、「共」には会意文字です。

 共は、両手にそれぞれものを持ってささげている形。左右の手をともにささげるので「ともに、とも」という意味に使う、のだそうです。

 左と右が合わ組み合わさってできた漢字で会意文字。

 「異」は
 鬼の形をしているものが、両手をあげて、恐ろしい姿をしている形。普通と違った姿のものであるから「ことなる、すぐれる」の意味となる

 のだそうです。
 両手の部分は「共」になったのですが、全体を考えて象形文字にしたというのでしょう。

 それぞれの漢字の説明は「白川静博士の漢字の世界へ」からです。

 とにかく一筋縄ではいかないなと感じています。



「成り立ちに沿って学べば漢字は楽しい(仮題)」には、「なぜ?」がある
 「成り立ちに沿って学べば漢字は楽しい(仮題)」を作成中です。それを作るのが楽しいです。

 漢字の学習書を作るのが楽しいと言うのだから、僕が漢字がもともと好きで、得意だったと、思われるかもしれません。

 でも全く違います。逆です。

 僕は小学、中学、高校と漢字は大の苦手であり、それで大嫌いでした。僕は理科や数学が得意で好きでしたが、国語、社会、英語などは苦手でした。

 覚えるのが苦手だったのです。学校で学ぶ漢字は、とにかく覚えなさい、でした。

 理由はないのです。とにかく覚えなければいけなかったのです。

 でも、成り立ちを学ぶと、なぜその漢字ができたのかが分かります。
 漢字の成り立ちには「なぜ」があるのです。

 それはある意味では、理科や数学につながるものです。漢字の科学とも言えるでしょう。

 ということで、それを作っているのは楽しいのです。

漢字の学習は学年の壁を取り除くことによって面白くなる
昨日は、漢字の成り立ちに沿って学習すると、漢字の「なぜ」が分かり、学習が楽しくなることを書きました。

 さて、現在でも漢字の成り立ちが載った本や漢字辞典はたくさんあります。

 例えば、福井県教育委員会編集発行の「白川静博士の漢字の世界へ」
 良い本です。これを読むとそれぞれの漢字の成り立ちがわかります。

 ただ、この本は、まず学年ごとに漢字を分け、それを音読みの五十音に並べたものです。
 一つ一つの漢字の成り立ちを理解するには、いいですね。

 ただ学年の壁に縛られています。学校教育に沿った学習をするには仕方のないことです。

 でも、そうすると漢字の「なぜ」がわかりにくく、漢字の学習が楽しくなるには難しいです。

 例えば、漢字の「空」という字。
 空は、小学一年で学びます。
 この字を大人が見るとすぐわかりますが、「穴」と「工」でできていますね。

 ただ、工は2年で学びます。そして、穴は6年生で学ぶのです。

 「空」の説明には、

 音を表すのは工。工は虹のようにゆるく弓のように曲がっている形のものを示すことがあり、穴の上部がそのように曲がっているものを空と言う。空は元は穴の意味であった。後に空を「そら」の意味に使うようになった。

 とあります。

 「空」を学ぶときには、まだ「工」も「穴」も学んでいないのです。これでは、よく理解できないのではないでしょうか。

 学年の壁を一度取り払って、わかりやすいように漢字の成り立ちに沿って学習するように すれば、本当に楽しい学習ができると僕は思っています。

 そして、覚えやすいでしょう。穴と工を学んだあとで、空は、穴と工でできていると覚えればいいのです。

学年の壁を取り除くことによって、漢字学習もスモールステップが可能に
 学年の壁を取り除くことによって漢字の学習が面白くなることを書きました。

 内容的にダブルことになりますが、少し観点を変えて書きます。

 僕は、これまでプログラム学習の原理によって、いろいろな教材を作ってきました。

 プログラム学習ではスモールステップにこだわります。
 これまで学んだことから出発し、一段だけ上にのぼり、新しい知識を手に入れるようにするのです。

 漢字の学習では、学年の壁にこだわるとそれができません。

 学年の壁を取り除くことによって、スモールステップで学ぶことが可能になります。

 例えば「照」。
 この字は、日と刀と口と灬(れんが)からできていますね。

 まず、それぞれの部品をまでに学びます。日、刀、口と灬(れんが)を学ぶのです。
 灬(れんが)は、漢字一文字として使われることはありませんが、部首として、きちんと学びます。
 それをきちんとしつ一つのものとして学びを進めるということがスモールステップにつながってきます。

 次に、刀と口で召ができます。
 召に日を加えると「昭」ができます。
 そしてそれに灬(れんが)を加えることによって「照」ができます。


 このように、
 (日、刀、口、灬) → 召 → 昭 → 照
 と一歩ずつ、スモールステップで上に進みます。

 このように、すでに学んだことを復習しながら、新しいことを学びます。

 このようにすれば、漢字の学習も容易になってくるでしょう。そして楽しくなるはずです 。

 なお、日は1年、刀は2年、口は1年、召は中学、昭は3年、照は4年で学ぶことになっています。

「良」と「食」は無関係
 漢字には意味がありますね。
 また漢字の部分にもそれぞれ意味があります。

 例えば「男」という字。
 「白川静博士の漢字の世界へ」から引用します

「男」

田と力とを組み合わせた形。 力は田畑を耕すためのすきと言う農具の形。 農地(田)と農機具(すき)とを組み合わせて、田畑を耕すことを表す。 昔は農地を管理する人のことを「男」と言った。古くから「おとこ」の意味に使われる。


 このように、男は田と力とを組み合わせた形です。男のという漢字の中の、田にも力にもそれぞれ意味があり、関連するということです。

 ところが、そうでないことが結構多いです。

 「食」は、「人(ひとやね)」と「良」という字でできています。
 それで、食べるのは、人に良いという意味であれば、覚えやすくもありますが、全く違うようです。

 同じく白川静博士の解釈です。

 

良は、「長い袋の上下に流し口をつけて、穀物などを入れて、量をはかる器の形」で、
 食は、「食べ物の入った、ふたのある食器」


 まったく別の漢字です。

 成り立ちはまったくちがうが、どこかで似ているから同じ形にしよう、ということになったのでしょうか。

 その他、次の漢字も全く関連はないようです

 貝と員
 白と泉
 早と章
 田と異
 右と若
 白、木と楽
 米、田と番

漢字の覚え方
 「成り立ちの順で学べば漢字は楽しい(仮題)」を作っています。

 それには、漢字の覚え方も載せるつもりです。

 漢字の覚え方では、下村昇さんの下村方式が有名ですね。よく考えているとは思います。

 ただ、下村方式も学年の枠に縛られているせいもあり、バラバラな覚え方です。

 例えば、反対の「反」
 下村式では、
 「よこ一、ノを書き、フに、右ばらい」と、歌って覚えます。
 一画一画ですね。

 さて、僕ならどうするか。
 僕は「反」を学ぶ前に、厂(がんだれ)と又を学びます。

 がんだれは部首なので、普通、1つの漢字としては学びません。
 でも、僕は、部首もていねいに一つ一つ学ぶように作っています。

 「又」は中学で学ぶ漢字です。だから学年の枠に縛られていていたら、又という字は使うわけにはいきません。

 でも、僕は又を早めに教えます。

 そうすると、
 「厂(がんだれ)に又で反になる」と簡単に分かります。

 次は、「坂」。
 下村式では、
 「よこ、たて、もちあげ、よこ一、ノをつけ、フに、右ばらい」
 となっています。
 となっています。これも一画一角ですね。

 僕の場合は、坂を学ぶ前に、土と反を学ぶようにしています。

 そうすれば「土へんに反で坂になる」と覚えればいいので、簡単です。

 このように覚えれば、それぞれの部品の復習にもなります。
 学年の枠にとらわれなければ覚え方も楽になります。

共の間に、由を入れれば、黄になる
 「成り立ちの順に学べば漢字は楽しい(仮題)」を作っています。

 前の記事で書いたように、漢字の覚え方も考えています。その時には、その漢字がどんな部品でできているのかを考えます。

 先日、「黄」を見ていて、色々考えているうちに、この「黄」は、「共」の間に「由」を入れればいいということに気づきました。

 それで、次のような覚え方にしてみました。
 覚え方(共の間に、由を入れれば、黄になる)

 ただ、書き順が違ってくるので次のような注意も。
(書き順注意:共の上を書いたら由、そして最後にハ)


 成り立ちからみると、全く無関係ですが、このように覚えれば覚えやすいと思います。

 また、「弟」を見ていると、その中に「弓」が入っているのに気づきました。
 漢字辞典をみると、「弟」は、「弓の部」に入っています。
 知っている人にとっては、当たり前のことなのでしょうね。

 ぼくは、まったく別々に覚えていました。

 弟も弓も2年で学びます。だから、現在でも、弓→弟の順に学ぶことはできるでしょうが、教科書によっては、逆になっていることもあるでしょう。

 弟の中に、弓があることを教える先生は少ないのではないでしょうか。

 また、「希」をよく見てみると、メと布でできている、さらに、布を見てみると、「ノ 一 巾」でできていることがわかりました。少し考えればすぐに気づきそうですね。気づいている人も多いでしょう。
 ぼくは、なぜそのようなことに気づかなかったのか。

 希は4年、布は5年、巾は中学で学ぶのです。
 布、巾を学ぶ前に、希を学ばなければいけないのです。学校の先生は、
 「希は、メと布でできている」と教えることはできないのです。

 巾→布→希の順に学べば、楽に、楽しく学べると思います。

 その他、次のようなことも気づきました。

内に人を入れれば、肉になる。
日+木=果 → ツ+果=巣

  このように、漢字がどのようなものでできているのかを見つける作業は楽しいものです。

漢字を学ぶ前にカタカナを学ぶ
 「成り立ちに沿って学べば漢字は楽しい(仮題)」を作成しています。

さて、漢字を学ぶ前にカタカナを学んだ方がいいと思います。学校教育でもそうしていますね。

 成り立ちに沿ってということになると、漢字が先になります。
 カタカナは漢字の一部を取り出したものですから、漢字が先にできて、カタカナは後で出来たのです。

 でも、カタカナは漢字の一部分ですから、漢字を学ぶためにその部品を学ぶという意味で、カタカナを先に学ぶ価値は十分にあります。

 ということで、カタカナの学習から入ることにしました。

 ただ、通常行っているように、ア→イ→ウ→・・・・の順に学習する必要はないですね。

 カタカナの学習も、単純なものからそれを組み合わせた複雑な字の学習をするようにすれば学習をする者にとって楽で楽しく学習できるはずです。

 ぼくは、ノ→ニ→ナ→ソ・・・・という順で始めます。

カタカナの学習の原稿は一応出来上がりました 。
明日から数回にわたって、それのテキスト版をここにアップしようと思っています。
Copyright © セルフ塾のブログ. all rights reserved.