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客観的な世界と主観的な世界
 ぼくらの世界には,客観的な世界と主観的な世界があります。

 小学生の教科書に「ごんぎつね」が載っていますね。

 多くの人が知っているでしょうが,念のためにあらすじを

 ごんぎつねは,いたずらばかりしていました。
 ある日,ごんぎつねは,兵十(ひょうじゅう)のつかまえたさかなやうなぎを逃がします。
 十日ほどたったある日,兵十の母親の葬式に出合います。
 そこで,ごんぎつなは,あのうなぎは兵十が母親のためにとったもので,自分が逃がしたためにお母さんが亡くなったのだと反省します。
 ごんぎつねはつぐないとして兵十の家にくりや松茸を置くようになります。
 兵十は,それは神様があわれんでやったことだと思って,神様にお礼をします。
 またしばらくした日,ごんが家に入って行くのを兵十が見つけます。またいったずらだと思った兵十は,火縄銃でごんを撃ちます。

 兵十はかけよってきました。うちの中を見ると,土間にくりが固めて置いてあるのが目につきました。
「おや。」
と,兵十はびっくりして,ごんに目を落としました。
「ごん,お前だったのか。いつも,くりをくれたのは。」
 ごんは,ぐったりと目をつぶったまま,うなずきました。


 ちょっと長くなってしまいました。

 客観的世界と主観的世界の話です。

 客観的世界では,くりや松茸を持ってきたのはごんです。

 しかし,兵十はそれを知らない。だから,神様がやったのだろうと思う。これは主観的世界です。これはある意味でしようのないことです。客観的世界を知ることができないのですから,「~だろう」ということで世界を作り上げるしかないのです。

 ぼくらはどちらかと言えば,主観的世界の中で生きています。だから,兵十は神様にお礼を言ったのです。兵十にとってはくりをくれたのは神様なのですから,当然です。

 しかし,最後にごんがやったことだと知ります。つまり,ここで主観的世界が客観的世界と同じになったのです。一致したのです。

 これが認識できたということです。

 さて,神がいると思っている人がいます。またぼくのようにいないと思っている人がいます。これはどちらも主観的世界です。問題は客観的な世界には神がいるのか,いないのかですね。どちらかは主観的世界と客観的世界が一致しているが,一方は一致していない。

 これを考えるときにいつも思い出す歌謡曲の一節があります。西田佐知子の「東京ブルース(?)」です。古いですね。
 
 どうせ,私をだますなら, 死ぬまで,だまして欲しかった


 その女性はだまされていた。つまり,主観的世界と客観的世界が不一致だったのです。ある日,だまされていることに気づいた。一致したのです。

 しかし,それが一致したら不幸せが訪れたのです。

「知らない方がよかった」

 ぼくらは 主観的世界と客観的世界が一致する方向で普通努めますが,一致すれば幸せになるとは限りません

 ぼくは神はいないと思っている。しかし,いないと思った方が幸せかというとそうとも限らない。心の平安というのは,だまされていた方がいいということもあるからです。

 前に宗教の力はすごいと書きました。癌を宣告されても,平安を保てるひとがいる。これはすごいことだと思います。マザーテレサのような行いも宗教のなせるわざなのだろうな,とも思います。

マンガ仏教入門
 マンガとありますが,内容は深いです。マンガ気分で読むと読めない。

 仏教にも関心があります。仏教は派によってもかなりちがうのでしょうが,霊やあの世を信じません。

 しかし,仏陀は人間の苦しみと向かい合った。そしてそれから逃れることはできないが,解き放される方法を模索した。

 要するに,無常を知ることだと思います。いま幸せだとそれがずっと続くと思ってしまう。それは間違いだと悟る必要があるのですね。

 笑われそうですが

 ぼくはねこに教えられたところが大きい。
 ねこをこれまで何匹も飼ってきました。そして何匹も死んでしまいました。失踪もあります。

 最初のころ,猫白血病で死んだ猫(名前を「ねね」と言いました)をを看取ったときは,もう完全に打ちのめされました。苦しんで死んでいくのに,自分は何もしてあげることができない。大きな苦でした。

 その後もこの苦は続きました。

 しかし,そういうものだと悟らないといけない。生あるものは死ぬということを頭では十分に分かっているつもりでも,それを受け入れることができなかったのですね。

 仏教はそれを見つめるものなんですね。

 以下●は引用,( )はぼくの感想です。


●懐疑をもって世界を眺めることが仏教では重視される。

( 宗教というのは、「信じなさい」というものかと思っていたが、仏教では「懐疑をもって・・・」という。仏教はやはり宗教というより哲学かもしれない)


●世のいっさいは無常じゃ
永遠不滅の
時も事も物もない。
この無常を理解すれば,
永遠の自分もないこと
とこしえのものなど,
何もないことがわかる。
だからジタバタせず
変化に身をまかせることじゃ。
生まれる時は生まれ
老いる時は老い,
病むときは病み,
死ぬときは死ねばいい。
さすれば
生老病死の苦しみも
なくなるというもの。


( 変化に身をまかせることができればいいなあ,と思います。)


●火をもって金の純度を試すように、己の修行によって私の言葉の真偽を確かめなさい。
私を尊敬するあまり、教えを無条件に受け入れるな。

(自分の教えも無条件で受け入れるな、というのはなかなかなものである)

●真理は実践し、検証できるものだ。
その真理が正しいなら、実践によってただちに結果が得られよう。
不確かな来世を約束するような教えは、真理ではない、単なるペテンかもしれんぞ。

( マルクスの言葉かと間違えてしまいそう )

●人は自分の願望や利益を基準にして物事を見るが、世の中そう意のままになるものじゃない。そこで苦しみが生まれるんだな。
 「我」という意識がある限り、苦しみはコバンザメのようについて回るぞ。

( 意のままにならないということを悟らなければならないなあ )

シャイピング
 行動分析での「強化」については,一応説明は終わりです。

 少し,発展段階に進みます。

 まずは,「シャイピング」。シェイプshapeというのは「形」ですね。shaping で「形作る」という意味でしょう。

 シェイピングというのは,それまでない行動を作り上げることです。

 子どもにある行動をさせたい。例えば子どもが遅刻しないように来るようにしたい。その行動をしたらプラスの強化子を与えて,その行動が今後もよく起こるようにする。こういうのを強化と言いました。

 しかし,毎日遅刻していたら強化しようもないですね。

 そのときには,現在平均何分の遅刻かを調べます。平均で30分の遅刻とします。

 しかし,毎日同じように遅刻するわけではない。たまには25分の遅刻で来ることもある。そのときにほめてあげるのです。

 それが効果があると,平均25分の遅刻になる。そのころには20分の遅刻というのもある。次は20分以内の遅刻をほめるのです。

 このようにして,基準を徐々にあげていく。すると遅刻しないで時間前に来るという行動もそのうちにはでてきます。それをほめていけばいいですね。

 このように本来の目標はここだけど,それは今無理だ,というときは,今できるところを目標にする。そして目標を徐々に上げていって,本来の目標に到達するようにする。それをシェイピングというのです。

 英検の合格点が60点だとします。しかし,40点しかとれない。まず,45点を目標にしよう。45点はとれるようになったら50点だ,というようにします。

 最初から手の届かない高い目標だとやる気が出ないですね。

カウンセリングは阿片だ
 マルクスの「宗教は阿片」ということについて,少し。

 マルクスの言いたかったことですが,

 「カウンセリングは阿片だ」ということと同じだと思います。

 マルクスはご存知のように,資本主義とは何か,を研究しました。そして労働者が団結して,社会の悪いところを直そうとしたのですね。

 例えば,不登校の原因が学校側にあるとします。担任の教師がからかう,クラスメートによるいじめがある,などなど。また,授業の進みが早すぎて落ちこぼされたということもあるでしょう。分かる授業が行われていない。

 こういう場合,子どもの問題というよりも,問題は外にあります。そういう場合は,外にある悪いところを直さなければいけません。

 しかし,カウンセリングに行くと,そういうところを直すのではなく,心の問題としてとらえる。心の持ち方を変えればいいのです,のようになる。子どもの心を変えることに主眼が置かれる。(極端な例で書いています。そうでないカウンセラーもいることは知っています)

 それでいいのかです。問題は内にあるのではなく,外にある。外にある悪いところを直すのが必要なのではないか。考え方だけを変えて問題を解決できるか,です。

 環境を変えようとするのではなく,環境に順応することだけを考えるというようなものです

 マルクスは社会を変えようよ,と言っているのに,宗教では,その解決は心の持ち方でできますよ,と言う。そこで「宗教は阿片だ」となったのだと思います。

 派遣労働者の問題,格差の問題,後期高齢者の問題,
 それを変えるのではなく,そういうものだと悟りなさいという方向に持っていく。そういう宗教でいいのか,ということだと思います。

 ただ,いまミャンマーやチベットなどでは宗教家が社会変革のために行動していますね。心だけの問題とはしていない。
 環境を変えながら,心の持ち方を考える宗教もあると思います。

 少し話題からそれてしまいました。

 ただ,不登校の問題だけでなく,教育においての問題でも,心の内の問題だけでなく,外の問題もある,両方から考えていかなければならないということを言いたくて書いてみました。

学力の高い子は先に先に
 その子の力に応じた学習ができるというのがセルフラーニングのいいところです。

 これまで学力の低い子のセルフラーニングについては,以下のページで書きました。

うれしかったHくんの合格
http://selfyoji.blog28.fc2.com/blog-entry-262.html

Hくん,Tくんの漢字検定合格
http://selfyoji.blog28.fc2.com/blog-entry-171.html

大人を試す子ども
http://selfyoji.blog28.fc2.com/blog-entry-252.html

 今回は,学力の高い生徒にとってもセルフラーニングはいいということを書きます。

 Y仁くんは,いま中学3年生です。
 彼が入塾したのは小学6年のとき。学習の進みがよかったので,英語の学習も入れました。もちろん「プログラム学習英語」です。漢字,算数,国語など決められた課題を終わった日は英語の学習もします。

 Y仁くんは,毎日のように英語の学習まで進んでいました。そして,中学に上がるころには「英語中1レベル」11章のうち8章くらいまで進んでいました。そして順調に進み,中学2年の後半には,プログラム学習英語中3を終わりました。

 その後,問題集{文英堂の「 くわしい英語ステップアップ問題集 (中学3年) (シグマベスト) 」}で力をつけていきます。

 このように,できる子は学年にとらわれず,どんどん先に進んで力をつけることができるのです。

 Y仁くんは,2年のときに英検3級(中学卒程度)に合格しました。この6月の英検では準2級に挑戦です。

 セルフ塾では,ふだんは「プログラム学習英語」できちんとした英語力をつけ,英検の2週間前から英検対策として過去問題をやらせます。

 しかし,Y仁くんはもう「プログラム学習英語」はすべてすませています。英検1ヶ月ほど前に彼が今度準2級を受ける,とぼくに知らせたとき,ぼくはすぐに過去問題をやろうと提案しました。問題集を買い(お金はお母さんが),通常の英語の時間はそれに当てました。

 学習が進んでいると,このようなこともできるのです。

 なお,昨日彼から聞いたのですが,今夏米国へホームステイに行くことになったそうです。それについては次に書きます。

叱り方のポイント
叱るときのポイントを書き並べてみます。思いつくままに書き出しました。重要度の順ではないです。

1,できるだけ問題の行動が起こった直後に叱ります。マシュマロ実験では,プラス強化子の場合と同じです。すぐの方が効果は大きいです。

2,問題行動が起こるたびに叱る。連続強化の方が効果はありました。叱るときもそうです。ある時は叱り,また別のときは叱らないということどと,子どもはどのように行動すればいいか,分からなくなります。

3,行動を叱るのであって,人格を叱ってはいけない。
前にセルフ塾の例だと「○○くんに考えさせているのに,あなたがその答えを言ってはいけない」というようにします。
 「あなたは出しゃばりなんだから」と言ってはいけません。

4,他人と比較して叱らない。「Aくんはこんなことやらないよ」

5,叱るときはきびしく叱る。おだやかに叱っていると,それに慣れてきます。

6,自分の責任で叱る。「お父さんに叱られるよ」としてはいけないということです。

7,叱る理由をちゃんと説明します。「あなたが答えを教えたら,○○くんは自分で考える機会をなくし,この問題を理解できないままになってしまうでしょう」

8,1で説明したように直後に叱った方がいいです。しかし,直後に叱れないこともあります。そういった場合は,やったときのことをできるだけイメージできるようにしてから叱ります。

9,叱るときは短めに。長々と説教してはいけません。ポイントをしぼって叱り,それで終わりにします。

10,叱りながら過去のことを持ち出さない。「あなたはあのときもこうだったでしょう。」

11,叱ってあとで,そのことについて謝らない。叱ってあと,子どもがしょんぼりしていると「ごめんね,叱って」などと言ってはいけません。ただし,自分が叱ったことが明らかに間違えている場合は,素直に謝ります。

12,いったん叱ったら,その後はそれについてふれない。いつまでもぐずぐず言うのはよくありません。

13,叱ったこととは関係のないことに関し,できるだけほめるように努める。1叱ったら9ほめる。その場合,お母さんは叱って後悔しているから,ほめているんだと思われないように。

(書き忘れていないかな。もし,思い出したらまた書きますね)

叱られなかった子は,叱れない大人に
 あくまで仮説ですが,

 叱られないで育った人は,大きくなって指導する立場に立ったときに叱ることができないのではないか。
 前にも書きましたが,ぼくも雷を落とすことがあります。ただ,ぼくが雷を落とす子は限られています。
 80対20の法則というのがありますね。このコミュでも取り上げたことがあります。
 今の例でいけば,
 ぼくの落とした雷の80%は20%の子どもに集中しているというものです。

 残りの80%には,ほとんど雷を落としていない。

 ほとんどの子はぼくが軽く注意するだけで,行動を改めているはずです。その子らは,他人が叱られるのを見て,それだけで学習しているので,そのような問題行動はしないことの方が多い(モデリング)。

 ちょっと長くなりましたが,このようにして,親からも先生からも叱られないで育った子が多くなっています

 ぼくの子どものころは,叱らないでほめて育てましょうという啓蒙はほとんどなされていなかったので,子どもを叱る親は多かったと思います。体罰もそうです。

 このことは基本的にいいことだと思います。

 ただ,叱られることのなかった子は大きくなっても,叱るということは恐ろしいことだと思っています。自分が叱られることをとても恐怖に思っています。すると,自分が指導する立場になったとき,ある子を叱ると,その子はとても恐怖を感じるのではないか,と思います。そのような恐怖に自分はとても耐えられない。この子もそうだろう。だからその子を叱ることができない。

 このように考えて,

 叱られないで育った人は,大きくなって指導する立場に立ったときに叱ることができないのではないか

 という仮説にいたったのです。再度いいます。あくまで仮説です。

 自分の子どもの場合はそれほど問題ではないかもしれません。小さいころから見ているので,叱らないでも育てられるかもしれません。

 しかし,学校や塾,そして家庭教師として他人の子をみたとき,叱らないといけないこともあります。毅然とした態度をとることも必要です。そのときに叱ることができないで学級崩壊ということになりはしないか,というのを懸念するのです。叱らないで,その子たちを導くことができればすばらしいです。ぼくにはなかなかできない。

 叱られないで育って,いま大人になり,指導者になろうとする方へ,
 悪いことをした子を叱りきれるか,または叱らないで導くことが本当にできるか,自問して欲しいのです。

モチベーションを上げる方法
mixi の「子どもの自学。」のコミュで,

学習へのモチベーションを上げる方法。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=32077266&comm_id=3430761

 というトピが立ち上げられたので,次のようなコメントを書き込みました。


KIRIKOさん,ぼくのコメントを引用していただき,ありがとうございます。

 きのう,このトピを見ました。ぼくの関心のあるところで,これまでいろいろ考えてきた課題です。

 ただ,大きな問題でひと言で語れるものではありません。どう書こうかなと考えていたところです。

1,まず,勉強っておもしろい,と感じるようにしたいですね。人間は本来好奇心を持っています。それを刺激するような課題を与えると,やる気がでるはずです。おもしろいのは,自分が全力をあげて取り組みその結果やり遂げることのできる程度の課題です。簡単すぎるのも難しすぎるのもおもしろくない。

2,1と大きな関わりがありますが,分かるようにする,ということです。分からなければおもしろくありません。分かるようになるとおもしろくてやる気になります。

 だから,ただ暗記をさせるというのではなく,理解して解けるようにする。その子のレベルにあわせた課題も大切です。そのためにこのコミュのように「子どもの自学」が必要になります。自学ですから,他人と同じ課題をする必要はありません。
 その子が求めているものをする→すると分かるようになる → おもしろくなる → やる気になる。という図式ですね。

3,テクニックとしては,ノルマ制というのもあります。
 勉強の量を時間ではなく,課題の量で決めるのです。きょうは算数2ページ,国語2ページ,そして漢字の練習(具体的にきめる)をやれば終わって遊んでもいいよ,という感じですね。
 時間で決めると,なんとなく座っていても終わる。また一所懸命やっても目の前は特にいいことはない。
 それに対してノルマ制だと,これだけやれば遊べるんだと張り切ってやります。

セルフ塾のブログ(セルフ塾のノルマ制)
http://selfyoji.blog28.fc2.com/blog-entry-102.html

4,積極的にすすめるわけではありません,できたら避けたいのですが,勉強をとてもいやがる子は,物でつります
 物でつるときは注意が必要です。絶対に先に物をあげてはいけません。それから,ポイント制にしたらいいですね。長くなるので,詳しくは
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=30656790&comm_id=1037793 の60,61 に書き込んだぼくのコメントを。

5, また,一科目だけ決めて学校の授業を理解できて,定期テストの点数をあげるというのもいいです。学校の授業が理解できる,テストの点数があがったというのは,とてもやる気にむすびつきます。点数主義というより,子どものやる気を出すために点数を上げるということです。その一科目は数学がいいです。

6, ほめるということです。ちょっとしたことでほめる。できるだけほめるように努めます。

一応以上。いろいろ手はあると思います。

薔薇100回の罰
 ついでにもうひとつの罰。

 セルフ塾では,ぼくやKyokoの机の前には,数人の生徒が並ぶことがよくあります。習っている子や印鑑をもらいに来た子など。

 教えるときには,できるだけその子が考えるような質問をします。
「はい,ルート9はいくら?」など

 すると,隣に立っている子が答えを言うことがよくあるのです。分かっていることは口から出てくるのでしょうね。

 これは取り締まらないといけない。横から答えを言ってしまったら,その子に考えさせることにはなりません。

 そういう時は難しい熟語を何回も書かせるのです。「はい,答えを言ったから,『麒麟』を100回」と言って。麒麟を100回はかなりきびしいです。生徒はふうふう言いながらノートいっぱいに書いて持ってきます。

 麒麟のほかに,蝙蝠,薔薇などです。 

恐怖の窓掃除
 セルフ塾名物の「恐怖の窓掃除」を紹介します。

 セルフ塾では,毎年卒業前に作文を書かせます。入試対策でもあるのですが,生徒の感想も知りたいものですから。

 その中に,必ず「窓掃除」が出てきます。

 タイムカードなどの押し忘れや遅刻届の未提出など,決められたことをやらない場合は,窓掃除の罰が待っているのです。

 セルフ塾には,窓がたくさんあります。
 動画をご覧ください。窓がたくさんあるのが分かります。
http://selfyoji.blog28.fc2.com/blog-entry-284.html

 セルフ塾では,出席はとらず,生徒がタイムカードを押しています。中学部は来たとき,帰るときの二回。それが記録になります。しかし,押し忘れると出欠が分からなくなり,困るのです。タイムカードは毎月ニュースレターといっしょに保護者に送ります。生徒の出欠状況,遅刻状況が一目瞭然です。
 
 それを毎日忘れずに押して欲しいというだけです。でも,忘れる人が多い。だから罰を設けたのです。

 そのきっかけは,故意に押さない生徒がいたからです。

 もうだいぶ前です。大幅に遅刻してきた生徒が友人に話しているのが聞こえました。
「遅刻したときは,タイムカード押さない方がいいよ。遅刻の記録が残らないから,お母さんにばれない。後で押し忘れましたって言えばいいんだ」

 こういうこともあるんですね。それで,罰導入へ。

 ちょっと舞台裏を。これは卒業生には読まれたくないのですが。
 塾の掃除はパートでお願いしています。床やトイレ,塾舎まわりなど。でも,窓の掃除や扇風機の掃除まではなかなか手が回らない。それで,罰として生徒にやってもらおうか,というところもあります。

 これは妻Kyokoが担当しています。Kyokoはかなりきびしい。生徒が「掃除終わりました。チェックして」と来ると,チェックに行くのですが,細かいところを懐中電灯で照らしながら見て,わずかなほこりも見逃しません。
「ほら,ここ。こんなに汚れているじゃない。不合格」でやり直しです。

 彼女のきびしさを見ているとぼくも冷や冷や。こんなにきびしくして,みんながやめていったらどうする。

 生徒は,ぼくが甘いと思っているようで,「Yojiさんがチェックして」と来ますが,「これはKyokoさんの係り」と言って逃げています。

テスト対策学習に励む
 定期テスト(期末テスト)の時期になりました(中学生の部)。セルフ塾でも,テスト対策の学習を行っています。

 セルフ塾では,ふだんは本物の学力をつけるための学習をやっていて,特に学校のテストを意識していません。

 しかし,定期テスト前になるとやはりテスト対策が必要です。セルフ塾では,テストのおよそ2週間(中間テストのない学校では,期末テスト前,約3週間)はテスト対策を行います。

 ふだん使っている教材ではなく,最初は教科書準拠の問題集(育伸社「iワーク」)をやっています。

 テスト直前には,学校でプリントが配布されたりするので,それをやります。

 また,テスト直前の土曜日,日曜日(または祝祭日)の2日間はテスト勉強を行い,全部の学校のテストが終わってから,テスト勉強の代休をとります。

 今回のテスト勉強は
 読谷中・・・きょう14日(土)と15日(日)午後3持~6時
 古堅中・・・21日(土)と22日(日)午前10時~午後1時

 今回のテスト勉強代休は,すべての学校の期末テストが終わってからで,今回は,6月30日(月)と7月1日(火)の予定です。

もてないと思っている人はもてない,もてると思っているひとがもてる
「秋葉原通り魔事件」と無視することについて書きましたが,あの掲示板の書き込みを見て感じたことがあります。

[2094] 06/03 06:03 彼女なんか絶対できないのに

[2114] 06/03 16:02 不細工な俺がそんな風に思われるわけないもの

 のような書き込みです。 「不細工」,「彼女ができない」というのが繰り返し出てきます。

野口悠紀雄著「『超』発想法」 に書かれていたのですが,

創造力のある人とない人の差は,
創造力があると思っている人は創造力があり,
創造力がないと思っている人はない,というものだったそうです。

 創造力について詳しくは後でまた書きます。

 ここで言いたいのは,

もてないと思っている人はもてない,もてると思っているひとがもてる

 ということです。

 イケメンか不細工か,ねあかかねくらか,も関係するでしょうが,それよりも

「もてないと思っている人はもてない,もてると思っているひとがもてる」

 が大きいというのがぼくの仮説です。

 なぜか,

 もてないと思っている男は,どうせ俺はもてないのだからと,女の子に近づこうとしません。はい,これでもう終わりです。

 よっぽどのイケメンでないかぎり女の方からはやってきません。
 だから、もてるはずがないのです。

 一方、もてる男は、女に近づきます。自分はもてるという自信があるので、気軽に話しかける。そこでもう一歩リードです。

 そこでふられるかも知れません。しかし、そこで負けずに「おれは本当はもてるんだ」と思い続けることができれば、そのふられたという経験は生きてきます。

 彼女の場合は、こうしたからだめなんだな。次はこの手でいこう、と。

 もてると思っている人は身なりにも気をつけます。もてるためにどうすればいいのかもいろいろ考え、研究します。
 一番の差は、女の子に近づいていくかどうかですね。


 女の子も場合もそうです。よっぽどの美人ならだまっていても男はやってきます。しかし、やはり気軽に男に近づく子の方がもてると思うのですね。


 さあ、この仮説、どうでしょうか。ぼくは正しいと思っています。

 ぼくも若いころはもてないと思っていたので、もてませんでした。仮説の正しさの例1です。 

罰の利点
 前回は,マイナス強化(罰)の欠点について書きました。

 だから,罰は使うなという人もいます。なお,ここでいう罰は体罰というより,叱ったり,つらい仕事をさせるようなことです。セルフ塾では,罰として窓掃除などをさせています。

 罰を使わないであらゆる人を動かすのはかなり難しいです。ほとんどの生徒は 罰もなしでこちらの言うとおり素直に動いてくれます。知らずに悪いことをしたときは,静かになぜ悪いのかを話すだけで次からは自分でそういうことをしないようにします。

 でも,そうでない子もいます。

 罰は,やってはいけない行動とやっていい行動を,その子に分かりやすく伝えてくれます。

 両立しない行動をほめて伸ばすということも前に書きました。それでうまくいけばそれでいいです。しかし,それだけだと子どもにとって分かりにくいこともあります。

 悪口を言う,ことを減らしたいとします。

 両立しない行動は,仲良くあそんでいる,いやがることを言わず,よろこぶことを言っている,でしょう。それをほめることによって,悪口をいう行動はたしかに少なくなるでしょう。完全になくなるかもしれません。しかし,中にはそれがはっきり分からないことがあります。

 そういうときは,悪口を言ったときには叱る,仲良く遊んでいるときはほめるということで,はっきりとすれば,子どもにとっても,こういうことはしていい,こういうことはしていけないということが学習しやすいのです。

 だから,悪い行動に対してはきちんと叱るなりの罰を与えることも大切だと思います。

 ただ,罰の欠点で述べたことに注意し,ほめることを中心にするということを心がけなければなりません。

 9つほめて1叱る,または,8つほめて2叱る, それくらいの割合で叱る(罰)ということによって罰の欠点はかなり薄まると思われます。

不定詞と動名詞
mixi で「不定詞と動名詞」違いについて質問があったので,次のように回答しました。

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=31980063&comment_count=12&comm_id=421789


 これまでの説明とだぶるところがありますが,微妙に異なるところもあるので,ぼくの説明を書きます。

 前置詞の to は「目標点・到達点」を表します。

 I go to school. は「私は行く,目標点は,学校」 です。

 不定詞の to も基本は同じです。つまり,「目標点・到達点」です。

 だから,I like to swim. は,私は好きです,目標点は泳ぐこと。

 目標点だから,どちらかといえばこれからというニュアンスがあります。だから,みなさんが書いている,未来志向です。

 I like to swim. は,これから泳ぎたいという感じが入っています。


 それに対して ing は進行を表し,~している状態 です。

 I am swimming. は「私は泳いでいる状態にある」とい意味になります。

 動名詞も同じです。

 だから,I like swimming. は,「私は泳いでいる状態が好きです」となります。

 だから,趣味は水泳というニュアンスが入ります。

 I want to swim. は,私は欲する,何を欲するかの目標は泳ぐこと
 I hope to swim. は,私は望む,何を望むかの目標点は泳ぐこと
 という感じで,不定詞を目的語にとります。

 それに対して,enjoy , stop などは,~している状態を楽しむ,~している状態をやめる,ということで動名詞を目的語にとります。

 動名詞と現在分詞のちがいは意味というよりも働きです。動名詞は名詞として,現在分詞は形容詞として働くという違いです。

やさしい国語読解力



 やさしい国語読解力

 やさしいとは,優しい,そして易しい ということらしい。

 たしかに「やさしい」本です。とても読みやすい。中学生でもすらすら読めるでしょう。

 どのくらい読みやすいか,p78~79 にかけて,コピーしてみます。


主観客観いつしょじゃアカン!
主観と客観の区別

  主観的、客観的という言葉を聞いたことがあるかい?実はこれらは学校で教えなければいけないことの中には入っていない。だから知らない人が多くてもそれは仕方がないこと。だけど、このニつの区別ができないで文章を読むのはほとんど不可能に近い。というか、読むことはできても正しく読み取ることができない。それだけでなく、普段の生活にも大きく影響してくる。いわゆる「アタマのいい人」つていうのは、実はこの主観と客観 の区別が上手にできている人だと言ってもいい。今回はその主観と客観がどういう意味なのかをマスターし、何が主観的で何が客観的なのかの区別かつけられるようにしよう。

 1953年のアメ]力映画『ローマの休日』は半世紀以上前の白黒映画にもかかわらず,いまだに民放地上波の洋画劇場で放送されるほど人気が高い作品。この映画で主演のオードリー・ヘップバーンはアカデミー賞の主演女優賞を獲得した。ところで彼女が主演女優員を獲得したというのは,誰がなんといおうが事実。こういうことを客観的という。つまり誰から見ても事実として認められるもの。それに対して、そのオードリーの演技が本当にうまかったのか、賞に値するものだったのか、これは人によって意見が分かれるだろう。ある人の演技をうまいと思うかそうでないと思うかは人それぞれ。こういうのを主観的という。

 つまり客観的とは誰が見ても同じように判断するようなこと。それに対して主観的とは人それぞれで感想が違うようなことをいう。

(以下,略)

 どうですか。読みやすいでしょう。

 そして,内容的にも的を射ています。とてもよくまとまっています。

 ただ,これで中学生の読解力が高まるかというとなかなかでしょう。問題をさせなければなりません。これにそって問題集を作ると,いい問題集ができそうだな,と思います。やってみようかな。

「秋葉原通り魔事件と「無視する」
 前に「無視する」ということを書きました。
http://selfyoji.blog28.fc2.com/blog-entry-310.html無視するというのはかなり大きな力を持つこと,無視するときは,それ以外の行動をするときに十分その子を認めることが大切です。ということも書いたと思います。

 さて,秋葉原通り魔事件の犯人は,無視されているということをかなり気にしていたとテレビで放映されていました。
 そこで,webで調べたら彼が書き込んだ掲示板のコピーが出てきました。その中から,無視される,ひとりぼっちということがかなりこたえていることが分かったので,抜粋して載せます。
 以下,ずっとこの調子で続くので,切り上げました。

 この抜粋から,無視するということは,かなり大きな力を持つことを知って欲しいです。

http://d.hatena.ne.jp/ukpara/20080609

■携帯掲示板への書き込み:6月3~8日(犯行当日) 01:17
「秋葉原通り魔事件 - 閾ペディアことのは」

[2094]  06/03 06:03  彼女なんか絶対できないのに

[2102]  06/03 10:45  どうせ一人だし

[2103]  06/03 10:45  ネットですら無視されるし

[2108]  06/03 13:29  いつまでたっても一人

[2124]  06/03 16:54  駅にぬこがいた  無視された  俺だけ

[2141]  06/03 17:33  歩くの辛い  俺だけ一人

[2149]  06/03 17:53  ただいま、と、誰もいない部屋に向かって言ってみる

[2150]  06/03 17:56  虚しいだけ

[2154]  06/03 18:07  一人の食事ほど虚しいものはない

[2155]  06/03 18:12  ていうか、一人は虚しい

[2160]  06/03 18:20  これを書けば人気者になれるかと思ったら、そんなことはないみたいね

[2176]  06/03 18:50  寂しさが際立つだけ

[2183]  06/03 18:55  みんな俺を避けてる

[2184]  06/03 18:56  避けてるんじゃないのか、優先順位があとなだけなんだよね

[2185]  06/03 18:57  お前らの中で俺の順番がずっと来ないだけなんだよね

[2186]  06/03 18:58  他の人がどんどん割り込むから一生俺の順番が来ないだけなんだよね

[2213]  06/04 00:53  一人で寝る寂しさはお前らにはわからないだろうな

[2218]  06/04 00:58  俺がなにか事件を起こしたら、みんな「まさかあいつが」って言うんだろ

[2226]  06/04 01:05  こうやってイライラしてるから猫も寄ってこなかったんだろうか

[2227]  06/04 01:06  人も寄ってくるわけないか

[2228]  06/04 01:07  現実でも一人  ネットでも一人

[2236]  06/04 01:41  どうしてみんなが俺を無視するのか真剣に考えてみる

[2268]  06/04 10:46  俺にとってたった一人の大事な友達でも、相手なとっては100番目のどうでもいい友達なんだろうね  その意識のズレは不幸な結末になるだけ

[2280]  06/04 15:49  相変わらず一人

[2281]  06/04 15:49  ひとりぼっち

[2282]  06/04 15:50  誰もいない

[2287]  06/04 15:53  この先も現れない  一生無視される  不細工だもの

[2288]  06/04 15:53  俺以外にこんな奴はいない  だから誰にも理解されない

[2289]  06/04 15:54  いつまでたってもひとりぼっち

[2301]  06/04 16:30  今日も一人寂しく飲もう

[2337]  06/04 17:52  どうして俺だけ一人なんだろ

[2340]  06/04 18:01  みんな裏切る  結局一人にされる

[2356]  06/04 19:51  なんで一人なんだろ

[2362]  06/04 20:06 友達ほしい

マイナスの強化(罰)
 マイナスの強化(罰)について書きます。

 マイナスの強化は,ある行動をしたときに,それを今後はやって欲しくない。そういうときにやりますね。たいていは,叱る,罰するということになります。

 行動分析学者のスキナーはマイナスの強化は使わないことを勧めています。でも,ぼくは,マイナスの強化が必要なときもあると思っています。実際,塾では罰もします。

 ただ,スキナーが指摘するように,マイナスの強化には,プラスの強化にはない欠点があります。それは一応おさえたほうがいいでしょう。

 まず,罰をする人を恐れるようになります。できるだけ近づかないようになるでしょう。心を開いて話をしません。

 ぼくは父親によく殴られました。だからよく分かります。できるだけ父親の近くにいたくない。できれば顔を合わせたくないと思っていました。あのころは体罰は当たり前だったのでしょうが。

 罰で行動がなくなるのであれば,まだいいのですが,隠れてするようになります。
 罰されるのは分かっていても,ばれなければいいじゃないか,と思うのですね。

 だから,先生の見えないところでいじめを行う。店員に気づかれないように万引きを行う。大人のいないところでたばこを吸う。例はつきません。
 分からないように隠れてやる行動に罰を与えることは無理です。だからそれを減らすことはできません。

 罰には慣れがあります。叱られる子はよく叱られます。叱られるのに慣れているのです。叱られても効果がない。ようするに親は罰のつもりで叱っているが,マイナスの強化子として働いていないのです。

 殴られるのも慣れてきます。

 妻の話です。
 Wくんの勉強態度が悪いので,決められた課題をきちんと終わらないと夜中まで残してさせることにしたそうです。すると,Wくんは言いました。
 「Kyokoさん,ぼくを殴って終わりにして」
 妻はこう答えました。
 「私の仕事はあなたを殴ることではない。あなたに勉強をさせることだ。つべこべ言わずにやりなさい」

 殴られてきた子は,殴られても平気なのです。

 恐怖政治は罰によって国民を統制しようとするものですね。ソ連,ナチスドイツ,戦前の日本などです。いまのミャンマーもそうでしょうか。
 国家に反対を言う人たちを厳罰に処する。それによって自分らの思うように国民を動かそうとするのです。

ピンポンダッシュ
 一昨日の夜。
 塾の学習時間。生徒に教えているときに,玄関で迎えを待っていた女生徒が緊張した面もちでやってきました。
 「英語を話す人が来ている。私は話せないから来て」
 行ってみると,隣に住むアメリカ人(アジア系)が立っています。
 沖縄では,民間地に住宅を建てて米軍基地に勤務する人に貸しています。この隣人とは顔なじみです。

 「Yoji, あなたの生徒だと思うが,うちのドアベルを押して,逃げていった。ぼくは二階から見ていた」
 わあ,大変。たぶんうちの子です。そういういたずらをやりそうな子はたくさんいます。
 「sorry。 たぶんうちの子です」

 彼はきびしくとがめる様子はなく,笑顔だったので,少しほっと。

 こういうのは,だれがやったのかを見つけるのは不可能だよな,生徒にいっても自分から白状しないだろうし,などと思いながら,教室に。

 玄関に座っていた子に,冗談で
「あんたがやったのか?」
「えっ,何を?」
 ぼくは説明します。

 すると,「それなら,○○と△△だよ。さっき逃げていきよったから」

 ぼくは,すぐに二人と彼の友人を呼びました。1年生男子です。彼らならやりそう。
 できるだけ静かに。
 「さっき,こういうことで隣の人が来たが,あなたたちか?」
 はっきり,認めるわけではないが,否定もしません。彼らがやったことに間違いありません。その場は,軽く注意をしただけに。

 考えた上で,やはり謝りに行かなければならないな,と思いました。

 それで,翌日(きのう)彼らに言わせる謝罪文を英文で作りました。米国留学経験者のセルフ塾卒業生でいま塾で学習援助者をしている子にメールで相談しながら。
 「we are sorry. We won't do it again.」

 家の事情があったようで,昨夜△△くんが来たのは9時5分前。少し遅いな,とは思ったのですが,謝りに行くのは早いほうがいいと思い,練習を少ししてから出かけました。

 チャイムを押すと隣人が出てきました。
「あれをやったのは,彼らです。謝ってもらいたくて連れてきました。」

 十分に練習していなかったので,ばらばらとぎれとぎれですが,
 「ウィアーソーリー,ウィオウントドゥーイトゥアゲイン」

 彼はにこにこ笑いながら「Understand」と言ってくれました。

 一応,一件落着。でも,また似たようなことが起こらないか・・・・

スピリチュアル・ブームを嘆く
 ぼくは,霊や前世,死後の世界,占いなど,まったく信じていません。
 最近のスピリチュアル・ブームを嘆いています。

 アメリカでは,進化論を教えることすらできない州があるそうです。今後の日本がそのような道を歩むのではないかと心配です。

 ブームは,番組で言われているように,社会不安の現れかもしれません。しかし,テレビの影響も大きいのではないでしょうか。
 テレビはおもしろくなければ視聴率が上がらない。だから,霊などを取り上げた方が視聴率があがる。ということで,そのような番組が増える。

 また,教育の影響も大きいのではないでしょうか。それでここで取り上げているのですが。
 中学では進化を習わなくなりました。科学がおろそかにされています。高校で物理,化学を学ばない生徒もいます。科学的思考ができない人が多くなっているのではないでしょうか。

 若い子と話をすると,そういうのを信じている人がかなり多いです。はっきりいって嘆かわしいです。もっと科学的な考えのできる子を育てなければいけないと思いますね。



過熱するスピリチュアル・ブーム
 NHKクローズアップ現代
 2008年6月10日(火)の放送
「過熱するスピリチュアル・ブーム」のメモです。
http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei.html

 スピリチュアルブーム

 仕事や私生活で占いに頼る人々が増えてきている

 
 運気があがるという天然石をつけて出勤

 仕事の相談は上司ではなく占い師
「いつ会社が駄目になるかわからない、占い師を信頼している

 占い、霊視といったスピリチュアルなものに頼る人が急増

 指南書は700万部をこえるベストセラーに
 大人向けの携帯占いサイトは会員300万人

 不安と孤独を解消するような受け皿として占いやヒーリングが登場

 不安をあおられ高額な商品を売りつけられたと被害を訴えるのも増えている

 スピリチュアルとは、精神的な、 霊的なという意味
 宗教は信じないが、前世や霊は信じる人々が
 霊視や占いで不安を和らげてもらったり、
 恋愛や仕事などのアドバイスを受ける 

 市場規模は1兆円
 7割の人がスピリチュアルなものを利用すると答えている

 女性の3人に1人、男性の4人に1人が利用
 10代、20代だった利用者層が30代、40代に広がっている
 目に見えないものにいやしや救いを求める人々の増加
 その背景には、成果主義、競争の激化、格差、社会のひずみが表面化していることで人々の不安が強まっている
 

 都内で契約社員として働くAさん(女性)
 仕事を終わるとスピリチュアルカウンセラーのところへ
 手をかざされると不安がなくなる。軽くなる。
 7年前、キャリアウーマンを目指して上京、就職氷河期、派遣の仕事を転々
 不安をかかえていった
 テレビや雑誌で見た、占い師に相談を持ちかけるようになる
 親にも友達にも相談しない
 なりたい自分になれるという
 90分で1万7000円、
 不安が取り除けるなら高額でもかまわない
 占いってとりあえず何とかなりそうな
 

スピリチュアルに
 30代の男性にも広がる
 電話占い会社
 電話で占ってくれる、手軽さが人気
 30代の男性から相談が殺到
 
 相談者 IT企業課長(30代)
 解雇されかねないと不安を訴える
 将来を占い師がカードで占う
 占い会社に寄せられる相談は月1000件
 多くが成果主義に疲れた管理職
 

 最近、目立ちはじめているのが企業の経営者たち
 セミナーでは、ヒーラーという講師
 参加者に、オーラや宇宙の法則などを経営に取り入れるべきだと訴えていた
 セミナーは全国各地で、経営者が参加

 ベンチャー企業の経営者
 事業につまずき、占いに関心
 投資のタイミングや人事異動など重要な決定を、占い師やヒーラーにアドバイスを求める

 過酷な競争社会、癒しを求める

 
 精神科医 立教大学教授香山リカ

 きびしい成果主義さらされる、
 失敗すればだれも助けてくれない
 不安をかかえている
 自分らしさ、自己実現、成長に大きなこだわり、
 ふつうでは平凡すぎ、輝きたいというあせり
 これでいいんだろうかという気持ち
 それがスピリチュアルにはまっている
 占い師やヒーラーは
 あなたには無限の可能性があると肯定感を与える
 いま不本意な理不尽な状況にあるのは、けっして才能や努力のせいではなく前世、オーラ、宿命のせいで、あなた以外のところに責任があるという物語を作る
 それを聞いてちょっと楽になる。
 簡単なアドバイスをくれる
 相談する相手がない
 同僚もライバルで自分の弱みをみせることができない
 本音を言えない。
 病院にいっても医者は体や数値だけをみる。
 自分全体を見てくれる人がいない中で、
 相談できる相手はヒーラーだけ
 
 ちょっと前までは霊といえば、うたがわしく

 なりたい自分になるという現実的欲望
 以前は物質的なものは否定して、精神的なものを追求していた
 最近はお金、恋愛、出世といった現実的なものを受け入れる、新しいスピリチュアルブームの特徴

(クローズアップ現代のつづき)
 霊感、海運小方の相談、3062件

 去年12月強制捜査を受けた会社
 ヒーリングをおこなtっていた会社
 高額な商品を売りつける。


 Bさんも被害(女性:40代)のケース
 10万500円の書
 お水、2リットル6000円
 総額285万円を支払う
 何の疑いもなく10万円
 最初は、3000円で心も体もいやされるサロン
 続ければ幸運が
 ヒーリングを受けると運が開けると言われる
 数ヵ月後、強い霊感を持つという女性が現れ事態は一転する
 その女性は、あなたの病気は家系に受け継がれた大きな重みが原因。強いヒーリングを受けない限り災いから一生逃れられないといった
 Bさんは女性に勧められるままに高額なヒーリングを受けるようになる
 回を追うごとに価格は上昇
 しかし、貯金が底をつくまでやめられなかった
怖い不安

 グループ会社の元社員の話
 幹部から手腕
 初めての客の話しこみで悩みを聞く
 先生という人に報告
 先生が霊感で見ぬいたかのように、悩みをあてる
 客に家系図を提出させると、悩みの原因は家系にあると不安をあおる
 高額なヒーリングをうけさせるには、代金の返却を求めないという同意書を書かすことも
 悪くなっていくだけの運命だともっているものが重いから重いからどうなるかわかっているのと、
 一度サロンにきてヒーリングを受けることを客が納得してしまえばあとはぼうフルコースですよね

香山リカ 
 途中までは希望を与えられて、前向きの言葉をかけるが、その後は続けないとこういう災いがおきますよ、と不安をあおるメッセージにシフトする
精神療法は時間がかかる。そんなことはいいから、自分の前世をみてほしいという人も。
 人生の大きな問題の解決には時間がかかる。
 スピリチュアルに走る人は、即決で決めたいと思っている。
 目に見える指針がほしい
 早くはっきりとした答えがほしい
 納得いく答えというのは自分の中からしか出てこないもの、
 いろいろアドバイスを受けて、参考にしてそれを自分の答えを見つける材料にするのは悪くない。
 考える力にするのは間違いではない
 何かまったく自分の人生とは関係のない人に決めてもらうのは、どうだろうか。
 自分の意思で決めることが大切なのでは

エリンさんのコメント
mixiで,エリンさんからいただいた,セルフ塾の感想です。



小学校3年(?)からセルフ塾にお世話になりました。

私の場合、親の教育方針もあって塾に毎日行くのが当たり前になっていて7年くらい皆出席だったような気がします。5ポイント休暇・・・あの頃あったらどれだけの休みがもらえたのだろうか。。。笑 セルフ塾も進化してるんですね笑

私が思うに人によって負の強化子がきく子と正の強化子がきく子がいるような気がします。私の場合、怒られるのが怖くて悪いことはできないタイプだったのでどちらも取り入れているセルフ塾のシステムは万人に対応してると思います☆

セルフ塾は他の塾と違って家庭的なところが好きでしたね♪掃除したり本気で怒られたり(本気で怒ってくれる人少ないですからね笑)。すごくあったかいから毎日行ってても苦じゃなかった気がします。それってすごく正の強化だと思うんですね。特にあまり家庭に恵まれてない子にとって。
だから、私が塾でバイトした時はできるだけ塾を楽しんでもらおうと思って生徒に接しました。セルフ塾のアットホームな感じはずっと残しててほしいです◎



70 2008年06月09日 23:02

Yoji から

エリンさん

 コメントありがとうございます。

 そうだね。エリンさんは,1歳のときにうちの保育園に入園。
 そして,小学,中学,高校もセルフ塾で学び,おまけに,大学に行ってからはセルフ塾で学習援助者として手伝ってもらいました。長~~~~いつきあいです。

 確か,小学,中学と欠席が0だったです。

 アットホームを特に心がけているつもりではないのですが,そう感じる生徒は多いです。いいことだと思いますね。

 エリンさんも学習援助者のときは,中学生がとても親しそうにしていました。感謝します。

約束は破るな
 子ども,生徒との約束は必ず守るようにします。

 これは何も道徳的意味で言っているのではありません。ぼくはあまり道徳的ではないです。どちらかというと,いやはっきり言って反体制です。それはいいとして。

 約束を破ると,その子はやる気をなくしてしまうからです。

 お母さん方がやりそうな例をまず。

 「きょうは,ここからここまでやったら,遊んでもいいよ」
 ということで勉強を始めます。子どもは早く終わって,遊びに行こうと張り切って勉強に取り組みます。すると,1時間もたたないうちに課題を終わってしまいました。
 お母さんとしては,2時間は勉強させたかったと思っています。

 それで,言いました。「早く終わったから,これもやりなさい」

 子どもはぶーたれるでしょうね。(「ぶーたれる」と書いて,自信がないので,webで検索してみると,死語になっているそうです。まあ,いいか。)

 「お母さんは,ここまでやったら遊んでいいと言ったじゃないか」
 「だめ,1時間もやってないじゃない。ここまでやったら本当に遊びに行っていいから」

 どうですか。お母さんの気持ちも分からないわけではない。でも,子どもの気持ちとしてはどうでしょう。

 お母さんの言うことはもう信用しないぞ。どうせ,早く終わってもまた課題を増やすんだから。

 次からやる気を出してやらないでしょうね。少ない課題をゆっくりゆっくり。時間つぶしをして。

 だから,絶対に子どもとの約束は守らなければいけないのです。


 もう一つ,例をあげます。

 これは,ぼくが実際に経験したというか,見た例です。

 ぼくは,20代後半,精神薄弱者の施設で指導員をしていました。

 ある園生が問題を起こした。どんな問題かは覚えていません。
 先輩指導員が,言いました。「罰は絶対にしないから,本当のことをいいなさい」
 しばらくためらっていた園生は本当のことを告白しました。
 すると,その先輩指導員は,「分かった。しかし,悪いことをしたのだから」と言いながら,彼のほほをたたいたのです。

 ぼくは,ここで体罰うんぬんを問うつもりはまったくありません。罰については,後で改めて書きたいと思います。

 先輩指導員は,園生との約束を破ったのです。

 園生にとって,この罰はどんな効果があったのでしょうか。先輩指導員は,悪いことをしたことに対して罰を与えたつもりです。しかし,ぼくはそうならないと思っています。先生のことを信用して本当のことを言ったことに対して罰が与えられたのです。

 彼は,こう思うでしょう。先生なんか信用しないぞ。罰はしないと言ってもするんだ,と。

 次から彼は本当のことを言わないでしょう。

 ぼくもよく言います。「叱らないから,本当のことを言ってごらん」と。
 そして,本当のことを言われて,内心は怒っていても,絶対にその子を叱りません。

 その中から,信頼というのも生まれて来ると思っています。

これはmixiに書き込んだ文です。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=30656790&comm_id=1037793 

5ポイント休暇への道のり
 mixi の
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=30656790&comm_id=1037793 に書き込んだ文です。

 行動分析学は原理であって,マニュアルではありません。人間はみんな違っています。また,状況もみな違っています。その状況にあった指導をするにはどうするか。原理を知って,そして創意工夫を行って,その人,その状況に適した指導を行わなければなりません。

 思い出したので,まったく横道にそれますが,ちょっと笑い話を。

 人間,みんな顔も性格も違いますね。
 Aさんが言いました。「こんなふうに,みんな違った顔,性格をつくるなんて,創造の神はすごいね」
 Bさんが答えました。「同じ顔,同じ性格の人を作りきれなかっただけさ」

 失礼しました。

 さて,創意工夫が必要だということでした。

 セルフ塾でも,行動分析学にのっとって子どものやる気を出したい。がんばったら(おっと,抽象的でした。課題をこなしたらです),何かいいことがあるようにしたい。どうしようか,いろいろ考えました。


 中学生にも訊いたと思います。一番何が欲しい?
 「休み」が圧倒的。課題を減らして欲しい,というのもありました。
 セルフ塾は月曜日から金曜日まで,それも半端じゃない課題です。

 それで考え出したのが「ボーナス休暇」。
 一ヶ月無欠席で課題をすべてこなしたら,一日休みを与える,というものです。

 効果はありました。それを目指して課題をこなす人がいたのです。

 効果はあるのですが,ハードルが高すぎました。毎日のノルマをこなすことはできます。しかし,一ヶ月休みなくというのは難しい。

 そのうちに,それを目指す人は数人といったところになっていきました。

 次に考えたのが「5ポイント休暇」。5日間休まずに来て,その日の課題を終わったら1ポイント与える。そして,それが5ポイントたまったら1日の休み,ということです。 5日間なら休まずに来ることができます。それでそれを目指す人が大幅に多くなりました。できるだけ休まない。そして,その日の課題を終わらせる。よくがんばりました。

 しかし,それでも難しい生徒がいました。その日の課題を終わらせることができないこともあるのです。4日連続で課題をこなしても,最後の5日目に終わらせることができなければ,この4日分はパーになります。

 また,考えました。1日でも課題を達成すればプラスの強化子を与えられないか。

 それで,考え出したのが,ばらばらでもいいから課題達成日10日分で1ポイントとする,という新ルールです。もちろん5日連続1ポイントを併用することもできます。

 これですべての人がそれを目指して課題をこなそうと励む姿が見られるようになりました。

 5ポイント休暇を得たときの,子どもたちのうれいそうな表情はまた特別です。ただ休みがもらえる,というだけではなく,自分がこれまでがんばって課題を達成した積み重ねだからですね。

 このように,試行錯誤をしながら,行動分析学の原理を現場に生かす創意工夫が大切です,ということで,セルフ塾の経験を書いてみました。

漢字苦手克服へ
「家庭からの通信」でよせられたお便りです。




 いつも子ども達の成長を暖かく見守ってくださり,ありがとうございます。

 この4月に入塾して早2ヶ月。漢字克服になればと入塾させました。

 進級してすぐに学校で「おぼえているかな? ③年で習う漢字テスト」で,34点を・・・・・本人も恥ずかしいと苦笑い。
 
 ところがセルフ塾での漢字勉強の成果でしょうか,その後の再チャレンジで,なんと90点台までアップしたんです。本人もうれしそう。

 苦手克服も近いかな・・・・と,親子共々うれしく思っています。

 これからもよろしくお願いします。

 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

(塾から)

 それはよかったですね。私どももとてもうれしいです。

 入塾したてのころは漢字を覚えるのに四苦八苦,とても時間がかかっていました。ところがこのごろはだいぶスムーズに覚えることができるようになっています。

 漢字の練習を毎日続けていると,漢字力といいますか,漢字を覚える力がついてくるようになる気がします。頭がよくなるのですね。だから新しい漢字もすぐに覚えきれるようになります。

 これからもっともっと漢字力がつき,克服できると思います。がんばりましょう。

一年で親子とも成長
「家庭からの通信」であるお母さんから次のようなお便りがありました。

 塾に通い,一年がたちました。子どもの帰りが遅く,慣れるのに大変でした。部活,塾の両立,時間が遅いと心配になり,不安でした。今思うと過保護だったと気付きました。

 子どもが弱音を上げてる訳でもないのに,辞めたいと話してもないのに,「かわいそう」と親が勝手にそう思っていました。

 目標に向かっている子に対して,見守る姿勢に心がけた今,大きく親子成長させていただきました。

 感謝の気持ちでいっぱいです。



(塾から)
 学校,部活,塾,それをこなすのは大変ですね。確かに子どもにとってもストレスになると思います。

 しかし,子どもたちはそれを乗り越える力があると信じています。多くの子どもたちが乗り越えて,大きく成長していくのを見てきました。

 子どもたちが乗り越えるのを支えるもの,それは親の見守りですね。子どものやることを暖かく見守り,あなたにはそれを乗り越えられるよ,と信頼してあげることだと思います。

 そして,ぼくらにできること,それはきちんと学力をつけることです。確かに苦しい,でもいまこの中で自分は着実に学力をつけているんだと実感させる。それができれば乗り越えることができます。どんな子どもでも伸びたいという強い気持ちを持っています。そのことは塾をやる中でだんだん強い確信となっています。
 

塾経営にいたるまで
 mixi授業の工夫事典でイガチンさんが次のトピックを立てました。


僕は30歳代で、教員免許を持っていなくて、
塾や予備校講師や家庭教師をしています。
非常勤です。

まわりの同僚をみてみると、
若い人が多く、さらに、離職率も高いです。

でも、講師を辞めて何をしているのかが分かりません。

塾講師が年を取って50歳代になったらどうしているのでしょうか?
まだ現役の塾講師、塾を個人経営、まったく別の職業、などいろいろあると思いますが、皆様の経験やまわりの話を伺いたいです。



(4 Yoji のコメント)

ぼくは55歳です。塾を経営しています。

 学校の先生のように安定した生活ではないけど,学校の先生より,ずっとおもしろいとおもいます。

 とにかく自分の好きなことができる。自分のやりたいようにできる。

 自分の好きなことをやって,そして生徒の成績をあげて,生徒を集めきれるくらいの力,自信がないといけないでしょうが。


(6 ようちゃん )

自分で塾を経営することにしたのはどうしてなのか凄く知りたいです。
peiさん、yojiさん教えて下さい。



( 18 Yoji )

ようちゃん
 質問があること,いま知りました。遅くなってすみません。

 ぼくは大学で心理学を専攻。卒業後,障害者施設の生活指導員などをしました。
 県の外郭団体で,公務員並の待遇。給料も悪くなかった。

 それなりに力の発揮できる職場ではあったのですが,物足りなかったです。自分で考え,自分の仕事をしたかったのです。

 それで,仕事を辞め,自分で保育所を始めました。学んできた心理学を十分に生かせる職場です。自分の考えで経営できました。おもしろかったです。

 そのうち,保育園を卒業した子の発達もみたくなって,夜は塾をしました。30代。昼は保育園,夜は塾。

 保育園も塾も子どもは集まりました。

 ただ,保育園の方は経営的に大変。無認可ですから,公立,認可のように高い給料を保育者に払うことができません。その他,いろいろあり,保育園の方は辞めました。

 その後,塾だけです。20年を越えました。

 要するに,自分でやりたいことができるというのが魅力です。この流れ,後悔していません。

 心理学でスキナーの行動分析学の理論にふれ,それを生かせることをしたいと思ってきました。それを実現させるために,塾をやっているということです。

 他の塾の講師をしていたのでは,それはできません。だから,それはまったく選択肢になかったです。

 以上でよろしいでしょうか。

バッテリーⅣ




 この巻,ストーリーとしておもしろいです。
 少年が壁にぶちあたってしまうという話です。なかなか傷が深い。

 結論は分かったが,もっと詳しいことを話してくれよ,といっても,著者はもったいぶって,最初は少しずつ少しずつ。そうして物語に引き込まれていきます。うまいですね。


 さて,このⅣには,「3歳の巧を描いた文庫だけの書き下ろし短編『空を仰いで』」が載っています。

 そこから抜粋します。

 巧の祖父洋三は,元高校野球の監督。しかし,妻の余命が最短で1年と告げられます。


「それで、わたしは、何をすればいいんでしょうか」
  監督、おれ、何をすればいいんですか。
子ども達がそんなことを訊いてきたなら、躊躇も容赦もなくー喝していただろう。
馬鹿者、自分がせんといけんことぐらい、自分の頭で考えてみぃ。
自分の頭で考え、探し、答えを手にした者は強い。強くなる。プレイヤーとしてだけではなく、人間としての強靱さを身につける。指導者とは、己の意のままに選手を動かせる者のことではなく、一人の人間として自分を尊び信じることのできる強靱さを若い魂に教える者のことだ。確信し、身体能力とともに思索の力を重んじてきた。なのに、今、頭の中で羽虫が飛ぶ。思索どころではない、何も考えられず息子ほどの年齢の医師に縋(すが)ってってしまう。
「何をすればいいんでしょうか、先生。教えてください」

(セルフラーニングの塾をやっていて,生徒が習いに来たとき,よく言います。
「自分で考えなさい。セルフ塾は,自分で学ぶからセルフなんだよ」と。
 もちろん,教えもしますけどね)



医師の診断を伝えたわけではないのに、聖名子は、自分に下された余命の時間をちゃんと察していた。
「大丈夫ですよ」
ベッドの上で髪をなでつけながら、こともなげに笑った。
「わたしは巳年じゃからね、しぶといの。あんたも、よう知っとるでしょ。そうそう、お医者の言うようにはならんからね。心配しなくてええですよ。ちゃんと鍛えてあげますから」
「鍛える?  誰を?」
「あんたに決まっとるじゃないですか。何を言うてるの。わたしがいなくなっても困らないように、一人暮らしのコッを教えてあげます。しっかり鍛えてあげるから、覚悟しときんさいよ」
そう言って、にやりと笑った妻の顔を洋三は、半ばあっけにとられて見つめていた。

年間出席率を表彰
mixi セルフラーニングのコミュ
 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=30656790&comment_count=67&comm_id=1037793
 に書き込んだコメント66を転載します。

 ゆじゅさんのコメントに「年度の終わりに、出席率に応じての賞品も楽しみの一つでした!! 」というのがありました。

 それについて説明します。心理学を学んだゆじゅさんは,これが強化の原理に基づいていることを見抜いたのかもしれませんね。

 生徒に欠席せずに塾に来てもらいたい,それは私どもの願いです。そのためにどうするか。

 一番大切なのは,塾に来たら学力がついて,学校の授業もわかり,成績も伸びることを実感させることです。みなさん心がけているでしょうが,確認しておきましょう。テクニックだけではだめですよ,ということ。

 そして,塾が楽しいと思ってもらう。友達関係も大切です。ただ,それはなかなかぼくらの力が及ばない。ぼくらと生徒との関係をよくする。日頃からコミュニケーションを大切にすることです。

 その次はちょっとしたテクニック(?)

 まず,ニュースレターを郵送するときに,タイムカードも同封します。それを見ると出席状況がすぐ分かります。欠席理由は届けさせ,タイムカードにメモしておきます。

 親に隠れて休んでいると,タイムカードで分かってしまうので,負の強化になりますね。まあ,罰です。

 それから,毎月のニュースレターで,欠席0の生徒の名前を発表します。プラスの強化になると思っています。

 そして,年度が終わると1年間の出席率を出します。そして,簡単な表彰状とともに賞品を与えます。図書カード,消しゴム,ノートなどなど。
 こらを目当てに休まないように努めている子も少なくないです。でも,これは1年間の長期に渡るのでそれを目指すのは,マシュマロ実験でも紹介した「待つことのできる子」でしょうね。

 とにかく「休まず塾に来る」ということを強化しているのです。

コーチング




 行動分析の立場から書かれています。行動分析を初めて学ぶ人にもわかるようになっていて、入門書としていいです。

 教育、仕事などで人を動かすことをする人にぜひ読んでもらいたいです。著者はアメリカンフットボールの監督でもあるので、スポーツの好きな人にはおもしろいでしょう。

 以下はぼくにとっておもしろかったところです。

 ● 行動心理学者を確立したスキナーは、「喜びというのは、強化子(つまり、自分にとって楽しいものとかいいもの)をもらえるという予想である」と定義づけている。

 ● 原田ヘッドコーチに言わすと「自由というのはハードなんです。選手にしたらノルマをあたえてやったほうが楽だろうし、コーチとしても手間がかからない。その方が手っ取り早いかもしれないが、それでは創意工夫は生まれない。

● ローゼンとアンドレイドという心理学者は、心理テストを使って子どもを「やる気」が非常にある子とあまりないない子の二つのグループに分けてみた。そして、子どもに目隠しさせて片手で積み木を高く積み上げさせた。その前に、親に自分の子どもが何個ぐらい積み重ねることができるかを言ってもらっておいた。「やる気」の高い子どもの親は「やる気」の低い子どもの親より高い要求水準を言うことが多かった。次に、子どもが実際に積み木を積み上げるときに、手を貸してはいけないが、言葉ならいくら手伝ってもいいと言うと、「やる気」の高い子どもの親は、叱ったり、怒ったりせずに、暖かく励ますことが多かったというのである。
 この実験からすると、厳しく叱ることや命令するよりも、暖かい励ましの方が子どものやる気を高めることがわかる。




CHAPPYさんと ゆじゅさんのコメント
mixiの日記に次のように「セルフ塾卒業生へのお願い」を載せたところ,2人がコメントをくれました。ここにも転載します。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=829892841&owner_id=2592095

 この日記は,セルフ塾卒業生のみなさんに読んでもらいたくて書いています。

 ぼくはコミュ「セルフラーニング」の管理人をしています。
 そこで「心理学入門」としてぼくなりに書いています。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=30656790&comment_count=64&comm_id=1037793


 その中で,セルフ塾のノルマ制,5ポイント休暇について書きました。それについて何か感想でもあれば書き込んでもらいたいなあ,と思います。このトピ,だいぶ長くなったので,最後の方の63番目のコメントだけでも読んでから書いてみてください。

 よろしく。



CHAPYYY   2008年06月06日 22:18

どこにコメントを書くのが適当かわからなかったので、こちらに☆

 7年前(もうそんなにたつ!?)にセルフ塾を卒業したものです。私は6年間セルフ塾にお世話になりました。「5ポイント制」私の場合はまだ「ボーナス休暇」でしたが。
友達が毎月ほうびの休みを取る中、私は1度しかボーナス休暇をもらっていません。この場を借りて、ふだんから塾を休む癖があったことを深くお詫び申し上げます(笑)
 受け身の学習ではなく、自分でやらなければならない!という状況では、自然と塾の開始前から自分でその日の課題をしている人は多かったですね^^自分の意思で勉強する!というのが確立されていました。

 面白いことに、セルフ塾での経験は今でも私の性格に結びついています。たとえば、物事の根本的な部分を理解するということです。
数学だと、公式の仕組みを理解するということ。
英語だと、基本的な文法を理解するということ。
何事にも、根本的な原因があるという理論的な考え方です。
 また、自分のやったことに責任をもつようになりました。たとえば、違反をした場合、どんな言い訳をあげたって、Kyokoさんは「だからなんだ!」と、聞く耳を持ってくれませんでした(笑)でも確かにただの言い訳でした^^中学生ながら、結果は結果としておとなしく窓掃除した方が早いと受け入れてたんですね♪

うまく文章に表わせませんが、オーバーな言い方ではなく、私の倫理的な考え方はセルフ塾で見についたものだとはっきり言えます。



Yoji 2008年06月06日 23:12

CHAPYYYさん,ありがとう。

 あなたのような人のために,ボーナス休暇を5ポイント休暇にしたんだよ。休んでもとれる制度を何とか考え出して。

 「物事の根本的な部分を理解するということ」がセルフ塾で身についたというのは,うれしいコメントです。

 このコメント,転載しますね。ありがとう。


ゆじゅ 2008年06月06日 23:25

同じく7年前??にセルフ塾を卒業した者です。

Yojiさんと同じく、大学で心理学を専攻しているので、改めてセルフ塾は、うまく人間の心理を動かすことができているなと感じました。

私は、部活の都合で遅刻常習犯で、居残り組の常連でした(/_・、)笑
しかし、居残りだからといってダラダラしていても、帰れるわけもないので、集中してやることを身につけられたと思います。

ボーナス休暇はほとんどありませんでしたが、毎日の課題を終わらせられた時の達成感は大きかったと思います♪

また、今もあるのか分かりませんが、年度の終わりに、出席率に応じての賞品も楽しみの一つでした!!


Yoji 2008年06月07日 00:19

ゆじゅさん

 コメントありがとう。

 「セルフ塾は、うまく人間の心理を動かすことができているなと感じました。」

 なんて,ぼくが書いて欲しいことを書いてくれるね。心理学をやった成果かな?


Yoji 2008年06月07日 00:32

 そういえば,セルフラーニングのコミュに参加していなければ,あのページには書きこむことはできませんね。

 CHAPPYさん,ゆじゅさんのようにここに書き込んでくださってかまいません。

 ぼくは,あのトピの中で,ノルマ制,5ポイント休暇(昔はボーナス休暇でした)で,生徒のやる気を出すつもりでいることを書きました。

 ノルマ制では,具体的なその日の課題を確認し,そしてそれをやり遂げたときの達成感,それがやる気につながるのではないかと思いました。

 それから,5ポイント休暇では,課題をこなしていけば,いいことが待っているということで,やる気をもって学習に取り組んで欲しかった。

 まあ,それがあなたたちにとって,ぼくが期待したような効果があったかどうか,書いて欲しいのです。

 それ以外に書きたいことがあれば書いてもいいですよ。

 よろしく。

 書き忘れたけど,ゆじゅさん。出席率ほほうび,やっているよ。去年出席率のいい子(あっ,あなたのいとこのN平M子さんだ)から,まだなの? とせっつかれています
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