FC2ブログ
セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

学習援助者

 ぼくは肩書きを「学習塾学習援助者」としています。そのことについて,以前沖縄タイムスに投稿した文があるのでここに掲載いたします。


 ギリシアの哲学者ソクラテスの教育方法は「産婆術」と呼ばれています。産婆とは,助産婦のことです。

 彼は青年の話を聴き,その話の内容について質問をします。その質問は青年の話にある矛盾点をつき,その内容について青年がもっと深く考えるような質問です。そして,真理を青年自身に気づかせるように導いていきます。つまり,ソクラテスは,これが真理だよ,と教え込むのではなく,青年が自分で真理に気づくように手助けをしていたのです。

 産婆もそうですね。赤ちゃんを産むのはお母さんです。お母さんが赤ちゃんを産むのを産婆は励まし,アドバイスし,手伝うのです。産婆はあくまで手伝いであって,自分が産むのではありません。だから,ソクラテスの方法は「産婆術」と呼ばれるのです。

 さて,いまの教育はどうでしょうか。教師は黒板の前に立って,話し,これが真理だよ,はい覚えましょう,とやっているのではないでしょうか。そして,生徒はそれを受け身で聞き,覚えるのです。

 学習は学習する生徒を中心にすえることが大切です。生徒が受け身ではなく,能動的に積極的に学ぶように導くことが必要なのです。教師は,生徒が自ら学ぶ環境を整えるのです。その第一は教材でしょう。自分で学べる教材を作り,与える。生徒はその教材を使って自分で学んでいきます。そして,生徒がつまずいたときに教師は手助けをしてあげるのです。

 自転車に乗る練習は,いい教育の例です。お父さんが後ろから支えています。子どもは自転車をこぎ,バランスをとろうとするのですが,倒れそうになります。それをお父さんはしっかり支え,倒れないようにします。徐々に子どももバランスの取り方が分かるようになり,お父さんの支えなしでも倒れることなく,自転車は走り続けるのです。

 お父さんは確かに最初しっかり支えています。しかし,自転車をこぎ,バランスをとっているのは子どもなのです。子どもが主体で,お父さんは援助をしているのです。

 教育の目標は,自ら学ぶことができる人に育てることだと私は思っています。だから,その目標が達成されたら,学校や塾はいらなくなります。分からないこと,知りたいことが出てきたときにどうするか。本を読む,辞書を調べる,事典を調べる,インターネットで検索するなど,その方法を知ることが大切です。知識そのものを教えるのではなく,知識を得る方法を教える,それが必要なのです。そのためにも,いま行われている「教える」から「学ぶ」への変更が求められています。

 私は自分の肩書きを「学習塾学習援助者」としています。「教師」(教える先生),「講師」(分かるように話をする先生)ではなく,生徒が自ら学習することを援助する,助ける人に徹したいという気持ちからです。
スポンサーサイト



Copyright © セルフ塾のブログ. all rights reserved.