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セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

頭で翻訳して共通語を話す
 きのう1月1日,兄,弟といっしょに伯父(母の弟)の家に年始のあいさつにいきました。伯父は,沖縄の組踊り,エイサーの本も著している沖縄芸能に詳しい人です。75歳くらい。

 伯父の話です。

 

小学生のころ,みんな方言しかできなかった。(沖縄の方言は共通語とはまったく違います。)
 それで,小学1年のときの担任は,地元の方言も話せる人がなった。まず方言でみんなに静かにするように指示する。2時間目からは「静かにしなさい」というのが分かってくる。このようにして,少しずつ共通語が分かるようになったのだ。

 小学1年と2年は持ち上がりで同じ先生がなった。3年生になると,別の先生がいうことも理解できるようになった。

 だから,ぼく(伯父)は,共通語を話すときに,頭で方言を翻訳して話すようなところがまだある。

 ぼく(Yoji)が,英語を話すときに,日本語を頭で英訳して話すようなものですね。

 伯父は(ぼくの母も)やんばる(沖縄本島北部)の人です。いまは名護市になっていますが,ぼくが小さいころは屋部村でした。そこの言葉は首里や那覇の言葉ともだいぶ違うのです。「はひふへほ」が,「ぱぴぷぺぽ」になる。聞いていておもしろいと思ったものです。

 だから,首里や那覇の人が教師として屋部にきても地元の子どもたちと会話することはできなかったのでしょう。それで小学1年2年の担任は地元の言葉の話せる人ということでしょう。

 要するに,屋部では,ぼくの親の世代までは日本語は外国語のようなものだったのです。だから,外国語を学ぶように日本語(共通語)を学んだのです。

 ぼくを含めて沖縄の人は日本語が下手だと思います。特に敬語がうまくつかえません。

 例えば,子どもたちは「勉強しれ」と言います。「勉強しろ」のつもりです。国文法で「する」を活用させると,命令形が「しれ」になるのです。五段活用の「読む」の命令形が「読め」なので「しれ」とエ段になるのでしょうか。あるいは,「する」の方言「すん」の命令形が「せー」とエ段になっているからなのでしょうか。

 また,本土の人に次のように笑われたことがあります。
 スーパーで,試食をすすめる人が「いただいてください」と言って差し出すというのです。「いただく」が謙譲語だということが分からないのです。

 ぼくもいろいろ間違えた日本語を使っているのではないかと思うと恥ずかしくなります。自分の間違いは分かりませんから。

 前にも書いたことがありますが,それはぼくの祖父の世代にとって日本語は外国語だったからなのです。以前は祖父の世代と思っていましたが,昨日の伯父の話で地域によっては親の世代がそうだったのです。

 さて,ぼくは実は方言もきちんと話すことができません。ぼくの父母や祖父はぼくら子どもに話しかけるときには,方言を使いませんでした。方言を使うのは教育的でないという風潮があったからです。方言を使うことは悪いことだと教えられました。

 伯父によると祖父の共通語は,沖縄方言的な共通語だったそうです。そういうのをウチナーやまとぅぐち{沖縄大和口(言葉)}と言います。沖縄方言を直訳した日本語のことです。

 それはしようのないことです。祖父にとっては日本語は外国語だったのでしょうから。
 そのような祖父によって父は育てられました。だからたぶん父も日本語は下手だったと思います。父のために書きますが,父は琉球政府(復帰前は県ではなかったのでそう言っていました)の労働局長,そして沖縄県の総務部長もしました。だから,本土の政府高官の方々とも交渉してきたので,十分に通じる日本語を話せたはずです。もちろんぼくが聞いてもちゃんとした共通語を話していました。
 でも,細かいことをいうと,子どものころから共通語が下手な人の間で育ったので,ハンディがあったと思うのです。

 それがぼくの世代まで影響しています。いや,いまの子どもたちにも。文化的遺伝子ミームが働いているのですから。

 たぶんそれは徐々にしか改善されないでしょうね。 
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