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セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

ピュグマリオーン
 「ピグマリオン効果」ってご存知ですか。

 このブログの次の記事にも少し書きました。

アダルトチルドレンとピグマリオン効果


 「教育心理学における心理的行動の1つで、教師の期待によって学習者の成績が向上すること」です。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)


 とても有名で,知っている方も多いと思います。「ピグマリオン効果」については次の記事で書きたいと思っていますが,今回は,その名前の由来になった話を紹介しましょう。

 出典は,トマス・ブルフィンチ著,大久保博訳「ギリシア・ローマ神話」(角川文庫)です。


 ぼくが読んだのや上下1冊になっています。読んだのは大学卒業直後だったと思います。もうだいぶページが赤茶けています。

 ピグマリオンは王様だったという説明が多いですが,この本にはそれはありません。

ピグマリオンという名称は、ギリシャ神話を収録した古代ローマのオウィディウス『変身物語』("Metamorphosen"、訳に『転身物語』とも)第10巻に登場するピュグマリオン王の恋焦がれた女性の彫像が、その願いに応えたアプロディテ神の力で人間化したと言う伝説に由来する。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)




ピュグマリオーン

ピュグマリオーンは、女には非常に多くの欠点があるのを見て、とうとう女性を忌み嫌うようになってしまい、一生独身でくらそうと決心しました。

 彼は彫刻家で、すばらしい腕をふるって象牙の立像を彫っていたのですが、その作品の美しさは、生きた女なぞ誰ひとりそばにも寄せつけぬほどのものでした。それはまったく申し分のない乙女の姿で、ほんとうに生きているように見えました。そして動かないでいるのは、はにかみのためなのだとしか思えないほどの出来栄えだったのです。彼の技術は実に完璧でしたから、人工の跡も残さず、できあがったものはまるで大自然の手になるものかとも思えました。

 ピュグマリオーンは自分自身の作品に見とれ、そしてとうとうこの作りものの女性を恋するようになりました。彼は、この像がほんとうに生きているかどうか確かめでもするかのように、何度も手を触れてみました。そしてそれでもこの像が象牙にすぎないのだと信じこむことができませんでした。

 そこでこの像を抱きしめたり、若い娘たちがよろこぶような贈り物を・・・つまり、美しい貝殻や滑らかな小石や、かわいい小鳥や色とりどりの花や、じゅず玉や琥珀などを、贈りました。また体には着物をきせ、指には宝石をはめ、首には首飾りをかけてやりました。耳にも耳飾りをつけ、胸にも真珠のくさりをかけてやったのです。着物はよく似合って、彼女は裸でいたときにもおとらぬほど美しく見えました。

 彼はテュロス染めの布を張った臥床に彼女を寝かせ、彼女を自分の妻と呼び、彼女の頭をすばらしく柔らかな羽根枕の上にのせてやりました。それはまるで彼女がその柔らかみを喜ぶことができると思っているかのようでした。

 そのうちにアプロディーテーの祭りが近づいてきました・・・キュプロスの島で盛大に祝う祭りです。生贄が捧げられ、祭壇には香が焚かれ、その香の匂いがあたりー面にひろがりました。

 ピュグマリオーンは祭礼での自分の務めを果たしおえると、祭壇の前に立って、はにかみながら言いました、「神々さま、あなたがたがどんなことでも叶えてくださいますなら、どうかお願いです、私にお授けくたさい、私の妻としてして」・・・彼もさすがに「私の象牙の乙女を」とは言えず、そのかわりにこう言いました・・・「私の象牙の乙女に似た女性を」。

 この祭りに臨席していたアプロディーテーは、その言葉を聞くと、彼が言いたかった心の内を悟りました。そこで彼に対する恩寵のしるしとして、祭壇に燃えている炎を三度、空にむけて鋭くもえたたせたのです。

 ピュグマリオーンは家に帰ると、自分の作った像のところへ会いに行き、臥床に身をかがめて、乙女の口に接吻しました。するとその唇はなんとなく暖かいように思えました。そこで彼はもういちど唇を押しあて,自分の手を乙女の体の上に置いてみました。すると象牙はその手に柔らかく感じられました。そして指で押してみるとヒュメトスの山の蜜蝋のようにへこみました。

 彼は驚き喜びながらも、半信半疑で、自分が思いちがいをしているのではなかろうかと心配して、いくどもいくども恋にもえる熱い手で、この憧れの対象に触れてみます。ところが像はたしかに生きていたのです! 血管は、押えてみると指の下でへこみ,放すと元どおり円くなりました。

 そこでようやく気のついたこのアプロディーテーの崇拝者は女神に感謝のことばを捧げました。そして自分の唇を自分と同じように血のかよっている唇の上に押しあてました。乙女はその接吻を感じると、さっと顔を赤らめ、内気な両の目をこの世の光に向けてあけると、同時に、恋人をじっと見つめました。

 アプロディーテーは自分のまとめたこの結婚を祝福しました。そしてこの二人の結びつきからパポスが生まれました。あのアプロディーテーに捧げられたパポスという町は、この子に因んで名づけられたものなのです。

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