のつづきになります。
国立高1年さん、は,「Rosseta Stone」「英語は逆から学べ!」を勧めています。
Rosetta Stoneは,悪くないかもしれません。コンピュータの機能を使った英語学習はいいのではないかと思っています。
ただ,かなり高価なのでぼくは買うつもりはありませんが,お金があるなら試してみたらどうでしょうか。ただし,少なくとも中学の文法は一通り終わった方です。
そして,ぼくは,このような高価な教材よりもNHKラジオの講座をきちんきちんとやったほうがいいと思っています。
次にお勧めの「英語は逆から学べ!」
ぼくなら,ふつう買わないですね。せっかくお勧めなので,買って読んでみます。前の記事で紹介した藤沢晃治著「30歳からの英語攻略」から引用します。
教材選び
各分野の話に入る前に、高額な教材を買う場合の注意をまず述べたいと思います。「なんとなく英会話を勉強したい症候群」列島のわが国では、英語教材には巨大な市場が存在しています。したがって、いろいろな英語教材の広告に目移りしそうになったとき忘れてほしくない原則中の原則があります。それは「語学習得に王道なし」という大原則です。
勘のいい人は、この本の第1章を読んだだけでお気づきと思いますが、「英語をモノにする」のに安易な道などこの世には存在しないのです。インチキ教材の広告にだまされない簡単な方法は、この「語学習得に王道なし」という大原則を否定しているようなキャッチフレーズが使われているかどうかで判断するのです。
キーワードとしては、「一日五分間聞くだけで、突然・・=・・」とか、「英語の勉強はもう不要」「なまけ者に最適な」などと、安易さを主張する表現があった場合、一応警戒したほうが無難でしょう。とにかく英語という敵は、多面的に攻めなければ落ちません。私のこの本の読者であるあなたは、たったー種類の英会話教材だけで英語がマスターできるなどという甘いことはゆめゆめ考えないでください。
に,国立高1年さんからコメントがありました。
英文法と会話について
それでは今の文法中心の教育を受けて学校のみで英語が話せる様になるのですか?
僕の周りは英語(文法中心)の成績は全国クラスなのですが、 それでもアメリカ人、イギリス人とまともにコミュニケーションが出来ていません。
それに、「ここは時制がずれているから,,,」など 会話の中でいちいち意識していられません。
中学高校6年間必死で英語の勉強をしてきたのに これはひどくありませんか?
一度、「Rosseta Stone」 や、「英語は逆から学べ!」などに 目を通して頂きたいと思います。 僕はこの『英語脳』と言う方法にとても感心させられました。
NHK英会話等で日本語の文章の和訳を詰め込んで行かずに 自然に会話が出来た方が遥かに効率が良いとはおもいませんか?
コメントありがとうございます。一般によくある疑問ですね。ぼくも以前はそう思ったものです。
ぼくの考えを書きます。
ぼくは,学校の英語の授業だけで十分だとは,思っていません。文法だけでは話せません。あの記事で言いたかったことは,文法を中心とした学校教育は間違えていないよ,ということです。文法を学び,語彙を増やし,多読をし,ラジオ講座を聴き,そして,ネイティブの人と話して,話す訓練をして,などなど,いろんなことをしてやっと話せるようになります。
最初は,意識的に「時制は」などと考えますが,それが無意識にできるまで練習を繰り返す必要があります。
「英語は難しい」
を前に書きましたが,ここでは,「30歳からの英語攻略」の著者藤沢晃治氏に語ってもらいましょう。
私は英語習得失敗の大きな原因のーつとして、「事業規模の見積もりの誤り」があると考えているのです。つまり、「英語をモノにする」ということが大事業であるという現実を過小評価しているわけです。
この見積もりの誤りの結果として、二つのことが起こります。まず第一に、英語習得のために割く労力(勉強)量の不足、第二に、過小評価していた事業の意外な困難さのために、なかなか目的を達成できないことへの焦り、いらだちです。結局、自分が目的を達成できない理由もわからないまま挫折してしまうわけです。
この「事業規模見積もりの誤り」の比喩として、私はいつも1匹のアリで説明します。実際には十メートルの高さがある壁をーメートルと見積もりを誤ったアリの様子を思い浮かべてください。そのアリがなんとかその壁の向こう側に行きたいとー生懸命にその壁を登ります。ようやく、そのアリが思っている目標の高さ(つまりーメートル)にたどり着きました。やれやれと汗をふきながら向こう側に下りようとしたら、なんと壁はまだまだ天にも届きそうなくらいにそびえ立っています。壁を乗り越えられない現実に、狼狽、困惑、失望、落胆がー挙に押し寄せてきます。同時に絶望感が芽生えます。
アリは、わずかーメートルの地点にたどり着いただけで、目の前が真っ暗になって、それ以上の前進をあきらめ、またすごすごと引き返してしまうのです。ショックが大きければ、力尽きて真っ逆さまに転落してしまうかもしれません。「おかしいなあ。壁を乗り越えられるはずなのに・・・」。彼は、自分が壁を乗り越えられなかった理由も飲み込めないままに挫折してしまうのです。もう二度と壁に挑戦することもないでしょう。
「見積もりの誤り」で挫折する人は、ちょうどこのアリと同じ失敗をしているのです。(中略)
「見積もりの誤り」を平たく言い換えれば、敵を甘く見てしまうことです。当然、英語という敵に対する方策もまた甘く、心構えも甘くなります。そんな甘い姿勢のまま戦いを始めても、予想をはるかに上回る敵の戦力、抵抗にうろたえて、なす術もなく降参してしまうことになります。
ぼくもそう思います。中学,高校の6年間で,英語が自由に話せるようになるというのは,見積もりが甘いということです。まだまだ10mの壁の1mも上っていません。英語というのはそれほど大変な事業だと心得た方がいいですね。
ぼくは,次の本をお薦めします。
斎藤兆史著「これが正しい!英語学習法」