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「地の中の革命沖縄戦後史における問題の解放
森宣雄著「地の中の革命沖縄戦後史における問題の解放」を読みました。



 酒飲み友達のShueiさんの叔父上地栄さんについて書かれているとのことで、Shueiさんに本を貸してもらったのです。

 上地栄さんについて書かれている部分{「最も危険な共産党員」上地栄の思想と運動、復帰世論の構築と権力闘争(p199~231)}を読み、あとは斜めに読みました。

 上地栄さんのほかに国場幸太郎さん、林義巳さんらのことがくわしく書かれています。

 沖縄人民党の歴史についてですが、主に沖縄非合法共産党について詳しく書かれています。

 僕は、沖縄人民党のバックに共産党があることは聞いていましたが、このような歴史は全くと言っていいほど知りませんでした。

 面白い本だと思います。
 でも、沖縄人民党、瀬長亀次郎ファンにとっては面白くない本だろうと思われます。

 僕もファンの一人ではありますが、こういう一面もあったのかと冷静に読むことができました。

 いくらか引用をします。

 党大会では、上地の方を知事候補に推す瀬長出馬反対意見まで飛び出したという。この選挙戦の演説会でも、上地は人民党で「最も人気のある弁士」であり、特に聴衆の8割を占める一般労働者からの支持が厚いと報告されており、党内外での人気実力ともに、これまでの瀬長の圧倒的地位を揺るがす勢いだったようである。(p210)

1952年9月12日、沖縄群島知事選の天王山といわれた 3候補合同の演説会が首里中学校庭で開かれた。それまでの沖縄の歴史上最大の政治集会と思われる 2~4万人が本島各地から詰め掛けた会場で、最初に演壇に立った上地栄は、次のように瀬長への応援演説を締めくくった。「沖縄の人たちは、瀬長の”カメさん”の背中に乗って、本土の岸まで運んでもらおうではありませんか」。当時まだ公的にはタブーであった日本復帰を、突然ユーモアを交えて打ち出し、会場は数万人の拍手と爆笑で沸いた。
 上地のこの演説は、戦後沖縄で初めて公の場で日本復帰を掲げた発言として、後々まで語り継がれることになった。また人民党の公式党史や瀬長の回顧録等においても、党の復帰運動の先駆性を示す証拠として言及され、上地の名はこの応援演説の事実に付随する形で、除名後も党史から抹消されず生き残ることになった。(p212)

上地栄は瀬長亀次郎に地下活動を行うグループ組織について相談したという。だがこの提案に対する返答はなされず、6月20日、上地が瀬長に辞任を申し出ると、瀬長はすでに上地の党籍は抹消されたと答え、30日、中央委員会の秘密会合で上地は一方的に除名された。



 Shueiさんが伯父上地栄さんの自慢話をよくするので、偉い人だとは思っていましたが、文字になったのを読むと改めてすごいと思いますね。

 「カメさんの背中に乗って」という有名な文句は僕も知っていました。
 でもそれが上地栄さんが言ったというのはShueiさんから聞くまで知りませんでした。

 斜め読みをしたので、確かではありませんが、この本は人民党や瀬長さんの立場からではなく、除名者の立場から書かれているように感じました。確かに、そういう角度からの見方も大切だと思います。

 ただ、党の立場からはどうなのかというのも知りたいところではあります。
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全国学力テスト・・・見える学力、見えない学力
 8月9日付本紙(琉球新報)によると、全国学力テストにおいて、沖縄の児童生徒の平均正答率の順位は、小中の10科目全てで全国最下位となったそうです。 さて、どうするかです。

 岸本裕史著「見える学力、見えない学力」は多くの人に読まれてきた名著です。「見える学力」というのは、この全国学力テストや、学校でおこなわれるテストの点数のことです。それに対して、「見えない学力」というのは、その土台となる基礎的な力です。

 さて、ロンドンオリンピックも終わりました。素晴らしい勝負に興奮したものです。彼らのプレーは本当に感動的でした。そこに見られた、勝負の勝ち負け、順位、記録は「見える力」です。しかし、その力を発揮するために、彼らは僕らには見えない努力をものすごく積み重ねてきたはずです。走り込んで足腰を鍛える、ウエートトレーニングで筋力を鍛える、そして単純な繰り返しのトレーニングで一つ一 つの技を磨き上げてきたのです。その「見えない力」があって初めて、「見える力」が伸びてくるのです。

 氷の大きなかたまりが海に浮かんだのが氷山です。海の上に突き出て見えるのは、そのほんのわずかでしかありません。見えない海の下にその何十倍の氷のかたまりがかくれているのです。

 学力も同じです。「見える学力」は、学力のほんの一部でしかありません。学力の多くが「見えない学力」です。それがしっかりしてこそ、「見える学力」はついてくるのです。

 毎日の一つ一つの退屈とも思われる学習がそれを作り上げていきます。学校の授業だけではありません。日常生活における親子の会話も大切です。主語、述語の入ったきちんとした文で会話することにより、日本 語の力がつきます。新聞もいいですね。親子でニュースについて話し合ってみましょう。読書の習慣も大きいです。読書によって幅広い知識が身に付きます。漢字の練習も、計算練習もやらなければいけません。いろいろな知識を暗記することも必要です。そして、なぜそうなのかを考える学習も大切です。

 「見える学力」を軽視するつもりはありません。全国学力テストにおいて、全国最下位だったのはなぜか、それはきちんと反省すべきです。しかし、目の前の「見える学力」をつけることだけ、学力テストの点数をあげることだけを考えるのではなく、「見えない学力」をしっかりと築き上げるにはどうすればいいのかという、遠くを見つめた指導が求められているのではないでしょうか。

 9月1日付け琉球新報論壇に掲載されました。

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