アメリカの赤ちゃんの環境になれば,英語をすぐに話せるようになるか,ということで前回も書きました。
アメリカの赤ちゃんにはなれないことを今回も書きます。
それは,臨界期です。
人間の脳には,言語野があります。つまり,人間は言葉を話すようになっているのです。長い進化の中で言葉を操ることができるように,脳が進化したのですね。
そして,文法も脳にもともと備わっている,と主張する言語学者もいます。チョムスキーです。チョムスキーについての本の紹介などもこのブログではしました。
チョムスキー入門
チョムスキー
スキナーとチョムスキー
さて,臨界期というのをご存じですね。発達過程において、その時期を過ぎるとある行動の学習が成立しなくなる限界の時期があり,それを臨界期(りんかいき)と言います。
言葉はこどものときの方が学びやすいです。外国に行ってしばらくすると,子どもの方がその国の言葉をうまく話せるようになり,親の通訳もするという話も聞いたことがあります。
以下,ぼくの考え,仮説も含まれているので,そのままは信じないでください。
どうも,脳は省力化,省エネがうまいのではないか。いつでもスイッチをオンにするのではなく,不必要なときにはオフにし,必要なときだけオンにするのではないか。
子どものときには,異性に対して関心がうすいです。そういうことについてはオフになっています。しかし,思春期になるとそのスイッチがオンになるのです。そのために,寝ても覚めても彼(女)のことを考えています。
言葉についてもそうです。チョムスキーによると,人間の脳には生まれつき「普遍文法」というのがあるのだそうです。そして,日本語に接するとその普遍文法が日本語文法になるのです。
長い歴史の中で言葉というのは,一つでよかったはずです。だから,子どものときにある程度の文法が頭の中にできあがると,もうそのスイッチをオフにしてしまうのです。省エネです。
地球上の多くの人間が,外国語を話せるようになりたいと思うようになったのは,せいぜい5~60年前でしょう。それまでは自国語が話せれば十分だった。外国語を学ぶ必要がなかったのです。だから,遺伝子は脳に,子どものころに言語を学ぶスイッチをオンにして,大きくなるとそれをオフにするようになったのです。
だから,中学生になったころは,言語を学ぶスイッチはオフになってしまっています。それでいくら学んでも赤ちゃんのように言葉を学ぶことが難しくなっているのではないでしょうか。
赤ちゃんの脳と中学生の脳では,まったく異なっているのです。だから中学生には中学生の英語の学び方があるのではないか,というのがぼくの考えです。
中学生では言語を学ぶスイッチがオフになっているから,もうだめではないかというと,そうではないです。
人間の脳というのは,とてもとても柔軟なのです。必要とあればほかの部分で肩代わりすることもやるのです。だから,練習に練習を繰り返すうちに,脳は変わってきます。
もともとあるのをスイッチオンにすれば楽ではありますが,オフだからと諦めることはないのですね。多くの人が苦労しながらも外国語を身につけています。
アメリカの赤ちゃんにはなれないことを今回も書きます。
それは,臨界期です。
人間の脳には,言語野があります。つまり,人間は言葉を話すようになっているのです。長い進化の中で言葉を操ることができるように,脳が進化したのですね。
そして,文法も脳にもともと備わっている,と主張する言語学者もいます。チョムスキーです。チョムスキーについての本の紹介などもこのブログではしました。
チョムスキー入門
チョムスキー
スキナーとチョムスキー
さて,臨界期というのをご存じですね。発達過程において、その時期を過ぎるとある行動の学習が成立しなくなる限界の時期があり,それを臨界期(りんかいき)と言います。
言葉はこどものときの方が学びやすいです。外国に行ってしばらくすると,子どもの方がその国の言葉をうまく話せるようになり,親の通訳もするという話も聞いたことがあります。
以下,ぼくの考え,仮説も含まれているので,そのままは信じないでください。
どうも,脳は省力化,省エネがうまいのではないか。いつでもスイッチをオンにするのではなく,不必要なときにはオフにし,必要なときだけオンにするのではないか。
子どものときには,異性に対して関心がうすいです。そういうことについてはオフになっています。しかし,思春期になるとそのスイッチがオンになるのです。そのために,寝ても覚めても彼(女)のことを考えています。
言葉についてもそうです。チョムスキーによると,人間の脳には生まれつき「普遍文法」というのがあるのだそうです。そして,日本語に接するとその普遍文法が日本語文法になるのです。
長い歴史の中で言葉というのは,一つでよかったはずです。だから,子どものときにある程度の文法が頭の中にできあがると,もうそのスイッチをオフにしてしまうのです。省エネです。
地球上の多くの人間が,外国語を話せるようになりたいと思うようになったのは,せいぜい5~60年前でしょう。それまでは自国語が話せれば十分だった。外国語を学ぶ必要がなかったのです。だから,遺伝子は脳に,子どものころに言語を学ぶスイッチをオンにして,大きくなるとそれをオフにするようになったのです。
だから,中学生になったころは,言語を学ぶスイッチはオフになってしまっています。それでいくら学んでも赤ちゃんのように言葉を学ぶことが難しくなっているのではないでしょうか。
赤ちゃんの脳と中学生の脳では,まったく異なっているのです。だから中学生には中学生の英語の学び方があるのではないか,というのがぼくの考えです。
中学生では言語を学ぶスイッチがオフになっているから,もうだめではないかというと,そうではないです。
人間の脳というのは,とてもとても柔軟なのです。必要とあればほかの部分で肩代わりすることもやるのです。だから,練習に練習を繰り返すうちに,脳は変わってきます。
もともとあるのをスイッチオンにすれば楽ではありますが,オフだからと諦めることはないのですね。多くの人が苦労しながらも外国語を身につけています。
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