FC2ブログ
セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

「英語は逆から学べ!」批判
 お勧めがあったので,「英語は逆から学べ!」を読みました。



 はっきりいって,有害な本です。このような本が売れているというのは憂慮すべきことだと思っています。

 まずは,本書の内容を紹介します。

マサチューセッツ工科大学のノーム チョムスキー教授の(ユニバーサル文法説)について、私はかなりの 部分で正しいと考えています。
ユニバーサル文法という概念は、「もともと言語という宇宙があって、ユニバーサル文法を処理する能力を遺伝的に脳が持っており、ユニバーサル文法のありとあらゆる細かいバラメーターをどんどんどんどん設定していくと、英語になったり日本語になったりする」という仮説です。 p86

ということは、現在日本語に設定されているバラメーターを英語に設定できるようにすれば、英語を習得できるというのがチョムスキー型の考え方です。p32

絶対にやってはいけない英語勉強法
・日本語の説明を聴きながらの勉強
・英和辞典、和英辞典などを使った勉強
・各単語の日本語の意味を暗記する勉強
・英文の音を聴いて日本語の意味を覚える勉強  p43


文法は、新しい言語を学ぶためには役に立ちません。それどころか邪魔になる。同様にネイティブスピーカーでない人が文法理論から英語を学ぼうとしたら必ず失敗します。P82

赤ちゃんと同じ方法で学ぶ p105

私が指導する方法は、子供が言語を学ぶのと同じような順番で学んでいく方法です。p108

「英語脳のつくり方」の基本メカニズム
1、発話状況を見ながら英語を聴く(海外ドラマなどを活用)
2、次を予想しながら見る

英語脳をつくるのに最適な教材
・テレビで2ヶ国語放映されているものを英語で聴く
・海外のitunes storeで海外ドラマをダウンロードする
・海外ドラマのDVD p119

とにかく、英語を流しっぱなしにする。P121



 特に新しい方法ではありません。

 「フォルマント周波数」というのが出てきますが,どうも眉唾です。それについては詳しくないので,以下のページ

http://www.geocities.jp/hillbook903/gukou4_4.html
http://www.higuchi.com/item/412/catid/50

 リラックス,腹式呼吸などは,特に問題ないです。

 アメリカの赤ちゃんがやっているのと同じように学べばだれでも自然に英語が身に付くというのがこの本の主旨です。もうずっと昔から言われ続けてきたことですね。
 映画を観なさい,テレビで英語放送を流しなさい,というのは手垢がついた方法です。

 さて,ぼくがここで言いたいことは,赤ちゃんが学ぶ方法と,映画を観る方法はまったく異なるということです。

 テレビに子守をさせないで


 だいぶ前に読んだ本です。自閉症が問題になったころで自閉症になるのはテレビに子守をさせるからだ、という仮説を述べた本でした。
 今ではその仮説は間違いであることはわかっています。しかし、その本質は大切なことを含んでいるとおもいます。

 なぜテレビを子守にすると自閉症になるとおもわれたのか。それはテレビが一方的に話しかけてくるからです。会話というのは双方向です。特に乳幼児期にはそうでなけえばいけません。
 キャッチボールをするようなものですね。

 お母さんと赤ちゃんが言葉のキャッチボールをする様子は次のページに書きました。
お母さんは,すばらしい言葉の教師

 それに対してテレビはまったく一方向です。(最近はデジタルになり双方向になってきましたが,赤ちゃんが使えるものではありません)
 赤ちゃんが泣いても,テレビ映画はそれを無視してストーリーが続きます。
 普通は,泣いたらお母さんが飛んできて,おむつを替えたり,ミルクをあげたりします。しかし,泣いてもなにもしてくれないのであれば,泣いてもしようがないということを学んで,泣くことさえしない子になってしまう可能性があります。

 テレビに子守をさせるというのはやってはいけない子育て法なのです。

 お母さんは子どもと言葉のキャッチボールをするときに,子どもの力をみながら手加減をします。最初はゆっくりボールを転がします。少しでもボールにふれたら,それをほめてあげます。そして上手になったらゆっくり投げてあげます。超スローボールです。そして徐々に速いボールを投げてあげます。

 それに対して,テレビ映画を流し続けるというのは,プロのノックを次々と与えるようなものです。相手がまったくとれなくてもテレビは気にしません。テレビはこちらが見えないのですから,手加減などしようがありません。どんどん次のノックがやってきます。ゆるいゴロさえとることができない人に強烈なノックをいくらやっても上達するはずがありません。

 学ぶものの力をみながら教えてあげるというのが,よい教師です。子どもも立場になるということです。テレビは相手の力などみる力はないので,いい教師になれないのです。

 赤ちゃんと同じ方法で学ぶといいながら,赤ちゃんが学ぶ方法ではなく,赤ちゃんにやってはいけない方法を提示していることがこの本の最大の間違いです。

 害のある本だと書きました。それはこのような間違えた英語学習法によって,楽に英語が学べると若者に思わせるだけでなく,こつこつと文法を学び,単語を覚えるといった正しい学習法から目を背けるように導いているからです。

 英語は大事業です。こつこつと学んでいくことが大切です。安易な道などありません。

英語学習「見積もりの誤り」
 なお,英語のテレビをつけっぱなしにする方法ですが,ある程度英語ができるようになった人には有効です。英検でいえば2級以上かな。少なくとも3級は欲しいところです。体験談が載っていますが,それがもし本当なら,ある程度英語を学んできた人でしょうね。 
関連記事
スポンサーサイト




Comment

 秘密にする

Track Back
TB*URL

Copyright © セルフ塾のブログ. all rights reserved.