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言葉,文字式より,具体的な数字が分かりやすい
 結論から先に書きます。言葉,文字式よりも,具体的な数字を用いた方がずっと分かりやすいということです。
 生徒に説明する場合は,具体的な数字を作ってその数字で式を展開し,数字を使って考えてみます。
 本当のことを言えば,具体的な数字を使って結論を出すのは,不十分です。別の数の場合はどうなるのか,決められないからです。厳密に言えば,文字式,言葉で説明しなければいけません。しかし,それは中学生には理解しにくいということです。

 電気の問題を,言葉を用いた説明,文字式を用いた説明,具体的な数字をを用いた説明の順に書きます。

 特に言葉を用いた説明,文字式を用いた説明の部分は,意味がよく分からないと思います。そう思っていただければ成功です。きちんと理解しなくてかまいません。厳密であっても,そのような説明では生徒は理解してくれません。

 具体的な数字の方も難しいのですが,まだずっとこちらが理解しにくいということが分かってくれると思います。


 電気の問題です。
 抵抗Pと抵抗Qがあります。抵抗Pの方が抵抗Qより電気抵抗が大きいです。
 その2つの抵抗を直列につないだ場合と並列につないだ場合の2通りの回路を作ります。次の図のように。
 
 そこで消費される電力の大きい順に並べなさい。という問題。

 これをまず言葉だけで説明してみます。言葉だけでは分かりにくいので,そのつもりで読んでください。分かりにくいことが分かったら,次に進んでもいいです。

 直列の場合,全体の抵抗は2つの抵抗の和になります。回路を流れる電流は,電源の電圧を全体の抵抗で割った商(わり算の答え)です。2つを足したので割るのですから,電流は小さくなりますね。
 抵抗Pにも抵抗Qにもそれと同じ大きさの電流が流れます。電圧は,電流と抵抗の積(かけ算の答え)です。抵抗Pの方が抵抗Qより大きいので,抵抗Pの方がQより電圧は高いです。
 電力は,電圧と電流の積です。PとQの電流の大きさは同じです。Pの方が電圧が高いので,Pの電力がQの電力より大きいです。
 
 次は並列の場合。
 並列の場合,2つの抵抗にかかる電圧は,電源の電圧と同じです。直列の場合は,2つの抵抗にかかる電圧の和が,電源の電圧ですから,並列の抵抗にかかる電圧の方が大きいです。抵抗が同じ場合,電圧は電流に比例するので,電流も並列の方が直列より大きいです。だから,電力は並列の2つの抵抗の方が直列の2つの抵抗より大きいことが分かります。
 次に並列の2つの抵抗を流れる電流を検討してみます。
 電流は,電圧を抵抗で割った商です。電圧が等しい場合は,抵抗が大きければ電流は小さくなります。抵抗と電流は反比例するのです。
 だから,抵抗が小さい方に大きな電流が流れます。つまり,抵抗Qの方に大きな電流が流れるのです。2つの電圧は等しいので,電力の大きさは抵抗Qの方が抵抗Pより大きいということになります。
 だから,電力の大きい順にいうと
 並列Q,並列P,直列P,直列Q になります。

 どうですか。これだけで理解できた人は立派です。


 文字式で,これを説明してみましょう。これも分かりにくいということだけを理解すればいいです。文字式での説明では子どもたちは理解してくれないでしょう。

 電源の電圧をEVとします。
 抵抗PをAΩ,抵抗QをBΩとします。
kairozu2.jpeg

 直列なので,(A+B)Ω これが全体の抵抗です。
 電流=電圧÷抵抗 です。
 全体を流れる電流=E/(A+B)(A)

 PにもQにもE/(A+B)(A)流れます。
 電圧=電流×抵抗 なので
 Pにかかる電圧=AE/(A+B)(V)
 Qにかかる電圧=BE/(A+B)(V)

 電力=電流×電圧
 Pの電力={E/(A+B)}×{AE/(A+B)}=AE²/(A+B)²(W)
 Qの電力={E/(A+B)}×{BE/(A+B)}=BE²/(A+B)²(W)

 2つで異なるのは,分子のAとB,Aの方が大きいので,Pの電力が大きいことが分かります。

 次は並列です。
 並列の場合,電圧が等しいです。だから,Pの電圧もQの電圧もEV。
 Pを流れる電流=E÷A=E/A(A)
 Qを流れる電流=E÷B=E/B(A)

 Pの電力=E×E/A=E²/A(W)
 Qの電力=E×E/B=E²/B(W)

 分数では,分母の小さい方が大きいです。A>Bなので,Qの電力が大きいです。

 直列と並列を比べてみます。
 直列で,電力の大きい方は
 直列Pの電力=AE²/(A+B)²(W)
 並列で,電力の小さい方は
 並列Pの電力=E²/A(W)

並列Pの電力-直列Pの電力={E²/A}-{AE²/(A+B)²}
(通分して,引き算)
={E²(A+B)²-A²E²}/A(A+B)²}
={E²(A²+2AB+B²)-A²E²}/A(A+B)²}
={A²E²+2ABE²+B²E²-A²E²}/A(A+B)²}
={2ABE²+B²E²}/A(A+B)²}>0

 だから,
 だから,電力の大きい順にいうと
 並列Q>並列P>直列P>直列Q になります。


 ぼくは,これを生徒に説明する場合は,具体的な数字を用います。できるだけ簡単数字で。そして,式を実際に計算していきます。


 電源の電圧を12Vとします。12,24,36などは,約数の多い数です。こういう場合は便利な数で重宝します。

 抵抗Pを2Ω,抵抗Qを1Ωとします。


kairozu.jpeg

 直列なので,2+1=3Ω これが全体の抵抗です。
 電流=電圧÷抵抗 です。
 全体を流れる電流=12÷3=4A
 PにもQにも4A流れます。
 電圧=電流×抵抗 なので
 Pにかかる電圧=4×2=8V
 Qにかかる電圧=4×1=4V

 電力=電流×電圧
 Pの電力=4×8=32W
 Qの電力=4×4=16W

 次は並列です。
 並列の場合,電圧が等しいです。だから,Pの電圧もQの電圧も12V。
 Pを流れる電流=12÷2=6A
 Qを流れる電流=12÷1=12A

 Pの電力=6×12=72W
 Qの電力=12×12=144W

 だから,
 だから,電力の大きい順にいうと
 並列Q>並列P>直列P>直列Q になります。

 同じ結論です。



 こちらの方がずっと分かりやすいはずです。具体的な数字でまず説明し,その後で言葉による一般的な説明を加えると理解がしやすくなります。

 厳密に言えば,ある数を使った場合は,こういう結論になるかもしれないが,別の数を使ったら異なる結論になるかもしれないではないか,という反論もあるでしょう。
 その通りです。言葉や文字式の方が一般化されます。
 でも分かりにくい。だから,ぼくはまずは数字で説明し,イメージがわいたら文字式や言葉での説明に進みます。最初から言葉や文字式では分かりにくいのです。

 
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