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セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

知ってしまったく知らなかった心理に戻れない
 ガソリンスタンドでいわれました。「この車、車検が切れていますよ」

 びっくりしました。もう数か月も前に車検が切れているのです。まったく知りませんでした。そして,それを知ったらもうびくびくです。ガソリンスタンドからすぐ近くの自宅まで車に乗って帰るのも冷や汗をかきながらです。もちろんすぐに車検に入れました。

 この数カ月間、全く平気で乗っていたのに、車検が切れたことがわかると,もう平常心ではいられなくなります。

 このようにあることを知ったあとの心理は、知らなかった時の心理と全く異なるのです。

 旧約聖書のアダムとイブは蛇にそそのかされて、「知恵の実」を食べてしまいます。そして、そのために知恵がつき、実を食べて後はもうすっかり以前とは異なり,自分が裸でいることを恥ずかしく思うのです。

 このような例はいくらでも見つかります。私たちは何か知った後はそれを知らなかったときとまったく違った心理になるのです。

 私どもの塾では年齢の異なった生徒が一緒に学習しています。

 年少の生徒が問題を解くのに四苦八苦してると、年長の生徒が横で笑って、「こんな簡単な問題も解けないのか」というのです。自分も1年前は同じようなものだったことをすっかり忘れてしまっているのです。

 その問題について,すでに学び終わった学習現在完了の年長の者が、現在まさに学んでいる学習現在進行中の年少者を笑うのです。

 私ども教える側も同じようなものです。私どももいろいろなことに関してまだ学習現在進行中ですが,子どもたちに教えることに関してはもう現在完了です。もうすでに学習は完了していることを教えているのです。そして、そのことに関して現在進行中の生徒たちを見ると、なぜそんなこともわからないのだろう、と思ってしまいます。

 それで「これはさっき教えたばかりではないか」や「また同じ間違いをする」と、つい口に出てしまいそうになります。

 しかし、ここでちょっと立ちどまって、自分も学習現在進行中の時にはその子と似たようなものだったのではないだろうかと自分を見つめるようにします。もうすっかり忘れてしまっているのですが,自分も子どものときはそうだったのかもしれないのです。

 そう考えると,こんなことも分からないのか,という気持ちが少しは遠のいてくれます。そして,この子が分かるように教えるにはどうすればいいのかという工夫の心が起こってくるのです。

今朝の琉球新報「論壇」に掲載されました。

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