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セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

子供なんだ・・・「伊豆の踊り子」
セルフ塾では、川端康成の「伊豆の踊り子」を読書に取り入れています。

 青春もので知られるこの本ですが、中学生には難しいところが多いです。

 まず、そのころ踊り子という身分が、軽蔑の対象であるということを知らなければいけません。

 峠の茶屋のおばあさんの発する言葉にそれがにじんで出てきます。

 それをまず読み取らなければいけません。時代背景というのがわからなければ読書というのも難しくなります。

 さて、旅館に泊まってる青年が、床につきます。遠くの方で踊り子のたたいている太鼓の音が聞こえます。

 その音を聞きながら、もんもんとして寝つけないという場面が出てきます。

 なぜ悶々として寝付けないか、それが理解できなければ、この話の内容がよくつかめなくなります。

 それで、この小説を読んでいる生徒が習いに来たときには、どちらかというと説明を加えながら教えていくという感じになります。

 踊り子たちというのは、今で言うと飲み屋のホステスさんのような感じだよ。踊りをしたり、太鼓をたたいたりもするけど、酒を飲んで楽しんでいる人たちを楽しませることが仕事になるんだ。

 お酒をついであげたり、話につきあってあげたり。

 そして、重要なのが「売春行為」のようなこともやっているということを、理解させなければなりません。

 青年が踊り子に好意を寄せているというのは、容易に理解できるようです。

 その踊り子が酒の場面で相手をさせられている。

 そして、もしかしたら売春行為も行われているのではないかということを考えながら、床に入っているので悶々としているということになるのです。

 踊り子の今夜が汚れるのであろうかと悩ましかった。



 この「汚れる」という意味、売春行為ということを話さなければいけないので、どうも僕も気おくれをしてしまいます。

 でも、そのことを理解できなければ、次の名場面がどうしても理解できなくなります。

 混浴の場で、踊り子が真っ裸のままでふるまう場面です。

 私は心に清水を感じ、ほうっと深い息をはいてから、ことこと笑った。子供なんだ。私たちを見つけた喜びで、まっ裸のまま日の光の中に飛び出し、つま先で背いっぱいにのびあがるほどに子供なんだ。



 この「子供なんだ」という言葉には深い意味があります。まだ「子供なんだ」は、まだ「汚れていないんだ」ということです。

 昨夜は、売春行為が行われていないんだという裏の意味が込められています。

 性的な行為を行った人には、あのようにまっ裸で走り回ることはできない、そういうことが理解ができなければ「子供なんだ」というセリフの意味がわかりません。

 そこのところを中学生に知らせなければいけないというのはなかなか難しいものです。冷や汗をかきながら説明をしています。

 川端康成は、ノーベル文学賞をもらった日本を代表する作家です。そういう意味で塾の読書に取り入れているのですが、むずかしいですね。



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24の瞳
こんばんは。

いま、1954年の映画、高峯秀子主演の「24の瞳」を見終わりました。木下けいすけの名作として知られていますが、現代の若者には通じにくい作品だと感じました。大人が分析的に見るには面白かったのですが。貧困、軍国主義化、国民唱歌のなつかしさなどを前提に、昭和の30年を振り返る映画なので、ちょっとダメなのです。

こんど、ぶろくに詳しく書きます。

yojiさんは、どうして伊豆の踊子を選んだのでしょうか?
rinkaan | URL | 2010/09/05/Sun 00:37[EDIT]
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