中学3年生の式の展開を、すべて一般的な方法でやるということを書きました。
因数分解もそうしています。数学の苦手な生徒は、因数分解のどの公式を使うか悩むよりも、一般的な方法ですべてやった方が、悩まないし、正解に達することが多いのです。
今年高校に進学した生徒の作文の一部を、次に引用します。
因数分解の場合は、田の字表とは言っていないのですが、彼はそれも田の字表だと思っているようです。Yojiさんたちは数学の間違ったところやわからないところを教えてくれます。特にYojiさんは田の字表で教えてくれます。最初は意味がわからなかったけれど、わかるようになりました。それ以来、数学の因数分解や 2次方程式ができるようになりました。そのおかげで、今では因数分解や2次方程式などは得意になりました。
彼はどちらかというと数学は苦手な方でした。それで因数分解も表を使って一般的な方法でさせたのです。
その方がよくわかったようで、因数分解も得意になったということです。
因数分解の一般的な方法というのは、一般に「たすき掛け」というやり方で、高校で習うものです。
現在は中学校ではやっていません。難しいからということだと思います。でもさせれば十分にできます。
その方がいろいろな公式の何を使おうか悩むよりもずっと楽なようです。マスターさせるまではたしかに少し大変ではあるのですが。
ではどのようにして表で因数分解を行うのか紹介します。
6x2+19x+15 を因数分解してみます。
これも、式の展開のように3行×3列の表を使います。
まず6x2と15を、次の部屋に書き込みます。
* | * | * |
:* | 6x2 | * |
* | * | 15 |
次は6x2が、何と何の積なのかを考えます。
今、仮に2xと3xの積とします。
そして15が5と3の積と考えます。
それを表に入れると次のようになります。
* | 3x | 3 |
2x | 6x2 | * |
5 | * | 15 |
そして、式の展開でやったように左と上を掛け算して部屋に書き込みます。次のようになります。
* | 3x | 3 |
2x | 6x2 | 6x |
5 | 15x | 15 |
xの項が15xと6xになりました。加えると21xです。
与えられた式のx項は19xなのでこれではだめです。
別の組み合わせを考えます。
次は、6x2=2x×3x, 15=3×5と考えます。
すると次のような表に整理できます。
* | 3x | 5 |
2x | 6x2 | 10x |
3 | 9x | 15 |
xの項は、9xと10xを加えると19x。これは与えられた式と同じです。
だから答えは(2x+3)(3x+5)になります。
このように表を使った式の展開の逆のことを、因数分解ですればいいのです。
たすき掛けでやっている作業と同じことを表でするのです。
たすき掛けでも、いろいろ仮の数を考えますが、この表を使った場合もそうするのです。
確かに最初は面倒です。でも、数学の苦手な中学生でも十分にできます。
前にも書いたように、公式を覚えて、何公式を使ったらいいのか考えるよりもずっと楽にできるのです。
たすき掛けよりもいいと思うのは、因数分解が式の展開の逆だということがはっきりする、ということです。
たすき掛けは、式の展開ではでてきませんね。
そして、式の展開で表の使い方に慣れているので、その逆をすればいいということで理解がしやすいように思います。
中学で出題される因数分解は単純な数字のパターンのものしか出ません。
一般的なやり方であっても、それほど苦労することなくできるように感じます。
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