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セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

鳥なき里のコウモリ
 外山 滋比古著「ちょっとした勉強のコツ」に、まさに民商の集まりのことだな、と思われる個所がありました。少し長くなりますが引用します。




 大学の講師控室には、だいたいにおいて同じ分野の勉強をした人たちが集まっている。しかし、そこでかわされる会話が専門にふれるものであることは、ごくまれである。互いに知っていることを話せば、きいている人に、あんなつまらぬ話をと思われる。あるいは、あんなことも知らないのかと笑われそうである。やめておこうとなる。みんなそういう気持ちになっているから、話題は世俗、低俗なものへ流れる。

 大学紛争のとき、各学科からひとりずつ委員が出て、事態の変化にそなえて待機することがおこなわれた。何時間も待つのである。退屈だからめいめい勝手な話をする。しかし、低俗なものでもなければ、当面の学生問題でもない。

 自分の研究している分野のことについてである。きいている方はみな門外漢で、くわしいことは何も知らないから、いちいち、新鮮で輿味ぶかい。感心してきく。話す方は張り合いがある。ふだん、はっきり考えたこともないような問題にまで踏みこんで、本人が自分でびっくりしたりする。同じ学科の教師たちと話しているのとは雲泥の差がある。

 そういう経験はとくべつなものではなく、多くの人に共通しているのであろう。何年もたってからも、会うと、あのときのおしゃべりは楽しかった、有益だった、といってなつかしむ。
(中略)

 成功の秘密は、メンバーがみんなそれぞれ違った専門をもっていた点にあると思われる。自分の発言がほかの人から批判を受けるかもしれないなどという心配はまったく無用である。なにを話しても、まわりから好意ある賛同、賞賛を受けられる。そう思って話していると、頭は全力回転して、ふだん考えないようなことまで飛び出す。”鳥なき里のコウモリ”、というのはよくないたとえであるが、コウモリはトリのいないところではコウモリであるのを忘れて、トリのようになりうる。
(中略)

 なるべく類をもって集まらないようにしなくてはならない。存分に自分の力を発揮するには遠慮があってはまずい。気兼ねは禁物である。別世界にいる人との交流はつねに刺激があって、有益で、おもしろい。



 民商・民主商工会の集まりは、まさにそのようなものです。異なる業者の集まりなのです。

 僕は学習塾をやっていますが、学習塾をやっている人はほかにいません。

 Yasunoriさんは、さしみ好酒家のマスターです。だから、もちろん鮮魚関係についてはプロです。それだけではありません。木工で家具類を作ることを趣味にしています。腕はプロ級です。

 それで、民商の集まりの時には、ぼくが「いまは何を作っているの?」と尋ねると、目を輝かせて、「今はね・・・」と長い話が続きます。
 それがまた楽しいのです。

 Shueiさんは、元沖縄民商の事務局員です。だから税金のことに関してはすごい知識を持っています。今でもあちこち出かけて行っては、民商会員の相談にのっています。

 彼の活動はまさに商売人の命を救う活動です。そんなこともあるのか、という不思議で面白い話しを聞くことができます。

 Yoshitakeさんは便利屋さんです。だからいろいろな知識を幅広く持っています。電気関係の知識もあります。また大工をさせてもプロ級です。いろいろな仕事をしているので、話題も豊富です。

 Yoshihiroくんは、電照菊栽培をしています。野菜もつくっています。畑を耕さないでいろいろなものをつくるという「不耕起栽培」をしています。常識では考えられないのですが、その話しも面白いです。

 それだけではなく彼は生物関係の知識はとても豊富です。
「珍しい鳥を見たが、あれは何だろうか」という質問をすると、すぐに返事が返ってきます。

 Kikumasa君は車の板金塗装をやっています。だから車のことにかけてはすごい知識があります。ぼくは車の調子が悪い時には、彼に電話をかけます。すると、いろいろ相談に乗ってくれます。とてもありがたいです。

 このように、みんな全く専門が違うのです。

 外山氏の書いているように、類が集まっていないのです。だから面白いのでしょう。

 「鳥なき里のコウモリ」という言葉を、僕は知らなかったので、辞書で引いてみました。

鳥(とり)無き里の蝙蝠(こうもり)
〔補説〕 鳥のいない所では、空を飛べる蝙蝠が威張る意からすぐれた者のいない所では、つまらない者が威張ることのたとえ。



 僕らは民商の仲間たちは、ほかに専門家がいないので、堂々といろいろなことを話して楽しんでいます。

 確かにそれぞれが「鳥無き里の蝙蝠」かもしれません。
 
 でも、集まると、有益で、おもしろい会話をすることができるので、それでいいのではないでしょうか。
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Comment

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Re: タイトルなし
 コメント、ありがとうございます。
 あなたが学生のころに全県的なイベントを企画していたのを思い出しました。専門が違う人と話すのは楽しいですね。
selfyojji | URL | 2011/07/28/Thu 11:19[EDIT]
大学でイベントを運営していた頃、色んな学校や専攻の学生が集まって、同じ目的を達成する為に切磋琢磨しながら取り組んだ事を思い出しました。
それぞれの違いを認め、敬意を持ってそれぞれを引き立てるように努め、それぞれに責任を果たしてもらうように期待を込めて。それが凄ーーく楽しかったです。
自分に任せられた分野で、周りの人の役に立てるって幸せな事ですね。
だからこそ、自分の役割を務めるために、もっと勉強しようと思えるのです。
ほんとに、周りのお陰です!
Haruna | URL | 2011/07/28/Thu 09:33[EDIT]
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