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セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

自分の子どもの能力が劣ることを受け入れる
 ノーベル文学賞を受賞したパール・バックは知的障害児の母親でした。彼女は娘と歩んだ道を手記「母よ嘆くなかれ」に書いています。

 彼女は、自分の娘が知的障がいを持っていることをなかなか受け入れることができません。そして次々と病院を訪れます。どの病院の医者も「娘さんの障害は治ります」と告げます。

 しかし、ミネソタ州のメイヨー・クリニック病院で終止符が打たれます。

 ドイツ人の医師が強い口調で言います。

「奥さん、このお嬢さんは決して治りません。空頼みはおやめになることです。あなたが真実を受けいれるのが最善なのです。お嬢さんは決してよくならないのです。その負担に耐える準備をなさってください。この子どもさんは決してちゃんと話せるようにはならないでしょう。よくて4歳程度以上には成長しないと思います。奥さん、わたしはあなたのために本当のことを申しあげているのです。」

 その医者の言葉によって、パールは現実を受け入れるようになります。真実を告げられる親はつらいです。しかしまた、真実を告げる医者もつらいのです。だからあいまいなことを伝える医者が多いのです。

 さて、障がいではないにしても、理解力、記憶力の劣る子がいます。残念なことですが、人間の能力は平等ではありません。一を聞いて十を知る子がいる一方で、十を聞いてやっと一を知る子もいるのです。

自分の子の能力が低いことを受け入れられない場合は地獄のようなものです。いらいらし、「なぜあなたは成績が良くないの。努力が足りないからよ」と叱りつけます。子どもは子どもで、まだ頑張りが足りないのだと自分を責めます。

 確かにどの子も伸びます。しかし伸びる速度は子どもによって違うのです。そのことを親は理解しなければいけません。頑張ることは大切です。しかし同じように頑張っても、同じように伸びるとは限りません。子どもに期待することは大切です。しかし、その子の能力以上のことを期待すると、親はイライラするし、子どもは押しつぶされてしまいます。

 子どもの能力が劣るのは、誰のせいでもありません。親が悪いわけでも、子どもが悪いわけでもないのです。

 子どもの成績が悪い時に、それがその子の能力のせいなのか、それとも努力不足のせいなのか、冷静に見つめ、能力が劣るためならば、それをしっかりと受け入れることが必要なのです。

 そして教師も、それをしっかりと告げるべきなのです。それがつらいことであっても。

 今朝の琉球新報論壇に掲載されました。

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Comment

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Re: 具象物の操作って大事ですね
 コメント、ありがとうございます。

 生まれたときの体重の話、いいですね。

 具体的というだけでなく、自分のことになるので、親しみもわきます。考える気持ちも強くなるはずです。
 そういうところから話すといいですね。ぼくも次はそれでいきます。

「具象物にたくさん触れさせたいと思いました。 」
 同感です。

 数字を操ることが大切ではありません。どこかで書いたはずですが、数をいくつまで唱えることができても数の概念ができたとはいえません。

 小学生に微分方程式を教えるという話も聞きました。

 操作はできるかもしれません。しかし、何をしているのか分からなければまったく意味がありません。

1、 Akemiさんの書かれた「体重の話」のような自分の生活に密着したものの操作。

2、 自分の生活から少し離れた具象物の操作

3、 数字の操作

 という感じで抽象化されていきますね。

( 水道方式では、2と3の間に、タイルという半具象的なものを入れます。)

 1,2の段階がない、数字の操作は、まさに机上のものでしかありません。


selfyojji | URL | 2011/08/10/Wed 11:21[EDIT]
具象物の操作って大事ですね
コメントバックありがとうございます。

単位について、この夏はこの子にしっかり理解してもらうよう考えています。
デシリットルは日常では殆んど使いませんよね。
実際にジュースや牛乳などの紙パックにあるのはミリリットル。
一リットル=10デシリットル=1000ミリリットル
1.8リットルは1800cc。

ちょうどいま、朝小の連載で、単位を扱ってくださっていますね。
とてもスモールステップなので、理解に時間がかかる子でも、タイルの表示などが分かり易いと思えます。

小数に上手につなげたいです。

生まれたときの体重は何グラムかお母さんにきいておいで、と言ってみます。
例えば3,500グラムだとしたら、キロにしたら何キログラムかな。
換算できるかな。
身長は、生まれたときと今、センチとメートル、両方で表せるかな。

そんなことからやっていきたいです。

さて具象物について。
先日、幼児教室もされている先生に、勉強を見てもらったら、具象物を使った操作ができない、と言っていただきました。
プリント上に与えられた計算はできます。だけど、おはじきとかを使ったり、絵や線分図に描いたり、が出来ないし、書いてもらっても、理解してないようだ、とのこと。

「11個のまんじゅうを二人で分ける。一人がもう一人より三個多く分ける。何個ずつにわけたらいいか」という問題。

おはじきで操作したら、幼児でもできそうなのに。

小二の娘、悪戦苦闘だったようで。

具象物にたくさん触れさせたいと思いました。
先生も、幼児さんや低学年さんに、具象物について、工夫されていることがありましたら、いつかブログでご紹介いただければありがたいです。
Akemi | URL | 2011/08/08/Mon 13:48[EDIT]
Re: ありがとうございます
 コメント、ありがとうございます。

 リットルとデシリットル、具体物を使って教えるのは、とてもいいですね。具体物を手で操作しながら、理解する。それを充分にすると、抽象的な思考へと進むことができると思います。

 それぞれの子にあわせた教え方をすれば、だれでもそれなりに伸びると思います。

 運動は、学習以上に持ってうまれた能力があるように感じます。ぼくは、楽しくやっていればいいと思います。
selfyojji | URL | 2011/08/08/Mon 11:13[EDIT]
ありがとうございます
「大地」の作者、パールバックが、わが子のことでそんな葛藤があったとは初めて知りました。

私は小さな塾で指導をしており、理解がゆっくりな子を気にかけております。
高学年なのに低学年の漢字や計算ができないというと、
「学習障害があるのでは」という大人もいます。

本人はいたって真面目で、言われたことは口ごたえはせず、熱心に取り組みます。
リットルとデシリットルといった単位については、牛乳パックやペットボトルなど実物を用いて、一緒にやってみたりしました。
1リットルが10デシリットル、というのが、やっとすぐに出てくるようになったところです。

私は親でなく、あくまで、一時的に一緒に時間を過ごす間柄に過ぎないのですが。
それでも、教え方を工夫すれば、何とかなるのではないか、と模索したりしています。

わが子に関しても、似たようなことがあります。勉強ではありません。運動です。
野球部に入っていて、わが子はうまいほうではありません。試合にも殆んど出られません。
技術が劣っていてもいい、努力してほしい、と思う夫。仲間と過ごす時間を楽しんでいるように見えるわが子が歯痒いのでしょう。
うまく出来ないのが悔しい、と練習してほしいのですが。
親の思うようにはなりません。

人間、総合力なのだから、出来ることも、そうでないこともあっていいと思うのですが。
ましてや、週末の野球は義務教育ではないし。技術以外に学べているので、あとは仕方がないか、と腹をくくったほうが親も楽な気がします。
Akemi | URL | 2011/08/07/Sun 05:21[EDIT]
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