よく売れているとのことなので,古本になるのを待って読んでみました。
気楽に読んで,笑えて,おもしろかったです。
机の上においていたら,生徒が「これうそ2割,作り話8割,ってテレビで言っていたよ」と言っています。そうかもしれないが,まあフィクションにしてもおもしろいものはおもしろいです。
とくに,吉永小百合に似た先輩との話はいかにも作り話かなって感じますが,どうなんでしょうか。
●学校から帰った俺はランドセルを置くやいなや
「ばあちゃん,腹減った」
とうったえたが,その日はきっと何もなかったのだろう。ばあちゃんはいきなり
「気のせいや」と返してきたのだ。
そう言われると,まだ9つかそこらの俺は「そうかなあ」と大人しくしているしかない。
(中略)
多分,夜の11時半くらいだったんだろう。俺はいくら気のせいやと言われても,お腹がすきすぎて目が覚めた。隣に寝ているばあちゃんを
「やっぱりお腹減った」
と揺り起こしたら,今度は
「夢や」
と言われてしまった。布団の中だったので、一瞬に夢かと思ったけど・・・・・空腹と寒さで涙がこぼれた。
●佐賀にやってきてからというもの、俺は年に一回、夏休みしかかあちゃんに会えなかった。
(中略)
「ばあちゃん、俺、今度の冬休みも広島に帰りたい」
「それは無理たい」
「なんで?」
「冬は、汽車が走っとらん」
俺は勢い込んだ分,がっかりした。でも、まだ望みが残っている。
「じゃあ、春休みに帰りたい」
「それも無理たい」
「なんで?」
「春は、運転手さんは用事があると」
(中略)
ところがその時、線路の向こうの方から汽車がやってきたのだ。
「うわぁ,汽車、走っとっと!!」
これでは、話が違う。
俺は友達もそっちのけので大急ぎで家へ帰った。
「ばあちゃん、汽車が走ってる!今年の冬は休みと違う!」
「まさか」
「今、見てきたもん!」
「それは、貨物列車や」
「違う!手を振ったら、振り替えしてくれたよ」
「それは、家畜やろう」
(まあ,子どもだましのうそで,罪はないだろう。頭の回りのいいばあさんだったようだ)
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