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セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

うれしかったHくんの合格
 今年の高校入試は5人も不合格者を出すというさんざんな結果でした(二次募集では全員合格)。

 しかし,その中でもうれしいこうとがありました。Hくんの合格です。

 Hくんは3年前,中学1年になったときにセルフ塾に入ってきました。
 セルフ塾は,選抜テストも入塾前審査もありません。先着順で受付を行います。
 だから塾に入る前にその子の力も分かりません。

 さて,塾に入ってきたとき,もちろんのことみんなと同じように中学1年生の課題をHくんにもさせました。なんとか課題に取り組んでいました。

 しかし,すぐに気づきました。漢字が読めないのです。目の前でテキストを読ませてみると,漢字がことごとく読めない。これはひどいと思いながら(もちろん,彼には言いませんよ),小学1年の漢字から読ませました。
 読めません。少しは読めるのですが,ほとんどだめです。「お母さん」は読めても「母(はは)」は読めない。

 さあ,どうしよう。これまでほったらかしにされて,切り捨てられてきたのだろう。とにかく,小学程度の漢字が読めなければどうしようもない。小学程度の漢字は読めるようにしよう。

 ということで,小学生用の漢字プリントにおさめられている短文を書き写し,読めるように練習し,そして読めるかどうかテストするという課題を与えました。それが中心です。ただ,それだけではなく他の科目も一応させました。

 しかし,悪いことにぼくの塾はセルフラーニングです。自分で説明を読んで課題を行わなければなりません。説明はもちろん漢字がたくさん。読めないので,進みません。ぼくらに一字一字習いにきます。社会は意味は分からずにただ文字の形だけで解いているようです。

 学校のテストの結果もさんざん。0点はなかったものの一桁台がかなりあります。

 Hくんはまじめに,ぼくらが与えた課題をこなしていきました。ぼくらが行う漢字読みのテストも合格しながら,先に先に進んで6年のものまで終了。
 しかし,その場では覚えていても,まったくといっていいほど定着していないのです。1年の漢字から読むことができない状態が続いているのです。

 「漢字は読みだけを練習させてもだめよ。書取をさせる中で読みも定着するのよ。ゆっくりでいいから,いま小学生にさせているようにじっくり漢字の読み書きができるようにするべきよ。」
 妻の意見です。そうすることにしました。急ぎすぎたぼくの間違いです。まさに「急がば回れ」です。

 小学1年生にさせる課題をさせました。漢字を書き写し,書取をします(後日に,小学部の漢字の練習のしかたを書きますね)。1日に漢字3文字,1日40分ぐらいかかります。

 よくやりました。学校のテストの点数もあがってきました。何度も自己最高席次ということでセルフニュースにも掲載しました。

 中学3年になり,漢字検定を受けさせることにしました。本人に訊いてみると小学2年程度の9級に挑戦してみるとのこと。そうすることにしました。
 だいぶ前から,漢字検定9級用の問題集,そして過去問題をたっぷりさせました。辞典を引くのはとても上手になっています。間違えては調べ調べ,課題をこなしています。

 昨年8月。セルフ塾で受験。結果は1点足りずに不合格です。がっくりです。彼もそうだったでしょう。こんなに練習したのに。10級から始めればよかったなあ,とまた反省です。

 でも,もう一度トライです。また同じ問題集(9級の問題集は少ない)を繰り返しました。
 そして,今年1月に受験。今度は見事合格です。でも,そんなに余裕があったわけではありません。合格点をわずかに上回っただけです。

 Hくんは,数学では例を参考にしながら中学3年のものも十分にできます。二次方程式も三平方の定理も解くことができます。少し応用が入ると難しいのですが,計算は上手です。
 理科,社会にしても,読めないだけで覚えはそんなに悪くありません。口頭で一問一答の問題をするとけっこう覚えきれます。

 しかし,漢字は覚え切れません。英単語も覚えきれないようです。
 このような単語類は覚えきれない。ただ,話をしていたらちゃんとしています。

 脳の中の漢字,単語を覚える,といった部分だけが抜け落ちているといった感じです。

 さて,このような状態のまま高校入試です。こんなに漢字が読めなくてどうする,とぼくは思ったりもしましたが,Hくんはまじめに入試問題にも取り組みました。

 そして,K高校を受験。なんと見事に合格したのです。漢字を読めないというハンディはあっても,もてる力でぶつかったのです。
 これは自信をもっていえます。この3年間セルフ塾で学んだ成果だと。彼のまじめさ,がんばりの成果だと。

 推薦入学内定者をのぞいた一般入学志願者は149人。合格者は129人。20人も不合格者が出ているのです。この20人の不合格者ではなく,149人の合格者の中に彼はいたのです。
 とてもうれしいことでした。

 塾のチェック係りの人たちも「(高校入試発表)どうでしたか。」と,全体的な結果のあと「Hくんはどうでしたか」と,Hくんのことを尋ねました。
 彼が中学1年のときに書いた字は,字ではなかったそうです。それなりに似せているかもしれないが,ばらばらで字になっていなかった。それがだんだん字の形になってきた。チェック係りの人たちはその成長をみているのですね。

 高校に入ってもまだまだ苦労はするでしょう。でもこの間学んだことは必ず彼の人生にプラスになると信じています。
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Comment

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terakoyaさんありがとうございます
terakoyaさん
コメント,ありがとうございます。
寺子屋っていいですよね。
ぼくの塾も寺子屋のつもりです。
子どもひとり1人をみつめる,それが大切です。
同じような塾かな,と思います。
Yoji | URL | 2008/05/02/Fri 23:23[EDIT]
こんにちは
H君の指導ではいろいろご苦労があったことと思います。
本人も大変だったでしょう。(いまも大変でしょうが。)

私もH君の話を読んで思い出す子が何人かいます。
その中には高校になっても関わり続けている子もいて、相変わらず大変です。

ハンディを抱えている子の指導というのは、教える側としては、受験勉強を指導することと全く異なる気持ちが必要になりますよね。
本人にとって本当に今後の糧になる指導だったのだろうなあと思いました。
terakoya | URL | 2008/05/02/Fri 14:20[EDIT]
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