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セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

言語の脳科学―脳はどのようにことばを生みだすか


 おもしろい本でした。

 チョムスキーの脳科学の立場から立証しようという試みです。まだ脳科学が十分に発達している訳ではないので,きちんと立証できたわけではありません。しかし,その方向性は確かに正しいと思われます。

 ただ,スキナーの行動主義批判の仕方がよろしくない。ぼくはスキナーの理論を学んだが,著者の無理解さは激しい。矮小化して,自分で作り上げた行動主義を批判して満足している感じがしまする。もっときちんとスキナーを理解して欲しい。
 チョムスキーとスキナーはかなり激しい議論を行ったことは有名なことだが,一方的な意見という感じです。

 ●は本書からの引用で,( )はぼくの意見,感想です。

● チョムスキーは,発生の仕組みで体ができあがるのと同じように,脳に「言語器官」があって,言語も成長に従って決定されると考えた。言い換えると,言語は,本人の努力による「学習」の結果生ずるのではなく,言語の元になる能力,すなわち言語知識の原型がすでに脳に存在していて,その変化によって言語の獲得が生じると考えればよい。

( この長い人間の進化の中で,言語の原型が脳にあっても不思議ではないかもしれない )

● チョムスキーは,自然言語には文を作るための必然的な文法規則があり,これが普遍的かつ生得的な原理であることを提唱した。一方,意味や概念の学習は後天的であり,単語と意味のつながりは連想に基づくものであって,その連想関係は偶然的である。
● 言語獲得は一定の成長の過程をとるのに対して,学習の過程は教育のやり方で大きく変わるし,個人差も大きい。文字や第二言語の勉強に学校教育が貢献しているのも,学習の必要性を反映したものである。母語における文法の獲得や使用は,無意識的に行われるのに対し,第二言語を取得するときに意識的な反復学習が必要なのは,多くの人が経験済みであろう。

( 英語教育において,学校教育を批判する人の中に,「アメリカの子どもたちはみな英語を楽に話すのに,なぜ中学,高校と英語を学んでいてまったく話せないのか。それは文法重視の教育が悪いのではないか,」という人がいますね。チョムスキーの理論からすれば私たちが日本語を習得するのと中学生になって英語を学ぶのとではまったく異なるものだということでしょう)

● クリストファーという1人のサヴァンは,20カ国語を使いこなす「言語天才」であり,
● クリストファーの特殊技能を概観するうえで,注目すべきもう一つの点は,言語を習い覚えるその速さと容易さである」
●巧みな文法能力を発揮して,わずかな例から自然に使いこなせるようになった。
● 幼児のときには,誰でもクリストファーと同じように,この「言語モジュール」を使って,どんな言語でも獲得しているのだから,クリストファーは,幼児の言語モジュールの能力を大人になっても失わなかったことがユニークなのである。

( 幼児期には,みんな言語の天才です。それは分かります。日本人の赤ちゃんはいとも簡単に日本語を話せるようになります。それが中学生になっていくら勉強しても話せるようにはならない。それは,幼児期にあった言語を獲得する能力を中学生では失ってしまっているのですね。
 とすると,幼児期と中学生では,英語教育の仕方が根本的に異なる必要があるのではないかと思えます。やはり,意識的に文法を学ぶというのは必要ではないのか)

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