どちらもとても大切な用語で、覚えなければいけません。
わ‐こう【×倭×寇/和×寇】
13世紀から16世紀にかけて、朝鮮および中国大陸沿岸に出没し、略奪行為や密貿易を行った海賊集団に対する朝鮮・中国側の呼称。15世紀までの前期倭寇は瀬戸内海・北九州を本拠とした日本人が多かったが、16世紀の後期倭寇は中国人を主体とした。八幡(ばはん)。[ 大辞泉 提供: JapanKnowledge ]
げん‐こう【元寇】
文永11年(1274)と弘安4年(1281)に、元のフビライの軍が日本に攻めてきた事変。蒙古来(もうこらい)。蒙古襲来。[ 大辞泉 提供: JapanKnowledge ]
さて、この倭寇、元寇の「寇」の字は、それ以外にはお目にかかったことがありません。倭寇、元寇の意味はわかりますが、この「寇」の1文字の意味ははっきりしませんでした。それで調べてみました。
あだ【×仇/×寇】
《室町時代までは「あた」》
1 仕返しをしようと思う相手。敵。かたき。「親の―を討つ」
2 恨みに思って仕返しをすること。また、その恨み。「恩を―で返す」
3 害をなすもの。危害。「親切のつもりが―となる」
4 攻めてくる敵兵。侵入してくる外敵。
「しらぬひ筑紫(つくし)の国は―守る押への城(き)そと」〈万・四三三一〉[ 大辞泉 提供: JapanKnowledge ]
そのなかの、
3の害をなすもの。危害。
あるいは
4の 攻めてくる敵兵。侵入してくる外敵
にあたるのでしょうね。
攻めてきて危害をなる日本の外敵が和冦、攻めてきて害をなす元の国の敵兵が元寇ということになるでしょう。
そう覚えると理解しやすいです。
さて、白川静著「常用字解」で、「冦」は「完」の字の解説に出てきます。
戦いでとらえた敵を廟に連れて来て、元(頭)に攴[ぼく](打つの意味がある)を加えて呪いをかける字が寇[こう](あだする、かたき)で、敵、外敵の意味がある
とあります。なるほどです。
元寇や倭寇には、呪いをかけたくなりますね。
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