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セルフ塾は閉めましたが、そのままの名前でブログを続けます。独学,独習。教わるより,学ぶを重視。 セルフラーニングの方法,英語,数学などの情報を発信するつもりです。

バッテリーⅢ


 バッテリーⅢ もおもしろかった。野球小説としておもしろい。

 そして,また次の部分も。まず,抜粋します。


 (紅白試合のあと校長先生が語ります)

「(前略)そう、学生のやるスポーツというのはそうでなくちゃいかんのだ。みんなで力を合わせてやりぬく。ひとりじゃできないことでも集団ならできる。集団を生かすためには、自分の欲や思いを殺さないといけないこともある。それがチームワーク、チームプレイというものだろう。きみたちはそれを学ぼうとしている。そうですよね、戸村先生」
 (中略)
「技術的なことを言ってるんじゃないんです。精神ですよ。懸命に何かに打ち込むことで得られる協調と助け合いの精神、それが学生スポーツの神髄でしょう。その精神が、野球部には、芽生え始めていると感じたわけです。友情や努力も・・・・」

(その後,ちょっとしたトラブルそして,3年の展西が原田に言う。)

「なあ、原田・・・おまえ、ほんまに大会で優勝したいとか、チーム全本が強くなったいいとか、そんなこと思ったことあるんかよ。みんなで力を合わせて、仲間と信頼深めてがんばって・・・それでみんなで喜んだり悲しんだりして、そういうこと思って、野球してるんか」
展西の問い方は穏やかだった。答えを聞きたいのだという穏やかな響きがあった。
「思ってません」
答える。隣で、豪の身体がぴくりと動いた。
「けど、ひとりじゃ野球はできないってことぐらい、わかってます」
(中略)
「ただ、試合の勝利とかチームの成長とかのためより、自分の最高の球を投げるためにやっているというか・・・」
(中略)
「これは、また、ずいぶんと自己中心的な考え方だねえ」
校長は首を横に振り、眼鏡を押し上げた。
(中略)

校長の声が荒くなる。
「スポーツ活動は、教育のー環です。健全な精神と肉体を養うためにあるのでしょう」
「おっしゃるとおりです」
「あなたは、長年、野球部の活動を指導してきて、子どもたちに学校スポーツの基本も教えられなかった。責任問題です。野球部の活動再開も考え直さないと・・・」
「なんで、そんなこと、あんたが決めるんだよ」
巧は叫んでいた。
「おれたちのやることを、なんで、勝手に決めるんだよ」
(中略)
(キャプテンの海音寺が言う)
「先生、原田の言うとおりです。許可するだのしないだの、勝手に決めないでください。いろいろ、ごちゃごちゃあっても、部員はみんな野球が好きで、都活ができるようになって喜んでるんです。おれたちの部なんですから、やらせてください」
校長は海音寺の顔を見つめ、かすかに目を細めた。
「海音寺くん、ちがうんだよ」
「は?」
「学校内にある部というのは、文化部、運動部を問わず、全て学校活動に組み入れられている。新田東中の野球部は、新田東中という中学校のものなんだよ。むろん、きみたちのものだ。けれど、きみたちだけのものじゃない。わかるね? きみらが他校と試合をする。そのとき、きみらは新田東中の名前を背負うわけだ。新田東の野球部は強い、新田東の野球部はりっぱだ、きちんとしている、礼儀を知っている・・・・そういう風にいつも、校名かついてまわるんだ。いいか、誤解してはいけないよ。

 ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  
 校長先生のきれいごと。それに対して,巧の素直な気持ち。

 ぼくは,きれいごとが好きではない。何かとってつけたようで,そういうのを言うのは恥ずかしくります。

 しかし,ここでも巧にこのような発言をさせるとは。著者あさのあつこさんって,どんな人なのか?

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