宿泊客のJさんがミステリー作家の岸田るり子さんを紹介してくれると言うので、書店で岸田るり子さんの「天使の眠り」を買って読みました。
とても面白かったです。これから読む人もいるでしょうから細部にわたって書くことはしません。
次は裏表紙にあったあらすじです。
京都の医大に勤める秋沢宗一は、同僚の結婚披露宴で偶然、十三年前の恋人-亜木帆一ニ三に出会う。不思議なことに彼女は、未だニ十代の若さと美貌を持つ別人となっていた。昔の激しい恋情が甦った秋沢は、女の周辺を探るうち驚くべき事実を摑む。彼女を愛した男たちが、次々と謎の死を遂げていたのだ・・・気鋭が放つ、サスペンス-ミステリー!
このあらすじの範囲内で書きます。
ミステリー小説は好きですが久しぶりに読みました。 吸い込まれるように読み進めました。
動機もアリバイもしっかりしているし、そして組み立ても素晴らしいです。
途中で何気なく交わされる会話が布石となっていて、後で重要な意味を持ちます。
読んでる時に、これはホラー映画やSF 小説のような非科学的な小説なのかなと思ったりもしました。
でもそうではありません。 ちゃんと科学的な本です。分からない病名が出てきますが 、Google 検索するとちゃんとその通りのことが出てきました。
岸田るり子さんに会って話をした時に
「この話はとても面白かった。テレビドラマや映画にしてもいいと思うが」と尋ねると、
「そういう話はあったけどこれは映像にはならないのです」との答えでした。
そう言われるとそうです。 これは映像にしてしまうと面白くなくなるでしょう。
主人公の秋沢宗一が、13年ぶりに会った元恋人は別人になっていたというところです。そこのところを小説でなら曖昧な感じで描き、そして話を続けることができます。
そしてそのことがこの話のかなり中心的な意味を持ちます。そこを描ききれなければ映像にしても面白くないでしょう。
面白いのですが、テレビや映画にはできないので、ぜひ小説を読んでみてください。
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